冨田勲との対談(1979年) 2/4 | 新津章夫 Official Blog 《迷宮の森》

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tomita

 資料を整理していたら面白い記事を見つけました。1979年に雑誌の企画で行われた冨田勲さんとの対談です。おそらく、FMレコパルかホットドッグプレスだと思われます。構成は、「I・O」のスーパーバイザーであり、音楽ライターの岩田由紀夫さん。


※ネットで読むには長めなので、各章ごとに4回に分けて掲載します。今回は、その2回目。



「80年代展望 マルチ対談」


線画的人間(新津)と彩色画的人間(富田)は、

ともに手作り音楽の名手だった


「バミューダ・トライアングル」を発表していよいよ冴えるシンセ音楽の大家、富田勲と、「I・O」でデビューのマルチ・ギタリスト、新津章夫の異色対談!!



“ピラミッド・サウンド”って何だろう


新津 今回の富田さんのアルバムは、初めから“ピラミッド”を意識して制作されたんですか?


冨田 いや、違うんです。僕の音楽のファンの方ならご存知と思いますが、僕は以前から4チャンネル考え方をしていたんです。


2チャンネル、つまり普通のステレオは前からの広がり、4チャンネルだと後ろからの音の広がりが加わります。


この4つのスピーカーの中心で聴いて下さいというんじゃなく、この4つのスピーカーの作り出す音場の中に入って聴いて下さい、ということなんです。


新津 四角錘の音場ですね。


冨田 そうです。それでハッと気がついたら、これはピラミッドなんですね。それで、“ピラミッド・サウンド”って名づけたんです。


対談は東京・麻布にある冨田勲さんの自宅の応接間と、シンセサイザーが所狭しと並んだ仕事場で行われた。二人が話をしているところを誰かがみたら、とてもミュージシャン同士の対談とは思えない――まるで学者とその助手が、未来学について討議している、そんな感じにうつったに違いない。



追記

 ここで語られている4チャンネルとは、現在のサラウンドとは異なり、ステレオ2チャンネルと同様に、4つのスピーカー(前方2つ、後方2つ)にそれぞれの音を出すという考え方です。たとえば、大げさな話ですが、ピアノ、ギター、ベース、ドラムの編成があったとしたら、前方の左スピーカーにピアノ、右にギター、後方の左にベース、右にドラムの音がそれぞれのスピーカーから発する音作りを意味します。


 また、冨田さんの言っている「ピラミッド」とは、このことです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB_(%E5%86%A8%E7%94%B0%E5%8B%B2 )


 ジャケットデザインは、「I・O」と同様、横尾忠則さんでした。