―見つけ出された宝―

「主からエレミヤにあったみことばは、こうである。『この契約のことばを聞け。これをユダの人とエルサレムの住民に語って、彼らに言え。イスラエルの神、主は、こう仰せられる。この契約のことばを聞かない者は、のろわれよ。これは、わたしがあなたがたの先祖をエジプトの国、鉄の炉から連れ出した日に、【わたしの声に聞き従い、すべてわたしがあなたがたに命ずるように、それを行なえ。そうすれば、あなたがたはわたしの民となり、わたしはあなたがたの神となる】と言って、彼らに命じたものだ。それは、わたしがあなたがたの先祖に対して、乳と蜜の流れる地を彼らに与えると誓った誓いを、今日あるとおり成就するためであった。』そこで、私は答えて言った。『主よ。アーメン。』すると主は私に仰せられた。『これらのことばのすべてを、ユダの町々と、エルサレムのちまたで叫んで、こう言え。【この契約のことばを聞いて、これを行なえ。】わたしは、あなたがたの先祖をエジプトの国から導き出した日に、彼らをはっきり戒め、また今日まで、【わたしの声を聞け】と言って、しきりに戒めてきた。しかし彼らは聞かず、耳を傾けず、おのおの悪いかたくなな心のままに歩んだ。それで、わたしはこの契約のことばをみな、彼らに実現させた。わたしが行なうように命じたのに、彼らが行なわなかったからである。』ついで、主は私に仰せられた。『ユダの人、エルサレムの住民の間に、謀反がある。彼らは、わたしのことばを聞こうとしなかった彼らの先祖たちの咎をくり返し、彼ら自身も、ほかの神々に従って、これに仕えた。イスラエルの家とユダの家は、わたしが彼らの先祖たちと結んだわたしの契約を破った。』」

エレミヤ書11章1-10節

宝。皆さんの宝物は何でしょう。自分の特に思い入れのあるものを宝とだいたいするでしょうか。ちなみに宝というのはその希少さや美しさゆえに貴重な物を指すそうです。でもその希少さゆえに、見たことがないゆえに、目の前にしたものが宝と気づかない場合もあります。もしくはどこかにしまっておいてさび付いていたり。神様は私たちが勝手にこんなものあっても仕方ないと思っているだけで、本物の宝を与えてくださっているのです。いや、神様ご自身が宝そのものなのですが、あなたに他と比べることもできないほどの大いなる恵みを注いでくださっているのです。私たちは本物の神様を求めよう。本物の神様の与えてくださるこの命を歩もう。神様の愛が溢れることを祈り。

さて、古代イスラエル王国において、北イスラエルは捕囚され、南ユダを何とか盛り返していたヨシヤ王が殺害されて後、エジプトの傀儡の王エホヤキムが王になったBC607年頃、神様がエレミヤを通して語られたのが↑になります。ここまで神様は私たちに悔い改める、心から神様を求め帰ることを訴えてきました。神様ご自身の、本物の恵みに立ち返るように、と。神様を誇る、心を尽くして思いを尽くして、いのちを尽くして神様を愛そう、心を尽くして愛される神様がいる、他に並ぶもののない、偽物の神ではなく本物の神様が本物のいのちへ、御子イエス様にある本物の分け前をあなたに与えたい、この命の道を歩むよう招かれるのでした。

時代背景は今申し上げた通りなのですが、↑はそのヨシヤ王が存命中、宗教改革を行った、そのきっかけとなる律法の書を発見するのですが、その発見した内容が↑で書かれています。その発見時のことを少し掘り下げますが、ヨシヤ王はある時、壊れていた神殿の修繕のためにお金を修理工らに渡しなさいと命じます。そこで人々が献金したお金を取りに祭司ヒルキヤが宮の中に入ると、神様の律法を見つけました。それを書記官に渡して、そして書記官がヨシヤ王に朗読すると、ヨシヤが自分の衣を裂いて大きく動揺しました。自分たちが、モーセの律法で命じられていることを何一つ行なっていない、むしろ、「これこれのことをしたら主の憤りが下る」と言われているものを行なっていることを行なっていたことに気づいたのです。神様を知っているつもりで知らなかった。ある意味では宗教化していた神様との関係をもう一度命あるものにかえりたい、と彼は考えるわけです。

そこで、ヨシヤ王は女預言者フルダという人のところに行きますが、彼女もその律法の言葉はそのまま成就すると預言しました。けれども、「わたしもまた、あなたの願いを聞き入れる」という言葉を神様はフルダを通してヨシヤ王にかけられました。彼がただ律法の書を見つけたからではない、ただなあなあにして、いいよいいよと神様は仰られたのではない、ヨシヤ王が心を痛め、悔い改め祈った、その彼に神様は応えられたのです。まさにここに希望があったのです。

そんなヨシヤ王を大きく変えるきっかけとなった出来事が↑。ではいったい何が書いてあったのか。神様は「この契約のことばを聞け。これをユダの人とエルサレムの住民に語って、彼らに言え。イスラエルの神、主は、こう仰せられる。この契約のことばを聞かない者は、のろわれよ。これは、わたしがあなたがたの先祖をエジプトの国、鉄の炉から連れ出した日に、『わたしの声に聞き従い、すべてわたしがあなたがたに命ずるように、それを行なえ。そうすれば、あなたがたはわたしの民となり、わたしはあなたがたの神となる』と言って、彼らに命じたものだ。それは、わたしがあなたがたの先祖に対して、乳と蜜の流れる地を彼らに与えると誓った誓いを、今日あるとおり成就するためであった」とエレミヤに告げます。

ここで神様は「契約のことば」と仰られています。「契約」というからには片方だけが何かをするものではなく、双方が約束を守って結ばれるわけです。ユダの人とエルサレムの住民、今は北イスラエルは捕囚されているので南ユダ王国に向けて。彼らはヨシヤ王になる前までの間に堕落に堕落を重ねバビロン捕囚を告げられていました。その彼らに向けて、今神様は訴えるわけです。改めて神様の契約を思い起こさせるのです。聞かないものは、呪われよ、と神様は仰る、だからこそ聞いてほしいと神様の思いを絞り出すかのように語られるのです。神様から離れて受ける地の呪いにあなたを支配させたくないからこそ、今神様は語られるのです。

↑の契約のことばは、↑の時だけではなく、かつてイスラエルがエジプトの奴隷として400年近く捕らえられていた時、神様がモーセという人を通して救い出された時に語られた、そして彼らの先祖に対して、乳と蜜の流れる地を与えると約束されていた地に導かれるのでした。その道中様々な問題がありました。その道中は荒野、荒れ果てた地、しかしそれでも神様は彼らと共にいて彼らを、肥沃な大地、神様の恵みに溢れる乳と蜜の流れる地へ導かれたことを改めて神様はここでエレミヤを通して思い起こさせるのです。エジプト時代を含めても神様は困難の中にあろうとも共にいて、約束の地へ連れて行ってくださったではないか、神様がこのバビロン捕囚に向かう中にあっても彼らと共にいる、そのことを忘れないでほしい、神様に聞いてほしい、神様も共にいるから、と訴えるのです。

そういえば、律法が与えられる中で神様は何度も「聞きなさい、イスラエル」と訴えてこられました。聞くだけではなく、これに生きる、神様の恵みに生きる、守り行う、その中で、神様は「そうすれば、あなたはしあわせになり、あなたの父祖の神、主があなたに告げられたように、あなたは乳と蜜の流れる国で大いにふえよう」と約束されました。神様の呪いではなく、神様の幸せをあなたに注ぎたい、だからこそ聞きなさい、と訴えるのです。

↑で神様は「わたしの声に聞き従い、すべてわたしがあなたがたに命ずるように、それを行なえ。そうすれば、あなたがたはわたしの民となり、わたしはあなたがたの神となる」と仰られ、この契約、神様の民として、家族と手あなたを招き入れたい、あなたの神様となりあなたを守られることを、神様の恵みを注がれることを今、堕落した民に向けもう一度語ります。何か良いことをした人をこの恵みに入れるのではなく、まず神様がその御手を開き彼らを、私たちを招いてくださっているのです。神様が契約を結びたい、あなたを子として受け入れたい、だから帰っておいで、と訴えるのです。

神様のこの契約のことば、モーセの時代のことばを振り返ると「あなたがたは、わたしがエジプトにしたこと、また、あなたがたを鷲の翼に載せ、わたしのもとに連れて来たことを見た。今、もしあなたがたが、まことにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るなら、あなたがたはすべての国々の民の中にあって、わたしの宝となる。全世界はわたしのものであるから。あなたがたはわたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる」と神様は仰られていました。

神様は、鷲がひなをその翼で守るように、その翼に乗せて私たちを運ばれる神様なのです。神様にとってはあなたは宝そのものなのです。あなたが地に落ちて、苦しんでいて黙っている方ではない、だからこそ、今神様は彼らに語られるのです。世の悲しみ、罪の呪い、そうしたものの民にあなたがなるのではなく、そこからそれこそエジプトから救い出されたように神様は引き上げてくださり、救い出して下さり、神様の聖なる内に招かれるのです。神様の救いを、いのちをあなたに与えたいのです。呪いではない、この天地万物を造られ、あなたを造られ、あなたを愛してくださる神様はそのすべてを注ぎだしたいのです。

エレミヤは、これを聴いて「主よ。アーメン」と答えましたが、イスラエルの民はこれをかたくなに聞かず、自分は自分だとあゆみ自ら呪い道を行きます。あなたはどうでしょう。神様という宝を待ち望みますか？望んでいますか？アーメン、その通りになりますように、と告白しますか。どうせいつか神様は助けてくれるんでしょう？と神様を侮ってみていませんか？神様の愛は他に並ぶもののないほどの完全な愛なんですよ？

神様はそれでもあなたが死にゆくことを我慢できず、あなたのこの呪いを引き受けるべく、罪の呪い、刑罰をその身に引き受けるべく、私たちの罪の身代わりに御子イエス様にこれらすべてを背負わせ、十字架に架け、身代わりに罰し、死なせたのです。そこまでしてまであなたを愛されたのです。あなたを聖なる民、神様の家族として取り戻すために。ただイエス様の死は死で終わらず、復活させられたのです。神様がこのイエス様の身代わりの死を良しとされ、復活させてくださった、これによって罰せられてもう終わりではなく、私たちもこのイエス様の十字架の御前に悔い改め立ち返る時、私たちはイエス様の復活の恵みに同じように与らせていただき、罰せられた者から、神様の家族、神様の民、宝として迎え入れられるのです。

ここに神様の乳と蜜が流れている。神様の恵みがあなたの内に流れ、今日あなたを生かして下さるのです。イエス様のいのちにあってまで取り戻されたこの愛によって今日あなたは生かされているのです。もう私たちは罪の呪いにとらわれてはいけない。ヨシヤ王の後再び悪に走ったイスラエルのように神様から離れてはいけない。神様は御子イエス様のいのちを持ってまであなたと契約を結び、あなたを離さないようにその御手を伸ばされたのです。この御手があなたを今日守られ、導かれるのです。イエス様のいのちにあって開かれたこの道を。神様はこれに聞くよう今日訴えています。あなたはこの神様の愛を聴いていますか？受け取っていますか？私たちは今こそ神様に立ち返り、神様の聖なるものに生かされ、これに満たされ、歩もうではありませんか。どん底にまで落ちていた私たちを命をかけて見つけ出し、救われたイエス様が今日あなたと共におられるのですから。