健康と安全を考えるペット屋さんブログ -2ページ目

ゴールデンレトリバー・ルナ物語・75

「今日は、散歩の途中でクンクンと臭うんで、危ないな、と思っていたら、やっぱり、落ちていたパンの欠片を食べてしまって。ねえ、ルナ、そんなことすると、死んでしまうよ。」
「食べるな、って言っても、どうしても興味を持ってしまうねえ。」
「田中さんが言っていたように、食べれない時期があったからかなあ?」
妻と私がルナのことを話していると、何言ってんのよ、勝手なこと言わないで、とばかりに、聴き逃すまい、と集中した様子のルナが我々を見つめていた。
「ルナは、我々の言葉のどのくらいを理解出来るのかなあ?」
「ほとんど理解しているのかもしれないわよ。」
さて、実際にルナがどの程度の内容を理解しているか、判断する術はない。
ルナがしたい、あるいは、こうしよう、と思っている時に、それにそったことを我々が求めると、スムースに、意志が疎通しているようにルナは行動する。しかし、自分がしたくないことなると、頑として言うことを聴かない。ラブラドール・レトリバーが従順なのとは対照的に、ゴールデン・レトリバーは頑固だ、と言われている。我々の言うことを聴かない、といって、それが意志が疎通していない、ということにはならない。
ルナに意志が通じた、と感じられる時に、思わず、我々の顔の筋肉が緩み、眼が細めてしまう。
アイボのようなロボットの犬だと、当然のことながら、飼い主の意志に反する行動はとらない。意志に反する行動をとることは、コンピューターには無理だ。
ルナはしばしば、恣意的と思える行動をとる。居間の中でも、クレートに入ったり、ソファで寝転んだり、最近は温風機の前で暖をとる。我々の意志による行動ではない。
自分の意志を持ち、あるいは恣意的に振る舞っているように見えるルナが、時に反対に、我々を見つめ、我々の言葉に聴き耳を立て、我々の意志にそう行動を起こす。
自分で独立した行動と、我々の意にそって行動しようとする態度の組み合わせが、犬、あるいはペットを飼うことの楽しさであり、醍醐味なのかもしれない。


【原澤泰比古プロフィール】


原澤循環器科・内科クリニック 院長
福岡市早良区藤崎1-22-10
電話 092-842-2266

2000年11月6日開業
2007年10月23日、現在地に移転

循環器科とは、心臓血管の病気に対する診療を行う科で、狭心症、不整脈、高血圧などの疾患です。これらの疾患のみならず、広く眩暈、長引く咳の患者さんも多く来院されます。健康、病気についての疑問は私どものクリニックで解決できるものは解決し、解決できないものは、患者さんの相談の上、最も適している医療機関に紹介させていただきます。つまり九州医療センター、九州大学病院などの基幹病院への入り口の役割も果たそうと考えています。


ペタしてね


ゴールデンレトリバー・ルナ物語・74

父方の祖父母は大分県の宇佐市に住んでいた。現在、祖父母の家に伯母が一人で住んでいる。去る、11月7日、伯母の配偶者である伯父の3回忌が営まれた。我々も参列することになり、ルナも連れて行った。高速道路で行くと、2時間弱で到着する。いつものように、ルナは後席を一人占めして、まるで我々はお付きの者のように、運転席と助手席に座って車を走らせる。
読経が長かった。45分間ほど続き、その間、ルナは車の中で一人で過ごさせることになった。読経が終わり、次に墓に向かう。伯母の家から、1.2kmほど離れたところに、伯父が眠る墓がある。私は、ルナを連れて歩いて行くことにした。慣れない土地なので、興味がわくのか、あるいは、興奮するのか、いつもと違いリードをぐいぐい引っ張る。ルナに、引っ張るな、付いて、ステイと言ってもなかなかきかない。こうなると、リードを短く持って、ルナのそばに自分の手を配置し、勝手はさせないぞ、とこちらの意志を強く伝えなければならない。
700mほど歩いたところで、しゃがみこもうとした。おい待て、うんちかい、と思うも束の間、排便が始まった。しかも、下痢だった。やはり、車の中に一人で置かれたことが気に入らなかったらしい。困った、排泄物の処理道具がない。幸い、携帯電話を持っていたので、妻に連絡し、排泄した場所まで来てもらうようにした。ひと(他人)の家屋の入り口だったので、特に丁寧に処理した。
歩を進め、墓地に到着しても、まだ、引っ張る。妻と私もお参りをしなければならないのに、ルナはそれを許さないかのように、引っ張る。そばにいた私の母が、私が持っておこうか、と言う。「ぼくたちにでも、こんなに引っ張るのだから、無理だよ」と答えた。「ルナは慣れているから大丈夫よ」「いや、だめだったら」とやりとりして、諦めてもらった。
お参りの後、食事会があり、それが終わってから、我々は福岡に戻ってきた。ところが、伯母の家に残った母はあろうことか、私の従姉の家が飼っている犬の散歩を買って出て、散歩の途中でよその犬と遭遇。母は転倒、頭部を打撲して、救急車で搬送され緊急入院することになった。4日間入院することになったものの、大事には至らなかった。
犬の散歩中に、犬が急にリードを引っ張り、飼い主が車道に飛び出す結果になり、車と衝突。亡くなられたという事故があったと、田中先生から聴いたことがある。犬の散歩は決して、楽しいばかりのことではない。どういったことが起こるかを念頭に置きながら、そのような場合の身の処し方も考えながら、散歩をするのでなければ、犬も、飼い主も思わぬ事故に巻き込まれることになりうる。


【原澤泰比古プロフィール】


原澤循環器科・内科クリニック 院長
福岡市早良区藤崎1-22-10
電話 092-842-2266

2000年11月6日開業
2007年10月23日、現在地に移転

循環器科とは、心臓血管の病気に対する診療を行う科で、狭心症、不整脈、高血圧などの疾患です。これらの疾患のみならず、広く眩暈、長引く咳の患者さんも多く来院されます。健康、病気についての疑問は私どものクリニックで解決できるものは解決し、解決できないものは、患者さんの相談の上、最も適している医療機関に紹介させていただきます。つまり九州医療センター、九州大学病院などの基幹病院への入り口の役割も果たそうと考えています。


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ゴールデンレトリバー・ルナ物語・73

「それはどうかなあ。やっぱりあるんじゃない。」
妻の意見だった。
以前から、犬に意志はあるのか、犬に感情はあるのか、犬は笑うのか、という疑問が提起されてきた。我々は、これらの問いに即答出来なかった。そこで、ルナの行動、様子を観察することで、考えてみることとした。
我が家にやってきたばかりのルナは、何を考えているのか、妻に伝わらず、妻はやや閉口していた。
我が家での日々を重ねるうちに、自分の思いを表出して構わない、と思うよういになったのか、ルナの表情が動くようになった。嬉しい、歯がゆい、悔しい、というような表情を見てとれるようになった。特に、妻とルナが自宅に居て、私が外から帰って来ると、大きく左右に尻尾を振り、身体全体をくねられるようにしながら、玄関に出迎えにやってくる。この様子など、全身で喜びを表しているように見える。嬉しい、という感情を持ち、表現しているように見える。
逆に、我々が果物などを食べていて、ルナにおすそ分けせずにいると、ルナの表情は次第にひんがら目になる。右の眼裂が狭くなり、左右の眼の大きさが異なるようになり、以下にも、「何だようー!くれないの?」と抗議しているような表情になる。悔しい、歯がゆい、という感情を示していると解すことが出来る。
我々が食卓について食事をしていると、ルナは我々の前腕(手関節と肘関節の間)の下の自分の鼻先を持って来て、前腕を突き上げる。「私にも頂戴!」と要求の行動と思われる。自分も食べたい、自分にも分けてくれ、という”意志”を示していることになる。ルナには間違いなく意志がある、と思われる。
ルナが口を軽く開き、顔面の筋肉を緩ませて、笑っているように見えることがある。我々は、”ルナは笑っている”と解釈している。これが、人間が笑うことと同じようなものかの判断は容易ではない。多分、同じようなものではないか、と考えている。ルナに「スマイル」と声を掛けると、口を軽く開いて、にこっとするようにしたい、と考え、トレーニングを重ねている。まだ、完全には出来ない。但し、明らかなのは、人間のように、わっはっはっはっはっ、と高笑いすることはない。
ルナには、意志があり、感情があり、にこっと笑うことはある、と考えている。


【原澤泰比古プロフィール】


原澤循環器科・内科クリニック 院長
福岡市早良区藤崎1-22-10
電話 092-842-2266

2000年11月6日開業
2007年10月23日、現在地に移転

循環器科とは、心臓血管の病気に対する診療を行う科で、狭心症、不整脈、高血圧などの疾患です。これらの疾患のみならず、広く眩暈、長引く咳の患者さんも多く来院されます。健康、病気についての疑問は私どものクリニックで解決できるものは解決し、解決できないものは、患者さんの相談の上、最も適している医療機関に紹介させていただきます。つまり九州医療センター、九州大学病院などの基幹病院への入り口の役割も果たそうと考えています。


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