源氏物語「帚木」② 左馬の頭の女の話。私が心惹かれる女性。 | 気ままな日常を綴っています。

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いつか静かに消える時まで。。
一人静かに思いのままに生きたい。。

おはようございます。

前回はかなり脱線いたしましたことをお詫び申し上げます。

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さて、今回は雨夜の品定めの中に出て来た左馬の頭が未だ下っ端だった頃のお話よ。

左馬の頭には、当時、器量は大して良くないけれど頼りになる女と思っていた女が居たのよ。

この女はね、自分に不得手な事でもこの男の為と思えば無理にもあれやこれや工夫してやってのけたり、何とかして夫に見限られないように努力して甲斐甲斐しく世話をしてくれていたのよ。

何でも左馬の頭の言う事に従ってくれるかわいい女ね。また、不器量ではあるものの、他人に見られたら夫が恥ずかしく思わないかと、いつもきちんとお化粧もして居たのよ(とても素敵な女性ね❗️)

 

ただ一つ、この女はとてもヤキモチ焼きだったの。

左馬の頭もまだ若かったから(この女よりももっといい女が居るに違いないと)この女を生涯の妻にしようとは考えてなく、あちこち他の女の許にも通い遊んで居たのよ。

男は、この女の嫉妬深さに嫌気が 差して「もっとおっとり構えてくれれば良いのに。。」と疲れてくるのよ。

 

でもね、私から見ると、左馬の頭はこの女の深い愛情に胡坐をか居てたと思うのよ。

この女は自分にこんなにも無闇に惚れ込んで怯えきっているのだからひどい目に合わせよう。。そうしたら少しはもっと(やきもちを)慎むだろう。。ってね。

そして男は女にこう言うのよ。

「お前がこんなに嫉妬深く我が強いならもう二度と会いたく無い。もし、末長く添い遂げたいと思うなら自分のする事に文句を言うな。人並みに出世して身分も上がれば本妻にしてやるよ。」ってね。

 

当時、女性は経済的に自立出来ない時代だから流石にこの言葉は女に堪えたと思うわ。。女の弱みにつけ込んで良くまあこんな卑怯な取引をするもんだわ、って思うわね。

で、女はこう言うのよ。

「あなたの出世を待てと言うのなら苦になりません。でも、あなたの冷たい心を辛抱して浮気の止む日が来るだろうか。。と当てにならない空頼みを抱いて行くなんて出来ません」とね。

こうなったら「修羅場」ね。

女は男の指を「ガブリと」噛み付いたの。

あのね。。女がこうなるって言うのはね「これでおしまい」って言うサインなのよ。

本当に女の気持ちを思うと胸が痛くなるわ。

で、男は(女が別れられるはずもないとタカをくくって)見せしめのつもりで便りもやらず何日も訪れなかったのよ。

 

(舞鶴公園東側の桜並木)

 

ある日、ひどくみぞれが降る夜更けに男はふと。。「こんな夜はやはりあの女の所に行くしかない」と思って訪れるわ。きまり悪かったみたいだけど。

女の家では、部屋を暖かくして冬物の着物が大きな伏籠に掛けて温めて待って居たの。

もちろん、自分から捨ててしまった男の後生のことまで心配して心のこもった着物まで準備してね。

でも、女の姿はそこには無かった。。

 

それでも、男は女を探そうともせず、まだしばらく懲らしめてやろう、と意地を張り続けるの。

そうしたら、女は悩み悲しんだ挙句死んでしまうわ。。。

 

で、私は彼女が死んでしまった理由をこう思うのよ。

昔は、女性は自活の道がなかった。

まあ、左馬の頭が通うくらいの女性だから、それなりにしっかりした家柄だったかもしれない。

でも、この女は自分の器量の悪さもわかって居たし、それを愛情で補おうと一生懸命だったのよ。

でも、そんな自分の気持ちを踏みにじられて絶望したのとね、やっぱり実家に対する気遣いもあったと思うの。

だって、女はこの後、誰か面倒を見てくれるような男性を探すような割り切った女性じゃないし、だからと言って、男に捨てられた自分を実家が引き受けるには世間体も悪いし、食い扶持もかかる。。

だからね。。彼女はきっと食事も喉を通らず、夜間も眠れず、衰弱してしまったと思うのよ。

哀れな女性よね。

だから、私は、この左馬の頭の女に惹かれるのよ。

なんか、自分も同じだった事があったような気がしてね。

 

次回も帚木③(最終回)