昨年、唯一出場した北海道マラソンが4時間17分という結果に終わり、今年は何としてもその悔しさを晴らしたい。そんな思いが募り、今年はこれまでにない練習をして10年ぶりに自己ベストを更新したいと心底思うようになった。

 

3月以降は週末には3時間走を走り、今まで避けてきたインターバルや閾値走も取り入れた。おかけで心肺機能は確実に向上し、練習のスピードも自然と上がっていた。

 

そんな練習を積んで臨んだ今年の北海道マラソンは、30℃の暑さにやられたもののしぶとく3時間56分だった。この暑さでこのタイムなら、もしかしてサブ3.5も行けるのでは…と思うようになり、練習も楽しくなっていた。

 

しかし大会の6週間前に小樽まで走る途中で転倒し、その後の練習は少し抑えた。少し早めの調整と考えていたがそれが良かったのか悪かったのかいまだにわからない。

 

 

そんな中で迎えた作.AC真駒内マラソンは極寒のスタートとなった。気温は恐らく1~2℃くらいで吐く息は白い。

 

 

こんな気温の中で走るならサブ3.5どころか、自己ベストもかなり厳しいと考えなくてはならない。スタート後はゆったり行くためスタート位置はかなり後方に構えた。

 

スタートからしばらくはゆったりペースで抑えていたが、集団の中にいると風よけになるので意外と汗をかいた。

 

5km 28:30(27:50)

 

6km過ぎから折り返し少し向かい風になると一気に体が冷えるので、常に風よけになるランナーを見付けては後方に付きながら、次の風よけランナーを探しながら少しずつペースを上げた。

 

その後は心拍数も落ち着いてきて、10kmの周回前後でようやく4時間のペース集団に追いついた。

 

10km 54:54(26:24)

 

ようやく周回を回り、これからスタートという気持ちでリスタートした気分でペースも少し上がった勢いで4時間ペースの集団から卒業して、前の集団を目指した。

 

 

後で気が付いたのだが、このコースは周回毎に60m程の高低差があるので、前半は下りでスビートが上がり、後半は登りなので結構厳しく感じる。

 

15km 1:20:29(25:35)

 

やはりUターンすると向かい風が痛く、雪もちらつく寒さなので再び風よけランナーを探して走ることになる。サブ4ペースの集団から卒業して、さらに前の集団に追いつくべく徐々にペースを上げていた。

 

20km 1:47:33(27:04)

 

この辺で前の集団に追いついたが、ペースランナーの背中には3時間40分(5:15/km)と書かれていた。

 

てっきり3時間45分ペースだと思っていたので意外だったが、出来ればこの集団からも卒業できる走りをしたいと思っていたので、まずはこの集団の中で力を貯めるつもりでいた。

 

25km 2:13:36(26:03)

 

今思えばこの辺の走りが一番気持ち良かったのかもしれない。5:15/kmの集団の中心に入り体を温め風をよけて、更にペースを上げる気持ちでいた。

 

しかし、異変は突然現れた。27km辺りで太ももの内転筋が棒のように固まってしまい急激に重くなった。この時点では何が起きたのか分からないのでとにかく走り続けたが、徐々に腕が固まってきてようやく低体温になっていることに気が付いた。

 

30キロの周回までもう少しというところで手足が上手く動かなくなった。これまでのペースが一気に落ちた瞬間だった。

 

30km 2:41:34(27:58)

 

周回のエイド近くでは私と同じように寒さからリタイアしている人が数人いた。それを見て私も無性にリタイアしたくなった。手は小刻みに震えており、これから12キロをまともに走れる足など残ってない。

 

エイドで水分補給とパンをかじり、リタイアするかどうか少し考えた。本気で迷っていた。

 

そもそもサブ3.5を目指していたのに、30キロ地点で体が言うことを聞かなくなっていることが情けなかったので止めたかった。中途半端に5キロくらい進んでリタイアしたら帰るのが大変なことは分かっているので、リタイアするならここだ。

 

時間にして1~2分くらいだとは思うが、本気で悩んだうえで私は再びコースに戻った。時々歩きながら、とにかく前に進んだ。

 

35km 3:19:07(37:33)

 

半分走って、半分歩く。そうでもしないと前に進めないほど、体は冷え切っていた。スピードを出すと冷たい風が当たるので体が冷える、そして歩くことで少し冷えが収まる。そんな感じで前に進んでいた。

 

40km 4:00:51(41:44)

 

エイドでコップを持つ手が震えて水がこぼれる。パンをつかんでも握力が無くて落としてしまう。もう無理だ、止めたい。こんな状態で走れるわけがない、と思いながらも再びコースに戻った。

 

残り2.195キロは高低差もあり、地獄のようなラストだったが最後の200mは何とか走れた。

 

 

ゴール 4時間16分

 

 

こんなレースは始めてだ。ゴール後にもらったコーラはまともに持つことが出来ずに落とす。手の震えが止まらず、歯もガクガクと震え、大会本部の温かいスープにたどり着き生き返った。

 

今年出場したフルマラソンは30℃の北海道マラソンと、2℃の真駒内マラソン。

 

ちょうどいい気温でのレースに出たかったが、これもいい経験なのだろう。来年こそは自己ベスト更新、そして3時間半を切りたい。

 

そんなことを強く思えるようなレースに出ておいて良かったのかもしれない。来年は55歳でどこまで出来るのか、楽しみに取っておこう。

 

 

 

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