ウイーン磁器工房(4) 第三期 ゾルゲンタール時代(1784ー1805年) | 気ままな日常を綴っています。

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コンラッド・フォン・ゾルゲンタール男爵は、リンツの毛織物業者でした。

贋作を防ぐ目的から、窯印の統一と、造形師、絵付け師などの使命を特定出来る番号制度を徹底し、全ての作品に製造年の刻印を入れる新制度を導入しました。

 

ネオ・クラシック・スタイルを取りながら、はっきりウイーン窯製品だとわかる濃厚な風情を持たせた造形と絵付けはヨーロッパ磁器の形状・装飾史上最も個性的なものでした。

セーヴル窯がフランス革命で衰え、やがて簡素なスタイルで量産に傾き、マイセン窯がマンネリズムからの脱却が出来ずに苦しむ中、ウイーン磁器が世界で一番贅沢にして重厚な、芸術磁器としての頂点を極めたものになりつつある事は、誰の目から見ても明らかとなって行ったのです。

 

ロココでもアンピールでもなく、マイセン窯やシノワズリ、ジャポネズリからの影響もほとんど受けないデザインは「ウイーンのクラシック」として強烈な生彩を放ち、生産量の少なさとハプスブルグ家の権威とから、非常な高値を呼びました。

ウイーン窯の全盛期は、19世紀の初頭までで、1804年にフランス皇帝となったナポレオンが、次に神聖ローマ皇帝位の簒奪を狙いだすと、フランツ2世はオーストリア世襲皇帝となり、1806年、先手を打って神聖ローマ帝国を廃止し、ハプスブルグ家の防衛に専心することになりました。(つまり、陶磁器製作を保護している場合では無かった。」)

 

1805年、中興の功労者ゾルゲンタールが死去し、その打撃は大きく、加えてナポレオン戦争の為に国力は滅耗し、ウイーン窯も衰退期

に入りました。

 

(1794年)

第3期に入って全盛を迎えた時代の真正品。パルメット風のハート連文とメダイヨンの中の変形ロゼットで、高低のリズム感を与えた格調高い装飾である。カップに比べて大きなループ・ハンドルが印象的で、ハンドル上にも金彩の装飾的文様が施されている。金彩はベタ塗りした上に、再度微妙な盛り上がりを付けて行くやり方で、多少剥がれやすいのが難点だが、本品は最高の保存状態である。

 

 ※「メダイヨン」はフランス語で大きなメダルのこと。 円形または楕円形の物を指す。

 ※パルメット文様:植物性文様の呼称の一つ。 2本に分かれた渦巻の分岐点を中心に扇形にひらいた形をいう。 これは古代エジプトのロータス系の文様が起源だとされ,各地域・時代でさまざまに展開した唐草文様の重要なモティーフになっている。

 ※ロゼット:花形装飾を意味するフランス語および英語。開花した花を上から見た形を図式化した装飾ないし模様で,中心から放射状に広がる花弁状の単位を円形に並べたもの。

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