気ままな日常を綴っています。 -22ページ目

気ままな日常を綴っています。

いつか静かに消える時まで。。
一人静かに思いのままに生きたい。。

(物語)

「市を明け渡すぞ、逃げろ、逃げろ」とアルバートゥイチの姿を見て1人の士官が言いました、そしてすぐに兵士達に言いました、「庭を伝って退却していいぞ❗️」

アルバートゥイチは庭へ駆け戻ると、御者を呼んで出発の支度を命じました。

アルバートゥイチと御者の後から、フェラポントフの家の者達もぞろぞろ出て来ました、女達は火事を眺めながら泣き出しました。

アルバートゥイチ は、軒下の馬車の側で御者と2人で、わなわな震える手で馬の手綱と引き綱を返しました。

 

アルバートゥイチ の幌馬車が門から出た時、開け放されたフェラポントフの店の中で10人程の兵士達が小麦粉やひまわりの種などを雑嚢や背嚢に詰め込んでいるのを見ました。

その時、フェラポントフが通りから戻って来ました。

兵士達を見ると、彼は何やら怒鳴りつけましたが、急に立ち止まり髪をひっつかんで涙を流しながらゲラゲラ笑いだしました。

「みんな持って行け、おい❗️悪魔どもの手に渡すな❗️」と叫ぶなり、彼は自分で袋をひっつかんで通りへ放り出し始めました。

彼はアルバートゥイチに気付くと大声で言いました。

「お終いだよ❗️ロシアは終わりよ❗️アルバートゥイチ❗️お終いだ❗️自分で火をかけてやる、お終いだ。。」フェラポントフは庭の中へ駆け込んで行きました。

 

通りをすっかり塞き止めながら、絶えず兵士達の群れが後退して行くので、アルバートゥイチは馬車を進める事が出来ず、兵士達の通過を待たなければなりませんでした。

フェラポントフの女房も子供も荷馬車に乗って、出発できるようになるのを待っていました。

もうすっかり夜になっていました。

ドニュブル河の下り口で、兵士達の列や他の馬車などに挟まれてノロノロ動いていたアルバートゥイチと女房の馬車は、停止しなければなりませんでした。

十字路に動きもならず立ち尽くしている人々の顔を、火事の炎が異様なまでにくっきりと闇の中に照らし出していました。

アルバートゥイチは馬車を降りて、まだしばらくは進めそうも無いのを見て、火事の現場を見ようと思って横町へ入って行きました。

 

アルバートゥイチは、炎に包まれて燃え盛っている高い倉庫の向かい側に立っている群衆の方へ近づいて行きました。

壁はすっかり猛火に包まれ、後ろの壁は崩れて、板屋根は焼け落ち、梁が燃えていました。

どうやら、群衆は棟木が焼け落ちる瞬間を待っているらしく、アルバートゥイチもそれを待っていました。

 

「アルバートゥイチ❗️」と、ふいに誰かの聞き覚えのある声が彼を呼びました。

「あ、若様、若伯爵」と、とっさに自分の若公爵の声を知って、アルバートゥイチは答えました。

マントを纏って、黒毛の馬に跨ったアンドレイ公爵が、群衆の後ろに立ってアルバートゥイチを見つめていました。

「どうしてこんな所に❓」と、アンドレイ公爵は尋ねました。

「若さま。。ロシアはもう滅びてしまったのですか❓お父様が。。」と、アルバートゥイチはわっと泣き出しました。

アルバートゥイチは、使いに寄こされた事と、かろうじてここまで脱出して来た事を告げました。

 

「どうなのでしょう。。若様。ロシアはもう滅びてしまったのですか❓」と、アルバートゥイチはまた尋ねました。

アンドレイ公爵はそれには答えずに、手帳を出すとそれを破り、妹宛に鉛筆で次のように書きました。

『スモーレンスクは落ちた。禿山は1週間後に敵に占領されよう。直ぐにモスクワに避難せよ。いつ発つか、ウスヴァージに急使を送り、至急返事せよ。』

この手紙をしたためてアルバートゥイチに渡すと、アンドレイ公爵は老公爵と令嬢と、息子と教師の出発の手配と、彼への至急の返事をどのようにするかを口頭で伝えました。

 

彼がまだこの指示を伝え終わらぬうちに、騎馬の高級参謀が幕僚を従えて駆け寄って来ました。

「貴官が連隊長か❓」と、ドイツ訛りの高級参謀は叫びました。

「目の前の家に火が放たれているのに、貴官は黙って見ているのか、これはどういうことか❓責任を取ってもらいますぞ」

こう叫んだのは、今は第1軍の歩兵左翼軍の参謀次長になっていたベルグでした。

アンドレイ公爵は、彼をチラと見ましたが、アルバートゥイチ に指示を続けました。

「では良いな。こう伝えてくれ。10日まで返事を待つが、もしそれまでに知らせが無かったら私が全てを投げ打って禿山へ急行せねばならぬとも。。」

 

「私が。。公爵、こんな事を言うのは、ただ。。」と、相手がアンドレイ公爵と知ってベルグは言いました。

「命令を実行せねばならぬからで、私は常に正確な実行を旨としているものだから、どうかお許し下さい。。」とべっb買いするようにベルグは言いました。

その時、炎の中で何か大きなものが崩れ落ちました。

「うああああっ❗️」倉庫の棟木の崩れ落ちる音に群衆の中から声が上がりました。

 

「では、良いな。」と、アンドレイ公爵は、アルバートゥイチ に念を押しました。

そして彼は気まずそうに黙りこくっているベルグには一言も答えずに、馬腹を蹴り横町へ走り去って行きました。

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(解説)

「市を明け渡すぞ、逃げろ、逃げろ」とアルバートゥイチの姿を見て1人の士官が言いました。

アルバートゥイチは庭へ駆け戻ると、御者を呼んで出発の支度を命じました。

 

アルバートゥイチ の幌馬車が門から出た時、開け放されたフェラポントフの店の中で10人程の兵士達が小麦粉やひまわりの種などを雑嚢や背嚢に詰め込んでいるのを見ました。

その時、フェラポントフが通りから戻って来ました。

兵士達を見ると、彼は何やら怒鳴りつけましたが、彼はちょっと思い直して、「みんな持って行け、おい❗️悪魔どもの手に渡すな❗️」と叫ぶなり、彼は自分で袋をひっつかんで通りへ放り出し始めました。

そして、彼はアルバートゥイチに気付くと大声で言いました。

「お終いだよ❗️ロシアは終わりよ❗️アルバートゥイチ❗️お終いだ❗️自分で火をかけてやる、お終いだ。。」フェラポントフは庭の中へ駆け込んで行きました。

 

ここは、トルストイがぜひ注目して欲しいと思っている部分だと思います。

フェラポントフは、12年前にアルバートゥイチのうまい計らいで、老公爵のライ麦を仕入れて商売を始め、今では自分の家と、宿屋と、県内に粉屋の店を経営していた男ですね。

彼は、フランス軍の攻撃によって瞬間的にこれらの財産を失うんですね。

そしてね、彼はそれを嘆きつつも、「もうロシアはおしまいだ❗️自分もロシアと運命を共にするよ❗️食べ物はこの飢餓に苦しんでいるロシア兵にくれてやる、同じ思いをしたんだ。悪魔になんか渡してやるものか❗️俺らと同じ思いをするがいい❗️さあ、俺は自分の手でこの屋敷や蔵に火をつけてやる❗️敵どもに食べさせるもんなんか残してたまるものか〜❗️」という叫びなのだと思います。

そしてですね、この地域の住民達のこんな死ぬような思いが、結局それよりも奥のロシア(モスクワまでは行きましたけどね、フランス軍は)を守るんですね。

彼らが自分の財産(=穀物とか動物とか)に涙を流して火を放ったからこそ、フランス軍は弱体化したのですから。。(※フランス軍はモスクワを放棄した後、同じ道を戻っていますので、スモーレンスクに食料が無かったのは大ダメージだった。)

上層部は、早々と馬車を準備して財産を積んで逃げて行ったというのに。。スモーレンスクの市長でさえ。

トルストイは、ボロジノでフランス軍を壊滅させたのは、こんな名も無い住民達でもあるんだよ、って言っているのだと思います。

 

絶えず兵士達の群れが後退して行くので、アルバートゥイチは馬車を進める事が出来ず、兵士達の通過を待たなければなりませんでした。

アルバートゥイチは馬車を降りて、まだしばらくは進めそうも無いのを見て、火事の現場を見ようと思って横町へ入って行きます。

そこへ、なんとアンドレイ公爵から声を掛けられます。

アンドレイ公爵は、手帳を破き『スモーレンスクは落ちた。禿山は1週間後に敵に占領されよう。直ぐにモスクワに避難せよ。いつ発つか、ウスヴァージに急使を送り、至急返事せよ。』と、妹のマリヤに手紙を書きアルバートゥイチに手渡します。

そして、老公爵と令嬢と、息子と教師の出発の手配と、彼への至急の返事をどのようにするかを口頭で伝えました。

そこへ、連隊長であるアンドレイ公爵が職務懈怠していると、今は華やかに幕僚を従えた高級参謀となったベルグが偉そうに中注意します。

しかし、(身分は圧倒的にアンドレイ公爵が上位ですので)アンドレイはそれに構わずアルバートゥイチに指示を言い終え去って行きました。。

 

お早うございます♪  今朝は、令和8年1月9日の日記です♪

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こんばんはー♪  現在18時54分です。

室温は12.1度。湿度は40%です。

今日も良いお天気だった福岡市です✨

 

昨夜はですねー。。どう考えても19時45分以降の記憶が無いのですよねー。

寒いから早めにお布団に包まっちまいますが、昨夜はすぐにあの世にお出掛けしていたみたいです。

多分ですねー。。朝の3時くらいから薄ら気付いているのですが、覚醒はこの時間になってしまいました💦

ご隠居さんはお気楽ですね♪♪  る〜ん💞

 

はい。昨日の晩御飯はサボって大阪王将でしたので、今朝は朝から息子夫妻に貰った里芋、白菜、牛蒡、人参、油げで味噌汁を作りました。

もちろん、お味噌も嫁(息子の手も入ってる❓)の手作りです♪♪

2回分作りました♪  お昼にもいただきます(^。^)

とても温まったし、美味しかったです✨

 

はい。7時35分くらいの福岡市の日の出辺りの景色です。

今日も晴天です❣️

 

しばらく英字新聞をやっつけていました。

9時になって本業ですが、特に動く事はしませんでした(動いてもね〜〜。。💦)

で、机の隣で玄米を精米する事にしました。

明日、黒門のお友達に少しおすそ分けします♪たくさん貰ったからね(^。^)

でもね、黒門のお友達も、ご両親様がご高齢だから、もうすぐ故郷に帰るかも。。という話です。

寂しいけれど、仕方がないですね。

 

もう前場が終わる頃ですが、ノート整理、頑張っています。

 

お昼ご飯は作り置きの餃子を焼いて、これまた作り置いて冷凍していた牛蒡と蓮根のきんぴら、それに朝の残りの味噌汁でした。

これは本当に美味しかったです。

冷凍しておいた作り置き餃子は、冷蔵庫で少し解凍すると、右のお写真のように綺麗に焼けます✨(赤カブも少し一緒に焼きました♪)

 

14時半までノート整理をして、それから外に出ました。

本当に綺麗な青空です。

ジョウビタキさんの鳴き声するんですけれどね、ちょっと高いところに居るみたいです。

ハクセキレイちゃんが、屋根の上に泊まってちょっと見下ろしていた様子が可愛かったです💞

 

お堀の方に植えられている河津桜もまだまだです*・゜゚・*:.。..。.:*・'

 

恐らく。。14時45分くらいにヴェローチェ赤坂門店に着いたと思いますが、それから管理会社から電話が有ったので少し話をして英文の通読をしていました。

15時半からは決算が1件有ったので、ちょっとスマホを見ていて、折角コメントを頂いていたのに気付くのが遅くなっちまいました💦 本当にスミマセンでした💦

16時20分。。もう相当長居をしてしまったので、帰宅する時間です。。

 

晩御飯は、残っていたレンコンを全部スライスして焼いてお塩をしたもの(これは本当に美味しいです💞)と、お惣菜が2割引だったので軟骨入り肉団子串を1本買ってきて頂きました。

これはお手頃価格で本当に美味しかったです✨

 

今日はこんな感じでした。

明日(=今日の事)は、午前中は実家の庭掃除と介護施設に母親のお見舞いに行きます。

それから少し家の事をして、13時くらいから黒門にお米とお見舞いをお届けして、恐らく。。そのままマクドかどっかで遊ぶと思います(^。^)♪♪

日曜日と祭日の月曜日で少し自宅のお掃除をしようかな。。と思っています。

 

それでは今日も良い一日をお過ごし下さいね💞

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(余談)

The Japanese government is considering allocating a total of 3,069.3 billion yen under its fiscal 2026 budget for policies linked to the industry ministry, a 1.5-fold increase from the fiscal 2025 initial budget, it was learned Monday.

月曜日、政府が2026年度の予算案で、経済産業省関連の政策に総額3兆693億円を充てる方向で検討していることが分かりました。これは、2025年度当初予算の1.5倍にあたる金額になります。

  3兆693億円:3.0693 trillion yen 、3,069.3 billion yen

  linked to〜:〜に連動して、〜に関連して

  policy:政策、方針(加算)

  1.5-fold increase:1.5倍の増加

   initial:当初の、最初の(形容詞)➡︎頭文字(名詞)の意味もある

 

The government plans to earmark 1,239 billion yen for measures to advance the domestic development of artificial intelligence and semiconductors, for which the ministry had sought funds without specifying an amount in its budget request in August.

政府は、AIと半導体の国産化を推進する施策に、1兆2,390億円を充てる方針です。これは、8月の予算要求時には具体的な金額を明記していなかった省庁からの要請に応えるものです。

  earmark:資金などを特定の目的のために「充当する」「取っておく」(for)(他動詞)

  sought:動詞「seek」(探す、求める)の過去形および過去分詞形(他動詞・自動詞)

  specify:明細に言う、明示する、(…を)明細書に記入する(他動詞)

 

The AI- and semiconductor-related expenditures will be included in the 2,533.3 billion yen allocated under the government's special account for energy measures.

政府のエネルギー対策特別会計に計上された2兆5,333億円には、人工知能(AI)と半導体関連の支出が含まれています。

  expenditure:支出、消費、浪費、経費、費用(ここでは加算)

  energy measures:エネルギー対策

  account:会計➡︎ここでの意味

 

  The government plans to allocate 387.3 billion yen for developing a foundation model for domestic AI, which it(=387.3 billion yen) hopes(developing a foundation model for domestic AI) will lead to "physical AI" capable of operating robots. (➡︎カッコ内は勝手に頭の中で書いたもので、原文には無し。❓)➡︎(私には)難問

政府は、国内のAI基盤モデル開発に3,873億円を投じる予定です。このモデルは、ロボットを操作できる「フィジカルAI」の実現を目指すものです。

  will lead to〜:〜へとつながるだろう、〜をもたらすだろう(未来の展望)

   capable:(…が)できて、(…が)可能で、(…の)受け入れる余地があって(形容詞)

(物語)

「悪党、人殺し」という激しい叫び声がして、その時痩せた蒼白な女が、子供を抱き抱え、プラトークを引き千切られて髪を振り乱して戸口から飛び出し、階段を駆け降りて行きました。フェラポントフがそれを追って出て来ましたが、アルバートゥイチを見ると「おや、お発ちかね❓」と聞きました。

アルバートゥイチは、その問いには答えず、買い物を片付けながら、宿料はいくら払ったら良いか❓と聞きました。

 

「今、計算しますから❗️どうです、知事の所へ行きましたかね❓」とフェラポントフは聞きました。

「知事は、はっきりした事を言わなかった。」と、アルバートゥイチは答えました。

「こんな商売ですもの、とても持って逃げられやしねえ❗️ドロゴブージまで荷馬車1台につき、7ルーブリをふっかける始末さ。だからわしはいつも言うんだよ。奴らにゃ良心っちゅうものがねえって❗️」と、彼は言いました。

馬の支度が出来る間、アルバートゥイチはフェラポントフとお茶を飲みながら、小麦粉の値段や、今年の作物の出来や、刈り入れに好適の天気である事を語り合いました。

 

アルバートゥイチは買い物をまとめて、呼びに来た御者に渡し、主人と勘定を済ませました。

庭から出て行く馬車の車輪や、蹄や、鈴の音が門の辺りに聞こえました。

もう日もだいぶ傾き、通りの半分が影になり、反対側の半分に明るい日差しが落ちていました。

アルバートゥイチは窓を覗いてみて、戸口へ歩き出しました。

ふいに遠くで砲弾が風を切り、炸裂したような奇妙な音が聞こえました。と思うと、一斉砲撃の砲声が轟き渡り、窓ガラスがピリピリと震えました。

 

アルバートゥイチは通りに出ました、方々で砲撃が空を切る唸りや、市中に落下する音や、榴弾が炸裂する音が聞こえました。

しかしこれらの音は、市外の方で轟き渡っている砲声に掻き消されてほとんど聞こえず、住民達の注意を引きませんでした。

これは四時を期して、ナポレオンが指令した130門の砲によるスモーレンスク一斉砲撃でした。

住民達は、最初のこの砲撃の意味がわかりませんでした。

落下する榴弾や砲弾の音は、初めは住民達の好奇心を掻き立てました。

フェラポントフの女房は、ぴたりと泣くのをやめて、子供を抱いたまま門の側へ出て行き、黙って群衆を眺めたり、砲声に耳を澄ませたりし始めました。

料理女と店番の男も門の所へ出て来ました。

みんな珍しそうに目を輝かせて、頭上を飛び過ぎる砲弾を見極めようと努めました。

しかし、砲弾は彼らの近くには1発も落下しないで、皆、頭上を飛び過ぎて行きました。

アルバートゥイチは、幌馬車に乗り込みました。

主人は門の側に突っ立っていました。

 

「どこへでも顔を突き出しやがる❗️」と、彼は、通りの角の方へ寄って行った料理女に怒鳴りつけました。

彼女が戻りかけた時、すぐ近くに閃光が走り、何かが破裂して煙が通りを包みました。

「ばか、何をしているか❗️」と、叫んで、主人は料理女の方へ駆け寄りました。

その瞬間、女達の悲鳴が起こり、子供が怯えて泣き出し、真っ青な顔をした人々が料理女の周りに集まりました。

「ああ。。苦しい。。皆さん❗️私を殺さないで❗️後生です。」

料理女は、榴弾の破片で砕かれたバケツを抱いたまま台所へ運び込まれました。

アルバートゥイチと、御者と、フェラポントフの女房と子供と庭番は、地下蔵へ逃げ込んで耳を側立てていました。

大砲の轟音と、砲弾の唸りと、全ての音を圧する料理女の悲痛なうめき声が一瞬も止みませんでした。

女房は、赤ん坊を揺すってなだめたり、誰かが地下蔵へ入って来る度に、表に残った夫の安否を聞いたりしていました。

店番の男が地下蔵へ降りてきて、主人は男衆達と一緒に、スモーレンスクの守護神の聖像に祈願しに寺院に行っている、と女房に伝えました。

 

夕暮れになるに連れて砲撃も静かになりだしました。

アルバートゥイチは、地下蔵を出て戸口に立ち止まりました。

さっきまで澄み切っていた夕空がすっかり煙に覆われていました。

砲声はピタリと止み、市には静寂が垂れ込めていました。

わずかにうめき声や、遠い呼び声や、火事のはぜる音がその静寂を破るだけでした。

料理女のうめき声はもう止んでいました。

市の西側から火の手が上がり、黒い煙の渦が広がって行きました。

 

通りには、列を乱した雑多な軍服の兵士達が様々な方角に向かって歩いたり走ったりしていました。

アルバートゥイチの見ている所で、何人かの兵士達がフェラポントフの庭の中へ駆け込んで行きました。

アルバートゥイチは門の所へ出て見ました。

どこかの連隊が、通りをせき止めて、慌ただしく退却して行く所でした。。

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(解説)

アルバートゥイチは買い物をまとめて、呼びに来た御者に渡し、フェラポントフと勘定を済ませ通りに出ました。

方々で砲撃が空を切る唸りや、スモーレンスク市中に落下する音や、榴弾が炸裂する音が聞こえました。

これは四時を期して、ナポレオンが指令した130門の砲によるスモーレンスク一斉砲撃でした。

しかし、スモーレンスクの市街地に当るガチェンスコエでは、まだ『遠い話』のように思えます。。

この市街地(ガチェンスコエ)の住民達は、最初のこの砲撃の意味がわかっていません。

そして、まるで見物客のように、みんな珍しそうに目を輝かせて、頭上を飛び過ぎる砲弾を見極めようと、外に出て行きます。

 

アルバートゥイチは、幌馬車に乗り込み、フェラポントフは門の側に突っ立っていました。

そ、その時、フェラポントフの使用人の料理女が通りに飛び出して行ったので、フェラポントフは「危ない❗️」と怒鳴りつけます。

彼女が戻りかけた時、すぐ近くに閃光が走り、何かが破裂して煙が通りを包みました。

その時、初めてガチェンスコエの街も危険に晒されている❗️と住民達は気づきます。

料理女は、榴弾の破片で砕かれたバケツを抱いたまま台所へ運び込まれました。

アルバートゥイチと、御者と、フェラポントフの女房と子供と庭番は、地下蔵へ逃げ込みました。

大砲の轟音と、砲弾の唸りが鳴り続けました。。

フェラポントフは男衆達と一緒に、スモーレンスクの守護神の聖像に祈願しに寺院に行って祈ります。

 

夕暮れになるに連れて砲撃も静かになりだしました。

アルバートゥイチは、地下蔵を出て戸口に出て行きます。

さっきまで澄み切っていた夕空がすっかり煙に覆われていました。

市の西側から火の手が上がり、黒い煙の渦が広がって行きました。

通りには、列を乱した雑多な軍服の兵士達が様々な方角に向かって歩いたり走ったりしていました。

そして、何人かの兵士達がフェラポントフの庭の中へ駆け込んで行きました。。。

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戦火は、スモーレンスク市内だけでなく、フェラポントフの住む市街地のガチェンスコエも及んで来ているのですね。

住民達は、今初めて身の危険を感じた、という瞬間を描いています。

街には算を乱した(ロシア)兵達が逃げ惑っています。

街には火が放たれ、煙がもうもうと立ち、空をも暗雲が漂っているのでした。。