源氏物語「若菜・上」⑦ 明石の君、入道の手紙を明石の女御、源氏に見せる。 | 気ままな日常を綴っています。

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いつか静かに消える時まで。。
一人静かに思いのままに生きたい。。

東宮からは、明石の女御に早く参内するよう御催促があるわ。

紫の上は、若宮ご誕生で東宮がお会いになりたいと思われるのは御尤も、と若宮を内々東宮御所にお連れ申し上げようとお心遣いをするのよ。

女御は、東宮からなかなかお暇をいただけなかったのに懲りているし、あんな恐ろしい経験をしたので、もうしばらくお里に居たいと思うわ。

そんな明石の女御に源氏は「こんな風に面やつれしてお目にかかるのも、男には却って情愛が湧くものだよ」と教えて差し上げるわ。

 

紫の上が帰った夕暮れ、明石の君は女御の御前にお伺いし、あの文箱をお見せするのよ。

明石の君は、女御が国母になるまではお見せするまい。。と思っていたのだけれど、無常な世の中、自分に何か有っても女御とはお逢いできない身分なので、気の確かなうちに入道の手紙をお見せした方が良いだろう。。と判断したのね。

そして、手紙の内容は、気心の知れない人には決して話してはならない事、立后された場合にはこの願文に書いてある願ほどきはなさって下さるよう。。と申し上げるのよ。

そして、紫の上が女御の為に今までして下さった事、これからも紫の上をお頼りにするのが安心です、ともお伝えするのよ。

 

明石の女御は、実母の言う事を涙ながらにお聞きになるわ。。

明石の君は、自分の娘である女御に対しても、常に礼儀正しい態度で馴れ馴れしくはせず控え目にしているのよ。

明石の女御は、入道の手紙をお読みになって、ひどくあわれにお感じになり涙で額髪が次第に濡れて行くのね。。

 

源氏はそれまで女三宮の所に居たのだけれど、境の襖からいきなりこちらに来たわ。

とっさの事で、明石の君は入道の手紙を隠すことが出来ないのよ。

さっきの文箱も慌てて隠すのもみっともないので、そのままにしてるわ。

源氏が二人の様子が妙にしんみりしておかしいな。。と疑っている様子なので、明石の君は訳を話し出すのよ。

 

明石の君は、明石の入道から御祈祷の目録や、まだ願ほどきの出来て居ない祈願文などが送られて来た事、今は未だその折でもないので源氏にお見にかける必要も無いが。。と説明するわ。

源氏は事情を察知して、入道が厳しい修行をして消滅した罪障も数知れないだろう。。と切り出すわ。。

そして、入道の悟りが深く、今では気持ちを乱す係累も無く解脱をし切っているだろう。。気軽に出歩けれる身分であればこっそり明石に行って是非お会いしたものだ。。と言うのよ。

 

源氏の言葉を受けて明石の君は、今では入道は住んでいる家も捨てて山奥に篭ってしまった、と申し上げるのよ。

源氏は、その文箱の中の物が入道の遺言だと悟るわ。

そして明石の君は、あの夢物語をお聞かせしたら源氏が何か思い当たる事が有るのではないか、と思って入道の手紙をお目にかけるのよ。

源氏はそれを見て、入道の先祖の事を話し出すわ。

入道の先祖の大臣は、賢明かつ忠誠心を尽くして朝廷に仕えて居たのに、ちょっとした行き違いから子孫が滅びたのだと世間では言われて居た事、しかし、娘である明石の君がこうしている以上、子孫が途絶えた訳では無く、それも入道の長年の勤行の功徳によるものだろう。。と。

そして、入道の事を、むやみに大それた高い望みを持っている人物と世間の人も非難し、自分としても仮初にも軽率な振る舞いをしたものだと思ったけれども、この姫君が生まれた事によって前世からの深い契りが有ったのだと思い知ったものだった。。とも。

 

そして源氏は、明石の女御には、他人である紫の上(継母だからと言って)の御好意をおろそかに思ってはならないと悟すのよ。。。そしてさらに源氏は続けるわ。

それほどもない事に角を立て難癖を付け、人にそっけなく当たるような性質の人は、思いやりのない人であると。

本当に素直で心に癖がなく、人柄が良いという点では、自分が知っている女の中では紫の上だけであると。

いくら人柄が良くても、あまりに慎みに欠け、頼りないのも困ったものです。。とも。

そして、明石の君には「貴女は物の道理もわきまえており、紫の上と仲良くお付き合いして女御のお世話をして下さい」と言うのよ。

 

明石の君は、紫の上の稀な立派な人柄を十分に理解しているのよ。

むしろ自分のような者を目障りと思わず一人前に扱って下さるのを感謝しているのね。

源氏はまた、紫の上に対して女御の実母である明石の君が一人取りしないので、万事穏やかに運ぶのだ、とも感謝するのよ。

すして源氏は、二人とも欠点が無く直すところが無い、と喜ぶわ。

 

源氏は東の対に帰るわ。

明石の君は、源氏の紫の上に対するご寵愛はますます深まるばかり、と思うけれど、理想的に何もかも具わっている紫の上なら当然の事だと思うわ。

それに対し、同じ血筋でもう一段身分の高い女三宮は、源氏にうわべだけは大事にされているだけでおいたわしい。。と思うのよ。

自分の運勢は、たいそう強運なのだと考えるけれども、身分が高貴な方でも思い通りにならないらしい夫婦仲だというのに、まして自分などは肩を並べられるような立場では無いと、今はもう恨みがましい気持ちは消えるのね。

 

明石の君は、俗世を捨てて山奥に籠り住んでいる父・入道の事を思いやると悲しくて心もとなく思うのね。

尼君も「極楽で必ず再会しよう。。」という入道のい一言を頼みにして来世の事に思いを馳せながら物思いに沈んでいるのよ。。

 

今日はここまでです。

本当に長文で失礼しております。

いつも有難うございます。

次回も「若菜・上」⑧(最終回)です。

 

今日も良い一日をお過ごしくださいね❣️

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(追記)

まあ、長々記載しておりますが、要するに源氏にとって紫の上も明石の君も素晴らしい女性であるということですね。

紫の上も明石の君も、お互いに源氏に愛されて当たり前のお人柄だと思っています。

そして、源氏も二人の良いところをちゃんと分かっているのですね。

なかなか現実ではこのような事は珍しいでしょうが、一つの人間関係の見本を示しているのかもしれませんね。

 

そして、源氏は、明石の入道の信仰心の深さをとても認めていて、子孫から帝と皇后が出るというとんでもない願掛けの達成(まだしていないけれど、ほぼ確実)は、入道の信仰心の深さ故という風に捉えているように思います。

明石の尼君は、明石の女御が3歳の時に、入道と別れて京都に来ていますが、夫婦仲はとてもよかったのですね。

入道の「あの世で必ず再開しよう」という優しい言葉を胸に涙する姿は、本当に美しいと思いました。

理想的な夫婦の一つの姿を描いているな。。と思いました。