漫画『スーパージェッター』Part1:「ファン」にとっての久松文雄代表作② | 懐かしエッセイ 輝ける時代たち(シーズンズ)

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懐かしい’60s’70s’80s
ひときわ輝いていたあの時代の思い出のエッセイ集です。
毎週土曜日更新予定です。

 今日は。

 松本零士「お別れの会」が6月3日に「国際フォーラム」で開かれました。
会の様子はブロ友(勝手にしてすみません)の「風媒花」さんのブログを見てください。
風媒花さん、早く立ち直り、又ブログ再開してくださいね。

https://ameblo.jp/fuubaika/entry-12806067524.html

 

 


盟友ちばてつや「くずてつ日記」でこの会について、書いています。

https://ameblo.jp/chibatetsu/entry-12805972975.html

 今週は、いつもの週一の更新と異なり、「『ファン』にとっての久松文雄代表作①」の続きを水曜日にお届けします。

「『ファン』にとっての久松文雄代表作②」のプロローグ


 前回「漫画『スーパージェッター』Part1:「ファン」にとっての久松文雄代表作 ①」(リンク)の冒頭で、「また、最近「空飛ぶ車」が話題になっていますが、思い返せば、その最初は『スーパージェッター』に登場する「流星号」ではなかったでしょうか?」と書いて、相棒のKaitoからクレームが来ました。
最初の「空飛ぶ車」は、『スーパーカー』(Supercar)だと。

確かに、「空飛ぶ車」には『スーパーカー』(Supercar)は1960年に英国ジェリー・アンダーソンが製作した特撮人形劇でしたね。

 〇スーパーカー【OP/ED】Supercar 1961'

   

 

 https://youtu.be/CLhOEbzIP9M

実は、「『タイムマシン』としての空飛ぶ車は流星号」と書くつもりが、少し筆が滑って、「空飛ぶ車では」と書いてしまいました。
これについは、最後に触れたいと思います。

<漫画『スーパージェッター』Part1:「ファン」にとっての久松文雄代表作②>
 
  僕は、この「スーパージェッター」から、あの映画「Back To The Future」のタイムマシン「デロリアン」を思い出します。
 動画を見てみましょう。

 〇バック・トゥ・ザ・フューチャーⅡ 空飛ぶデロリアン 【日曜洋画劇場】

  

 


 https://youtu.be/RT47xRnzkNQ

 「デロリアン」は車型のタイムマシンで、それまでの固定式のタイムマシンではなく、タイムマシンとしても、車としても、陸も空も移動可能でした。


●物語 あらすじ (前回からの続き)
 漫画『スーパージェッター』の第二巻のあらすじをご紹介します。

Vol.2


●キングスペード(100頁の中編)
 地球をある星への売り渡しを計画する「キングスペード」と謎の「0組織」が、「引力制御装置」を開発している日高博士と彼のの息子健二の誘拐。

 「精神感応」(テレパシー)でつながっている日高博士と健二の交信を基に、ジェッターと健二はゴビ砂漠にあるキングスペードの基地に乗り込む。
「キングスペード」の基地では、北極圏で死んだと思われたジャガーが、催眠マシンで、日高博士に強引に、「引力制御装置博士」を作らせていた。
首領のミスター・キングは、引力制制御装置を使って、米国・ソ連を手始めに、各国を宇宙に飛ばし、世界制覇を企んでいる。

 そこに基地の東数キロに、竜巻が発生し、首領は、基地を太平洋の水中に移動させる。

 ジェッターは、博士と健二を再び救出しようとする。

 実は、ミスター・キングは、MQ惑星総統「カスパ」に命令され、地球を征服しようとしたのだ。
しびれを切らした総統カスパは、大円盤群を伴って、3日後に地球に攻めてくる。

 引力制御装置を使用し、基地の周りの引力が減るようにし、基地から無事逃げ出すジェッターと博士と健二。
ジェッターは西郷長官に、3日後の攻撃について話をし、長官は地球防衛隊を組織し、宇宙人を迎え撃つ。

●はるかなる金星(ビーナス)(50頁)
 金星一番乗りを阻止しようとするS国のヘリコプターが、金星 宇宙パイロット「早井進」の車を襲う。
運よく、そこにジェッターが通りかかり、崖から落ちる早井を救う。

 発車準備のロケットに時限爆弾をしかけるS国スパィ。
それを知らずに、博士に黙って、ロケットを発射させる目の見えない早井と月星博士の娘マリ子。


 ロケットは運悪く、流星雨に襲われ、軌道修正装置が壊され、地球に舞い戻る。
ロケットは深海1万メートルのマリアナ海峡に落下。
 時限爆弾の爆発する前に、助け出そうとするジェッター。
 何とか、ロケットの爆弾をむしり取り、あたりの放射能で巨大化したエビを倒し、流星号は深海からロケットを地上に搬送する。

 金星への探索を諦める早井とマリ子に、金星への到着するのは20XX年に、早井アキラだと教えるジェッター。
早井アキラは、ジェッターの25代前の先祖で、父早井進は26代前の先祖だった。
 
●スパイダー(150頁を超す中編)
 スパイダーは30世紀の超能力者で科学者。
科学の力で世の中を乱したため紀元前100万年に追放される。
運悪く、タイムマシンが故障し、20世紀で止まってしまう。
30世紀に戻る希望の消えたスパイダーは、「超科学力」を使って、20世紀を征服しようとする。

 ちょうどそこ頃、「ティモニ星」より帰還した宇宙ロケット「ノーム三号」が、持ち帰った原始獣をスパイダーは奪う。
この原始獣を使って20世紀を征服しようとするスパイダー。
3か月後の原始獣は更に巨大化し、スパイダーに一種の催眠術でてなずけさせられけ、デーモンと名つけられた。


デーモンを捜索に行ったジェッターは、途中スパイダーに捕まってしまう。

 謎の男「吹上参三」が、南太平洋「インスタント島」の地下に眠っている、「メトロン」という物質を奪うために、スパイダーの前に、力を貸せと現れた。
「メトロン」はウランの数百倍の威力を持つ原子燃料。
 その島には数百年前から住民が守り神としてあがめている怪物「ゴンゴー」がいて、うかつに近寄れない。

 インスタント島に向かう、スパイダーと「吹上参三」一味。
 デイモンとコンゴーとの海での戦い、デーモンがコンゴーを倒す。

 何とかスパイダーの基地から抜け出したジェッターもインスタント島に向かう。
スパイダーは酋長にメトロンがある「悪魔の谷」に案内させる。
谷には、大型トカゲがいる。

 日本に戻ったスパイダーは「原理力研究所」を占拠する。
そこに現れるジャガーは、スパイダーの仲間になり、ジェッターに戦いを挑む。
その戦いの中、スパイダーは、二人を殺そうとする。
 
 採掘機械をスパイダーは準備するも、ジャガーに運搬を阻止される。
ジャガーとスパイダーが、ジャガーのタイムマシンの中で戦う最中に消える。
 何かの拍子に、時間航行装置が直ったのでは、とジェッター。 

 以上扶桑社文庫①・②巻に収められる6編をご紹介しました。


●当時のSF作品、タイムマシンもの
  本作品を理解するために、「スーパージェッター」が雑誌連載された当時のSF作品を確認してみましょう。

  現在、多くのタイムマシンを使った作品、あるいは、『僕はビートルズ』(リンク)や『東京リベンジャーズ』のように、偶然に昔や未来に行ってしまう「タイムスリップ」現象を扱った作品もたくさんあります。
 当時はそう多くはなかったように思います。
 『スーパージェッター」以前の思い当たる作品をあげてみましょう。
   
 ●映画・小説
  〇小説『タイムマシン』


   イギリスの小説家H・G・ウェルズにより、1895年に発表されたSF小説。
   未来に対する風刺が効いている小説になっていると記憶しています。

  〇映画『タイム・マシン 80万年後の世界へ』


    小説「タイムマシン」をベースにしていますが、時代なのでしょう、20世紀の核戦争について追加しています。
    監督ジョージ・パル、ロッド・テイラー主演による1960年の映画。
    
 ●テレビ作品
  〇『タイムトンネル』
   1966年秋からアメリカABCで1シーズン放送されて、日本ではNHK総合テレビで、1967年春から放送されました。
   この作品は確か日曜日に放送されたと思うのですが、夢中になりましたね。
   ウイキペディアで確認したら、最初は土曜日夜10:10からの放送だったのですね。
   途中から、子ども向けに見やすい時間帯(日曜日夜6:00)の放送に変更されたといいます。

 ●漫画
  「五郎の冒険」(リンク)横山光輝
    「小学六年生」1959年(昭和34年)「小学六年生」4月号~翌35年3月号)

  「キャプテンKEN」(リンク)手塚治虫
    「週刊少年サンデー」1960年から1961年に雑誌「週刊少年サンデー」に連載。(1960/12/18から1961/08/20)

  〇『ドラえもん』藤子・F・不二雄
   ちなみに22世紀から来たロボット「ドラえもん」は1969年から連載開始。
   小学館の学年誌(『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』)にて連載されたました。
    したがって、『ドラえもん』は『少年ジェッター』後の作品です。

●おまけ 「空飛ぶ車」
  最初の空飛ぶ車は相棒のKaitoから「スーパーカー」だとの指摘があったと、冒頭に書きました。
  最初なら、実は1959年に放送されたテレビ「まぼろし探偵」ではないでしょうか?
  
  ●まぼろし探偵
  「折込広告社」による製作のもと、1959年4月1日から1960年3月27日までKRT(現:TBSテレビ)にて放映されています。
  
   〇まぼろし探偵 Blu-ray

 

    https://youtu.be/AlGxkSqFl5A

  ●『スパイキャッチャーJ3』
    『スパイキャッチャーJ3』(リンク)は1965年10月7日から1966年3月31日にかけて、NET(現・テレビ朝日)系で放送されたスパイアクション特撮テレビドラマ。東映東京制作所の第一回作品。全26話。30分番組。モノクロ作品

『スパイキャッチャーJ3』
   〇『スパイキャッチャーJ3』川津 祐介 コルベットスティングレイ

 

     https://youtu.be/3PpX-1-kpz0

     この作品よりジェッターの方が数か月、放送が早い。

次回のPart2「『久松文雄』にとっての代表作」で『スーパージェッター』について少し違った角度で、書きたいと思います。