「主は、油そそがれた者クロスに、こう仰せられた。『わたしは彼の右手を握り、彼の前に諸国を下らせ、王たちの腰の帯を解き、彼の前にとびらを開いて、その門を閉じさせないようにする。わたしはあなたの前に進んで、険しい地を平らにし、青銅のとびらを打ち砕き、鉄のかんぬきをへし折る。わたしは秘められている財宝と、ひそかな所の隠された宝をあなたに与える。それは、わたしが主であり、あなたの名を呼ぶ者、イスラエルの神であることをあなたが知るためだ。わたしのしもべヤコブ、わたしが選んだイスラエルのために、わたしはあなたをあなたの名で呼ぶ。あなたはわたしを知らないが、わたしはあなたに肩書を与える。わたしが主である。ほかにはいない。わたしのほかに神はいない。あなたはわたしを知らないが、わたしはあなたに力を帯びさせる。それは、日の上る方からも、西からも、わたしのほかには、だれもいないことを、人々が知るためだ。わたしが主である。ほかにはいない。わたしは光を造り出し、やみを創造し、平和をつくり、わざわいを創造する。わたしは主、これらすべてを造る者。』『天よ。上から、したたらせよ。雲よ。正義を降らせよ。地よ。開いて救いを実らせよ。正義も共に芽ばえさせよ。わたしは主、わたしがこれを創造した。』ああ。陶器が陶器を作る者に抗議するように自分を造った者に抗議する者。粘土は、形造る者に、『何を作るのか』とか、『あなたの作った物には、手がついていない』などと言うであろうか。ああ。自分の父に『なぜ、子どもを生むのか』と言い、母に『なぜ、産みの苦しみをするのか』と言う者。イスラエルの聖なる方、これを形造った方、主はこう仰せられる。『これから起こる事を、わたしに尋ねようとするのか。わたしの子らについて、わたしの手で造ったものについて、わたしに命じるのか。このわたしが地を造り、その上に人間を創造した。わたしはわたしの手で天を引き延べ、その万象に命じた。わたしは勝利のうちに彼を奮い立たせ、彼の道をみな、平らにする。彼はわたしの町を建て、わたしの捕囚の民を解放する。代価を払ってでもなく、わいろによってでもない』と万軍の主は仰せられる。」
イザヤ書45章1-13節
手のひらで踊らされる、ということばと、手のひらで転がされるという意味の似た言葉がありますが、これは調べてみますと、「踊らされる」は誰かにうまく操られているも本人の意思は多少そこにはあるようですが、「転がされる」は誰かに100％支配されている状態でそこには本人の意思は完全にない状態だそうです。まあそうされたら誰しもあまりいい思いはしないでしょう。だから神様に対して抵抗感がある方がいるのかもしれませんが。神様はしかし手のひらで云々ではなく、首根っこをひっつかまえて無理やり従わせるのではなく、ご自身の完全な御心の内に招いてくださります、御子イエス様の命にあって。私たちはこの神様が開かれたその御手の内にゆだね、憩わせていただきたいものです。ここに神様の全てがあるから。
さて、↑は古代イスラエルのバビロン捕囚期～捕囚後について神様がイザヤを通して預言された続きになりますが、ここまで神様はイスラエルを見捨てられず、捕囚中も守り、また救われる約束をこれまでされました。本来捨てられてもおかしくない、神様から離れ切った民に向かって、そして私たちに向けて、「帰っておいで」とその両手を広げ待っておられることが語られていました。そしてバビロン捕囚からの解放のために、メド・ペルシャの王クロスをたてると。
そして神様は続けてイザヤを通して「主は、油そそがれた者クロスに、こう仰せられた。『わたしは彼の右手を握り、彼の前に諸国を下らせ、王たちの腰の帯を解き、彼の前にとびらを開いて、その門を閉じさせないようにする。わたしはあなたの前に進んで、険しい地を平らにし、青銅のとびらを打ち砕き、鉄のかんぬきをへし折る。わたしは秘められている財宝と、ひそかな所の隠された宝をあなたに与える」と語られます。
はい、実はここでよくイザヤ書が複数人によって書かれたものではないか、という問題になる箇所が登場します。といいますのも、イザヤのこの預言の時からバビロン捕囚解放まで100年以上先になります。もっといえば、なんで未来に誕生するクロス王の名前を知っているの？という話になります。だから後の時代に別な人がこの預言書を書き加えたのではないか、と。
ただ、確かに人間の視点から見たらあり得ない話です。しかし、神様はいきあたりばったりで行動される方ではありません。神様は、ここ数回にわたって繰り返し見てきていますが、私たちを生まれる前、まだ母の胎内にいる時から形づくられ、これを見て私たちへの計画を用意されているのです。そして天地万物を造られる前から存在し、アダムとエヴァが罪を犯したときから、もう救いの計画は始まっていた、神様のマスタープランはずっと空しく終わることなく続いているのです。イザヤ書のこれまでの分かち合いの中でも見ましたが、それこそ後にくる完全な御国の完成、サタンの敗北、そこまで完全な計画を持っているその神様があなたを今日導かれているのです。永遠の御国へと導く神様が今日、あなたと共にいる、未来が不確定なのではない、神様が導かれる、何と感謝な事でしょう。
その神様は、ではなぜクロス王を起こされることを約束されたのか、まだ捕囚にもあう前のイザヤに、イザヤを通してイスラエルの民に。それは、↑の神様の語られている言葉を見ると、「わたしが主であり、あなたの名を呼ぶ者、イスラエルの神であることをあなたが知るため（クロス王自身が、イスラエルの神、主を知るため）」、また「わたしのしもべヤコブ、わたしが選んだイスラエルのために（イスラエルの救いのため）」、そして「それは、日の上る方からも、西からも、わたしのほかには、だれもいないことを、人々が知るためだ（全世界が、イスラエルの神、主の他には神がいないことを知るため）」と神様は仰られていますね。
ただ単純にクロス王が何となくいい人っぽいから神様は選ばれたのではない、それは私たちに対しても同じです。まだまし、とかそういうはなしではなく、むしろどうしようもない、神様から離れてしまい、恵みを失ってしまった私たちにもう一度神様のすばらしさを現し、クロスを通してイスラエルが、またこの神様のすばらしさによって神様に立ち返り、本当の意味で救われる、いのちを得るために、そしてそのことを通して、クロス王、また私たちを通して神様の恵みがさらに豊かに周りに溢れ流れ、回復していく事を何より願われているのです。
考えてみますと、神様はある特定の人だけを見ている、祝福される、と思われがちですが、そう考えますと、クロス王が出てくるのはおかしな話なのです。メド・ペルシャだって神様を信じていた国というわけではありません。しかし、そのような国の一人の人物さえ神様はその御目にとめてくださっていて、しかも、彼に油を注がれる、わかりやすく言いますと聖霊様で満たされる、もっとわかりやすく言うなら神様のご意思が彼の内に現されるのです。
イザヤのまだ存命中の時代には、バビロンが台頭しており、力を増しています。普通に考えたらそのバビロンがやがて弱体化し、打ち破られるなんて、イザヤの時代の時には考えられないことだったでしょう。しかし、神様は「わたしは彼の右手を握り、彼の前に諸国を下らせ、王たちの腰の帯を解き、彼の前にとびらを開いて、その門を閉じさせないようにする。わたしはあなたの前に進んで、険しい地を平らにし、青銅のとびらを打ち砕き、鉄のかんぬきをへし折る。わたしは秘められている財宝と、ひそかな所の隠された宝をあなたに与える」と仰られるのです。「わたし」、神様がそのバビロンの門を開いてくださり、その道を進ませ、勝利させてくださる、何より秘められている財宝、隠された宝、真の神様の恵みを彼は知る事となるのです。神様の内にこそ宝がある、すべてがあるのだから。
神様は、驚くべきところで動かれています。私たちはどうにもならない時、神様は何をしているんだ！と疑問に思うかもしれません。しかしどうでしょう。神様は、イスラエルからしたら全く予想もつかないところから助けを起こされたのです。普通に考えれば、バビロンの次に台頭してくるメド・ペルシャだって同じでしょう？と考えるところ、しかし神様はそのメド・ペルシャを通して、しかもその王を通してイスラエルへ救いの門を開かれたのです。
そしてこの神様を受け入れる時、私たちは驚くべき宝を発見する、隠れていたと思っていたところに、秘められている財宝、宝を見出す、神様がその恵みを下さっていることを知るのです。クロスに、またイスラエルのためにその門を開かれたのは誰ですか？他でもない、神様ではありませんか。イエス様も、たたき続けなさい、そうすれば開かれます、と仰られていましたね。私たちは自分の都合のいい時だけ、神様何とかしてくれません？と言いますが、そうではありません。神様が開かれる扉を、神様が開けてくださるのをどうして待たないのでしょう。神様が開けてくださった扉の先には確かに神様がおられるのです。
神様は続けてイザヤを通して、「あなたはわたしを知らないが、わたしはあなたに肩書を与える。わたしが主である。ほかにはいない。わたしのほかに神はいない。あなたはわたしを知らないが、わたしはあなたに力を帯びさせる。…わたしは光を造り出し、やみを創造し、平和をつくり、わざわいを創造する。わたしは主、これらすべてを造る者。…天よ。上から、したたらせよ。雲よ。正義を降らせよ。地よ。開いて救いを実らせよ。正義も共に芽ばえさせよ。わたしは主、わたしがこれを創造した」と語られていますが、私たちは神様を知っているつもりでその計り知れないすばらしさをどれだけ知っているだろう。しかし神様があなたに力を帯びさせてくださり、すべてを造り、形づくられる、光で満たし、闇を打ち砕かれるのです。ご自身の愛を、恵みを天よりの雨のように滴らせ、あなたの内に実を結ばせてくださるのです。
何より神様はあなたの肩書を、どこぞの誰とも知らない、神様から勝手に離れていった者、というものを、罪人というものを、取り除き、神様のものとされるため、新しくするため、私たちのこの罪の代価を身代わりにイエス様に支払わせたのです。神様の恵みが閉ざされて、死にゆくしかない、滅びに向かうはずの私たちを取り戻すために、御子イエス様に身代わりにこの罪を背負わせ、十字架にかけられ、死なせたのです。しかし3日目によみがえらせてくださったことによって、このイエス様の十字架の御前に悔い改め立ち返る全ての人の罪を赦し、神様の子としてくださった、その肩書、特権が与えられたのです。
神様が、あなたを神様の家族・特権として迎え入れてくださった。神様は帰っておいで、と門を開かれた、閉ざされた神様の門があなたに向け、イエス様の命というカギをもって開かれたのです。ここから神様がなされる業がどれだけ偉大なのか、イエス様の命をかけてまであなたを取り戻されたんですよ、どうして文句を言う必要があるでしょう。陶器師・神様が、汗水ところか、御子イエス様の命、血潮を流されてまで、肉を裂かれてまであなたをもう一度神様の家族として、恵みを、愛を注ぐその対象として日々形づくられているのです。私たちは私たち自身を主の御手に委ねようではありませんか。あなたをもう世の、罪の、サタンの手に渡してはいけない。神様があなたに持っておられる最高の計画に好みを委ねようではありませんか。
