『僕はビートルズ』: マンガに使われたビートルズ | 懐かしエッセイ 輝ける時代たち(シーズンズ)

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懐かしい’60s’70s’80s
ひときわ輝いていたあの時代の思い出のエッセイ集です。
毎週土曜日更新予定です。

 今日は。
今年2020年は、ジョン・レノン生誕80周年にあたります。
雑誌「PEN」での特集は見たのですが、他にも何かイベントはあるのでしょうか?
 
<『僕はビートルズ』: 
                    マンガに使われたビートルズ>
 
 そのジョンがいた、ビートルズは音楽で僕らを夢中にし続けてきました。
ビートルズの音楽は、CDやDVDで音・映像で今でも、人々を夢中にしています。
彼らと時代を共有したビートルズ「リアル世代」はもちろん、「ポスト世代」にも影響を与えてきました。
そして多くのコピーバンドも彼らの音楽を演奏してきました。
今回のビートルズネタは、そんなビートルズ・コピーバンドから見たビートルズを描いた『僕はビートルズ』について書きたいと思います。
 
●『僕はビートルズ 』概略

 
○作者
  クレジットは「かわぐちかいじ×原作 藤井哲夫」となっています。
 「週刊モーニング」に2010年10号から2012年12号に連載されました。

 「沈黙の艦隊」や「空母いぶき」のような、どちらかというと硬派のイメージのかわぐちかいじが描き上げた、原作付きの作品です。
  なんでも、講談社『モーニング』および『モーニング・ツー』が2014年まで実施していた漫画新人賞「MANGA OPEN」の審査員をしていてた、かわぐちがこの原作にほれこんで漫画化したといいます。
 くしくも、この作品が完結した2012年はビートルズ生誕50周年の年にあたりました。
 
 ○「僕はビートルズ」あらすじ
 
ビートルズのコピーバンド「ファブ・フォー」のジョージ役のショウこと蜂谷翔の目から、主にこの物語は語られます。

 コピーバンド「ファブ・フォー」が、2010年から突如ビートルズがデビューする前の1961年にタイムスリップしてしまいます。
 そこで、ビートルズより先に『抱きしめたい』『アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア』を「「ファブ・フォー」の曲として発表してしまうところから事件は始まります。
 英国でもレコードを発表。自分たちと同じ考えのバンドが自部たち以上のパフォーマスをするため、ジョンたちはショックを受け、本来その時にいるはずの英国 ライブハウス「Cavern」からビートルズは消えてしまいます。
 
 
ビートルズを消してしまったと考えたファブ・フォーは、その背負う大きさと戦いながらも、「ビートルズの代りにビートルズの曲を演奏させようと考えます。

 「国際見本市」のライブに参加するために、初めて英国の地を踏んだファブ・フォーは、リバプールにブライアン・エプスタインを訪ねます。
 生の演奏を聞いたブライアンはファブ・フォーのマネジメントを任せるように、ファブフォーのマネジメントを担当するマキに提案します。
 マキは、エプスタインに「ファブ・フォー」は消されてしまうと考え断ります。

 ビートルズは、解散したのではなく、エプスタインの勧めでもう一度初心に戻り、ドイツ・ハンブルグに腕を磨くために行っていました。
 英国に戻ったビートルズは「ファブ・フォー」に挑戦するために、国際見本市の会場に現れ、新曲『ファビラス・フォー』1曲を演奏し、観客を魅了してしまいます。
 
 フォブ・フォーは記者会見で、全て彼らが発表した曲で、ビートルズに返すと宣言し、ビートルズに直接会い、説明します。
 タイムスリップということは理解できなくとも、ジョンは肌感覚で自分たちの曲であることを理解します。
 
  その後、彼らがタイムスリップした2010年迄、音楽と関係ない仕事で生き続けます。
 
○作品の意外なこと
  ビートルズが主役ですが、単行本10冊の長編でありながら、ビートルズは中間に1回ジョンの嘆きと最後に「ファブ・フォー」に挑戦するためにライブで新曲を歌う2回しか登場しません。
  その分、全編にビートルズの小ネタ?も散りばめられています。
 ですが、現代の「ファブ・フォー」というコピーバンドを通じて、改めてビートルズの凄さを知りました。僕KANEが考える、その凄さについては別の稿で書きたいと思います。
 
 ○メカは潜水艦ならぬ楽器

  いつもなら、戦艦や潜水艦といったメカを描くかわぐちかいじですが、今回は同じメカでも、ビートルズが使ったギターやベース、ドラムといった楽器を描き込んでいます。
  この作品のあらやるところに、リッケンバッカーグレッチヘフナー、ラディックを登場させています。
  ちなみに単行本の装丁はこっています。
   1巻:表紙はヘフナーを弾くマコト、
      裏表紙とカバーの裏にはヘフナー500-1
   2巻:表紙はグレッチを弾くショウ
      裏表紙とカバーの裏にはグレッチ Duo Jet
   3巻:表紙はドラム「ラディク」を弾くコンタ
      裏表紙とカバーの裏にはドラム「ラディク」
   4巻:表紙はリッケンバッカーを弾くレイ
      裏表紙とカバーの裏にはリッケンバッカー325
 
 ○作者の思い(単行本「あとがき」から)
  僕は、以前のも書きましたが、原作者とマンガ家がいる場合に、マンガ家は「監督」であると考えています。
  原作者が書いた脚本をカメラを使って現実家しているので。
  原作者とマンガ家の二人はあとがきで次のように書いています。
  1.かわぐちかいじ:作品の監督?(兼共同脚本家)
   「ビートルズになりたいとどれほどマネしてもなれない。
   それはなぜ?」と書いています。
   つまりビートルズの凄さは何なのかという自問でしょうか?
  2.藤井哲夫:脚本家?
   「ビートルズはなんだったのか? オリジナリティとは何なのか?」
    かわぐちの問にもう一つ追加しています。
    楽曲のコピーバンドの演奏とオリジナルのバンド=ビートルズ
    の演奏の違いは何かということでしょうか?

 
 
●ビートルズとは? コピーとは?
 このマンガのネタ晴らしになりますが、上の作者の思いを考えながら、会話をピックアップしながら、もう少し、ストーリーを詳しく書いてみましょう。
 
ポピュラー・ミュージックの歴史を変えかけた「ファブ・フォー」の4人。
彼等のプレッシャーはどれだけだったでしょうか!?
 
 そんなことも併せて、ご興味のある方は是非、お付き合いください。
 
<1961年の吉祥寺にタイムスリップ>
  時は2010年、ビートルズのコピーバンド「ファブ・フォー」が六本木のビートルズの「キャバーン」で演奏している。
 このバンドはリーダーのレイ(ジョン担当)、マコト(ポール担当)、ショウ(ジョージ担当)、コンタ(リンゴ担当)の4人。
 英国「ビートルズ コンベンション」の参加を巡って、仲間割れ状態になっている。
 これがきっかけで、地下鉄の六本木駅のホームで、マコトがレイを押し、何故か、4人はビートルズがデビューする前1961年の吉祥寺にタイムスリップしてしまう。

  当時のお金を持たない二人は、酒場で歌っていた歌手志望の「流しの竜」に夕飯をおごってもらう。
 「流しの竜」に連れて行ってもらったスナックのママの前でにビートルズの「イエスタデー」を歌う。
 マコトが、これは自分が作った曲と紹介たところからビートルズと彼らの戦い?が始まる。

 ○Writer4のコメント
 六本木にビートルズのコピーバンドが生演奏するクラブ「キャバーン」があり僕たちは時々、少ない小遣いを使いこのライブハウスに行きました。
 クラブ「キャバーン」のハコバンは、「カブトムシ」ならぬ「てんとう虫」「The Ladybug(レディバグ)」でした。
 
<レコード 自主制作>
 竜の紹介で、ダンスパーティの会場で、マコトとショウはステージに登る。
 『オール・マイ・ラビング』を歌い、客にはこの曲では踊れないと揶揄されるが、新人を探していた、マキプロダクション社長のマキの目に留る。

 レコード制作に入るが、大手レコード会社「セントラル」専務からは自作のそれも英語の曲ではなく「作家先生から曲をいただいて、それを歌うことから始めるんだ。」と断られる。
 大手に断られ、二人は自主製作に切り替える。
 「セントラル」のレコードディレクター猪狩は、会社を辞め、二人の自主制作に加わる。

 ショウとマコトは、ビートルズの本物の音を求め、東京中をグレッチ Duo Jet、ヘフナー バイオリンベース 500-1 リッケンバッカー325を探し回り、変わった店で集める。

 シングル『抱きしめたい』の録音に入るが、スタジオに雇った、ギターとドラムのミュージシャンはなかなか、ショウの要求の音がだせない。
 マコトとショウが最初にギターとベース、後からドラムとサイドギターを追加するというダブル録音をすることで、何とか録音を完成。 
 二人だが「ファブ・フォー」とクレジットしたシングルは、ジャズ喫茶等を使っての販売だが、発売すると、瞬く間に売れる。

 初回プレス50万枚のセカンドシングル『アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア/イエスタデー』が完売。
 英国のラジオでオンエアー。
 EMIならぬEMYといった大手レコード会社から契約のオファー

 マコト(ポール役)
 「ジョン ポール どう聞こえたんだ?
  これで二人(ジョンとポール)の書く曲はきっと変わる
」   

 ビートルズが消えた今、」
 俺たちは、舞台の上でビートルズになりきってみせる
 
 マキの父親
  「いい音楽にはそれを生み出す人間の肉体と育った土地が分かち難く結びついているものなんだ。
 だが、ファブ―・フォーの曲には日本の風土と感性と肉体が欠片も感じられない

 ○Writer4のコメント
  ・僕が学生の頃は、まだ流しという歌手が存在し、何回か飲み屋で実際聞いたことがあります。
  今でも、いるのでしょうか?僕があまり飲みに行かないので、会わないだけでしょうか?
  「流しの竜」は本当はプレスリーの大ファンだけど、酒場で歌うのは演歌というのが、別の意味で時代ですね。
  
  ・この頃日本では「プロデューサー」という言葉は普通でなく、「ディレクター」と言っていましたよね。
   少し二つの言葉は意味が違いますが。
  ・この頃は日本のレコード会社も黎明期で、現在の大手のソニーミュージックの前身CBSソニーはまだ存在せず、東芝日本コロンビアの名前がいま浮かびます。
  ・当然この頃は、「インディーズ」は存在しません。大手のレコード会社がが唯一のレコードの配給先でした。
  ・全く主題から離れますが、レコード会社のオフィスで黒板ならぬホワイト・ボードを使っていました。
   この時代にこれはなかったので、かわぐちかいじのチョンボですね。
 
<英国レコード会社との契約とジョンの自信喪失>
 マキ「音楽の中にある人種の壁。それがあるならそれをこの手でぶち壊したい」。
 マキは英国に行き、日本人ということを公表しないという大手のレコード会社のオファーを断り、格下の「ブリティッシュ」と契約を結ぶ。
 そしてマキは、マコトの要請に答え、リバプールに向かう。
 「Cavern」で、ビートルズが解散の噂が流れている。
 女性ファン
 「(ビートルズに)1か月前にショックなことがあり、それで演奏できなくなっちゃった
 
 マキがたまたま寄った「PUBイー・クラック」。マキはこのパブの奥でビールを飲みながら電話をするジョンに気が付かない。
    リッケンバッカ―を隣に置き、飲みながらシンシアに電話をするジョンの後ろ姿。
    (やっと、ビートルズのジョン・レンノが後ろ姿のみで登場)
 ジョン・レンノ
  「チャックベリーやエルビスが出てきたときは、憧れもしたし、追い越してやるとも思った。
    けど、あんなのが出てきたら、もうどうしたらいいかわからない」

 ○Writer4のコメント
  「音楽の中にある人種の壁」とマキは言っていますが、それは、日本が、まだまだ「西洋音楽」のレベルは低かった事によるものではないでしょうか。
   この頃は、現代と違い、クラシックはもとより、ポップスの音楽レベルも低かったと推測します。
   今のポップスは「流行歌」と言われていました。
  『ダイアナ』『悲しき街角』『バケーション』等、アメリカや英国でヒットした曲を日本語で歌っていました。そういう意味では一種のカバーですね。
  
  今気づいたのですが、「クラシック」の対として「流行歌」なんですね。
  
<新生 「ファブ・フォー」>
  日本で、そのジョン役の「元ファブフォー」のレイ
  「工事現場で、仲間にいう「たとえレコードを出しても、この現場で歌を作っていきたいんだ

  新橋の路上で歌っているところを、オリオンレコード猿丸からスカウトされ、次作の曲をスタジオで一人レコーディングするレイ。
 そこに、マコトが現れ、レイの自作曲「トーク・トー・ミー」のアレンジを助ける。
 そして、1962年で、新生「ファブ・フォー」の再結成を持ち掛ける。

 ショウ(ポール)
 「六本木キャバンでは、俺たちはただのコピーバンドでよかった
  ビートルズが消えて、世界のだれもがビートルズを知らないこの時代 、俺たちが初めて「ビートルズ」を初めて伝えることになる。
  ビートルズから受けた衝撃を、この時代の人に伝えたいんだ
  そのためには演奏はもちろんスピリットも本物でなくちゃならないんだ

 
 新生ファブ・フォーに参加する、レイトコンタ
 渋谷Cavernでのデビュー・コンサートは大成功。一夜にしてスターにのしあがる。
 ファンはマコトとショウのアパートをこぎつけ、自宅に帰れないショウとマコト。
 
 「抱きしめたい」が発売1週間でUKチャート1位を取る。
 祝賀会で飲むすぎのまことはソファーに眠る。そのポケットから平成のマコトの運転免許証が顔を出している。
 疑う、マキ。
 ○Writer4のコメント
  ジョン役のレイは工事現場で働いているというのが、ジョンぽくって面白いですね。
  
 
<後楽園球場でのライブ>
   マキは8月に開催される国際見本市への出場をレコード会社のクロンカイトに提案。
 クロンカイトから、ステージの経験不足を指摘され、それをクリアーすることを求められる。
 ショウ
 「(パスポートの申請のために、)戸籍が問題になるぞ
 後楽園の使用許可が下りる。
 同時に発売するファブ・フォーのファーストアルバムの選曲に四苦八苦の4人。
 苦闘の結果選曲が終わる。そのリストは;
  A面
  ①抱きしめたい②アンド・アイ・ラブ・ハー ③アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア④イエスタデー⓹ア・ハード・デーズ・ナイト⑥シー・ラブズ・ユー
 B面
  ①ヘルプ ②ノルウエーの森 ③ウイズ・リトル・ヘルプ・マイ・フレンド ④サムシング ⓹サジャント・ペッパーズ・ロンリー・ハート・バンド ⑥レット・イット・ビー

 アルバム曲決定後、雪の中、すっくり孤高に立っている東京タワーが、4人の気持ちを代弁している。
 
 
 マキプロに花笠興行の熊野、チケット1500枚を回せと迫る。
 マキ「ダフ屋まがいに回すチケットは一枚もない!」
  
<5人目のファブ・フォー>
 レコードディレクター猪狩
 「これはすごいアルバムだ。作家先生に与えられた曲やカバーで胡麻化されず、歌い手が自分たちで、作詞・作曲・編曲まで手掛け、更に演奏しながら歌っている。
  このサウンドはポピュラー・ミュージックという一言では括れなほど幅が広く・・・歌詞にも明確なメッセージがある。
  でも、不思議なんだ。ファブ・フォーには何の迷いもなかった。」
   もっと信じられないのは、彼等はデビューして1年にも満たないのに曲がものすごく進化しているってことだ。
   まるでつのバンドの誕生から終焉までを表現したかのように。
 
伝説の興行師の獅倉の親分が現れる。

 アマテラスが天岩戸に隠れると世界は闇に包まれ、アメノウズメが躍ると、周囲が騒ぎ、アマテラスが岩戸から外を覗く。
 そこでタチカラオがアマテラスを引っ張り出す。
 
 熊野たちは、拉致していたショウを解放する。
 
 後楽園球場で5万人の観衆の前で演奏する4人。
  アメリカから来たタワーズ氏は「ファブ・フォー」を絶賛。
自立した4つの個性が激突し、飛散し、融合する
 曲によってリードとサポートが入れドラマチックに替わる変幻自在に。
  音楽のステージなのにまるで演劇の舞台のように
  (舞台のタイトルは)あえていていえば「4人の若者の青春
 
<ブライアン・エプスタイン>
 英国のレコード会社のクロンカイトからイギリスでのファブ・フォーの紹介の新聞記事が届く。
 その中の、ブライアン・エプスタインのものがあるのに4人は気づく。

 エプスタイン「私がいま最も夢中になっているバンドそれが、ファブ・フォー

 この記事に心を乱す4人。
 ショウ「やっぱりビートルズはいないんだ。」
 レイ 「俺たちに本物のビートルズになれと呼んでいるんだ。

  4人は、英国に向かう。
 コンサート前にリバプールのエプスタインに会いに行く四人。
 エプスタインは、Cavernでの演奏を4人に要求する。
 エプスタインの要望に答え、演奏するファブ・フォー。

 演奏を聞いたエプスタインは、エプスタインにマネジメントをさせて欲しいとマキに伝える。
  「彼らが、プレスリーやコールトレーンのように世界の超一流になるためには絶対に足りないものがある
   演奏からあふれでるオリジンの力です。
 
   彼等は「I want to  hold your hand」と歌う。だが手を握りたい「私」は、曲を作った「私」のはずなのに、彼らの演奏から「衝動」は伝わってこない。
 その曲を作らなかった根源にあるものが、彼らの演奏はまだスタイルに留まっている。
 それは言葉の問題だ

   彼らが未来からきたことにきづくマキ、そしてそれを見抜けなかった自分を責め、ホテルのガラスや花瓶を壊しまくる。
   ホテルから飛び降り、自殺をしようとするマキ。それを止めるレイ。
 レイ「俺は彼ら(ビートルズ)が存在しない世界がこわかった。
    ---
    俺たちにできることはビートルズに代わって楽曲を伝えること  だ と思った。

  マキがショウに言い出す「別れる時がきた」
  が、マキは考え直す「(エプスタイン)はどうして、同じタイプのバンドを欲しがるのだろう。世界のトップは一つ。私が手放したら「ファブ・フォー」は潰される。
   ショウ「俺たちは悪魔に魂を売って、ビートルズの曲を奪った。許されない罪を犯してでも、なれるのなら、ビートルズになりたい
 
<イギリスでのライブ>
   イギリス ロンドンで演奏する中、エプスタインやビル・タワーズが見る中、マキに向けて『Please Please Me』からスターと。

  マキはファブ・フォーの演奏を聴いて感じる
 「私は今まで楽曲の創造が唯一の価値だと思っていた。だけど音楽の価値はもう一つある。演奏して楽しむこと。そして素晴らしい楽曲を享受する楽しみ!
 
 会場に現れたエプスタイン。
 「ビートルズは今、私と共に再活動を始めている
 リバプールでこれからというときに、ビートルズのメンバーは「ファブ・フォー」のレコードを聴いた。
 それは自分たちが目指しているものとあまりにも似て、更に上を行く楽曲だった。
 彼らはショックを受け活動を停止した。
 解散状態だった彼等に私は提案した。
 もう一度初心に戻るべきだと。
 彼らはかつて腕を磨いたハンブルグに向かった。
 彼らは見事に立ち直った。才能はつぶれなかった。
 ビートルズはファブ・フォーに挑戦したいと言っている。
 私は一時君たちを手中におさめ、彼らを守ろうと考えた。だがそんな必要はなかった。
 
<ビートルズのステージ>
 ブライアンエプスタインがこのフェスティバルの特別ゲストにビートルズを用意。
 ファブ・フォーはステージの前面に座り込んで聞き入る。

 ビートルズが214曲目の新曲をポールが「今夜のために作った『ファビラス・フォー』を演奏。
 ショウ「目の前に、いくら真似しても奪うことのでき醸成でないゆえにない、圧倒的な力。
     絶対的な彼らのオリジナリティがあった。」

 マキ「マコトたちは、このビートルズの魅力を抽出し、純化させた。
   まるで、歌舞伎の女形が、女性でないゆえに客観的視点と演技の琢磨によって、より女性の魅力を純化し抽象化できたように
 
 ショウ「マコト、コンタ、レイ、ここまでだよ。この214曲目を抱いて終われる」
   俺たち4人はビートルズの魔法にかかったんだ。
   ---その魔力から自由になりたかったんだ。
   これで自由になれる。
  だけど本当に自由になるために、やらなきゃ、いけないことがある
 
   たった一曲に、観衆はビートルズにスタンディング・オベーション。
 
<ファブ・フォーの告白>
  コンベンションの翌日、記者会見を開4人
  マコト「僕たちが発表した曲はすべてビートルズの曲です

  ファブフォーの曲がビートルズの曲だという、ファブフォーの告白にビートルズは不思議がる。
  が、ジョンだけは「不思議だけど違和感は覚えない
         だけど、僕はもう君たちのレコードは聞かないね。
         ---アルバムの曲はすばらしいけで、ロックンロールのカタログのようだ。僕はカタログには興味がない。

  そこで、ジョンが取り掛かっているという曲を紹介。「お、いいね」とそれにハモるポール。『ラブ・ミー・ドゥ』だ。
  ジョン「君たちの話はいいておくよ、但し不思議な話としてね

  ショウ「ジョンは理解してくれたんだと思う
 マキプロは英国で、レコードを回収しようとしたが、逆に人気がでる。
 マキ「ビートルズそっくりだけど、違うパーソナリティがある。彼らの理解と解釈方法に日本人ならではのオリジナリティがあったのよ。
   インドで生まれた仏教と日本の仏教が違うように。 
 
<旅立ち>
  オフィス・ウヅキを立ち上げるマキ。そこに英国のクロンカイトから電話。
 歴史通り、英国で、ビートルズのシングルがリリースされた。A面が『ラブ・ミー・ドウ』B面が『PS アイ・ラブ・ユー』

 レイがバンドの解散提案「これから俺たちは、バンドや音楽と関係なくこの時代を生きなくてはならない。
 こうして一緒にいると元の時代を抱えたまま、寄り添って生きていくことになる。
 なるべく未来の知識と関係のない仕事がいい。
<2010年3月六本木>
 エンディングは 2010年3月 
 年に一回のファブフォーは自分たちだけでのコンサート。
 ジョージ役のショウと昔からのファンの鹿乃子が六本木に消えていく。
 
 
今後、このストーリーを参考にして、コピーとオリジナルについて書いてみたいと思います。
 (いつになることやら・・・(笑))。
 
<追記:2020年4月2日>