【〇○婦問題】2020.09 (h) | ぺる Ⅱのブログ

ぺる Ⅱのブログ

続・チラシの裏書き

 

 

 

目次 

 

2020

01(09/01)日本の次期首相候補、3人に絞られる…韓日関係の見通しは

02(09/11)慰安婦訴訟、口頭弁論で「重大な人権侵害において国家免除論は例外」

03(09/12)私は「ナヌムの家」の日本人職員、矢嶋です

04(09/15)韓国検察、前正義連理事長のユン議員を「約500万円の募金横領」の疑いで起訴

05(09/15)[社説]菅次期首相に韓日関係の前向きな姿勢を望む

06(09/15)前正義連理事長のユン議員、娘の留学資金・マンション購入費疑惑は「嫌疑なし」不起訴

07(09/17)慰安婦被害者イ・ヨンスさん「少女像撤去の主張は“悪い行動”であり、歴史の罪人」

08(09/18)[社説]菅首相は文大統領の対話の呼びかけに前向きな対応を

09(09/22)菅首相、文大統領への返信で「未来志向的な韓日関係を期待する」

10(09/23)[記者手帳]義理を重視する菅首相、なぜ韓国に冷たいのか

11(09/24)韓-日、中-日間で相次ぐ電話会談予定…韓中日首脳会議は実現するか

12(09/24)安倍前首相「慰安婦合意で、日本をおとしめようとすることはできなくなった」

13(09/25)「慰安婦」被害者支援、正義連ではなく政府が直接することに

14(09/30)ドイツの公共場所に初の少女像建設「性暴力被害者の勇気を象徴」

 

 

 

--------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

 

01 

日本の次期首相候補、3人に絞られる…韓日関係の見通しは
登録:2020-09-01 05:59 修正:2020-09-01 06:48

日本メディア、31日一斉に有力候補3人を挙げる 
菅官房長官、岸田政調会長、石破元幹事長と予測 
短期的には変化ないだろうが、中長期的な変化を期待 
 
菅官房長官…従来の路線を維持、大きな変化はない見込み 
岸田政調開放…中長期的に「穏健路線への旋回」に期待 
石破元幹事長…安保協力で歴史問題の妥協を試みる可能性も



日本のマスコミは8月31日、有力な次期首相候補として石破茂元幹事長(左から)や岸田文雄政調会長、菅義偉官房長官を挙げた=朝日新聞よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 

 安倍晋三首相の突然の辞任表明が、“過去最悪”の韓日関係にいかなる影響を及ぼすのかに関心が集まっている。誰が次期首相になっても短期的には大きな変化は見込めないが、中長期的には少なからぬ変化が期待できるだけに、時間をかけて状況の変化を注視する必要があるものと見られる。
 

 31日、日本のマスコミは一斉に、次期首相選挙(自民党総裁選)は菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長の3人の争いになるという見通しを示した。韓国にとって最も避けたい人物とされるのは、これまで7年8カ月間、安倍政権を支えてきた菅官房長官だ。「政権のナンバー2」と呼ばれてきただけに、安倍首相が進めてきた政策をほとんど受け継ぐものとみられる。菅官房長官は、安倍首相が2013年12月、靖国神社参拝を決行する際、これを最後まで反対するなど、歴史観においては安倍首相とは異なる側面もあるが、2014年1月、安重根を「テロリスト」と呼び、大きな波紋を投げかけた。
 

 次に注目される人物は岸田政調会長だ。彼が率いる宏池会は、日本の保守本流の嫡統を受け継ぐ穏健派閥で、同派閥出身の宮沢喜一首相と河野洋平官房長官が日本軍「慰安婦」動員の過程で、軍の介入を認めた河野談話を出した。しかし「安倍1強」体制に順応し、改憲など敏感な懸案に対して異なる意見を提示したことがないことから、迫力が足りないという指摘もある。さらに、2015年末12・28合意を結んだ当事者としても、慰安婦問題などでは変化を期待し難い。岸田政調会長が首相になれば、短期的には安倍首相の対韓国政策を継承するとみられるが、中長期的には穏健な歴史認識に基づいて合理的な政策転換を試みることも考えられる。
 

 3人目の候補は、過去二度の自民党総裁選で安倍首相と対決した石破茂元幹事長だ。彼は自衛隊の役割の拡大や改憲には非常に積極的な立場を示してきた。しかし、昨年10月、ある講演で、日本が実施した創氏改名政策などについて言及し、「もし日本が他国に占領され、『今日から君はスミスさんだ』と言われたらどう思うか」と述べるなど、柔軟な歴史認識を持っているという。彼が首相になれば、韓米日の三角同盟を強固にすることを前提に、歴史問題において妥協的方向への政策転換を進める可能性がある。
 

 一方、カン・ギョンファ外交通商部長官は同日、国会外交統一委員会で安倍首相辞任後の韓日関係について「現実的な見通しを持たなければならない。両国関係がこのように複雑になった背景には、過去に対する認識の相違がある。特に強制徴用に対する韓国最高裁(大法院)の判決が下されてから、厳しい状況にあり、これに対して日本が昨年輸出規制を取ったため、さらに難しくなった」と述べた。誰が首相になっても日本政府の立場は簡単には変わらないという予測だ。
 

キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/960069.html
韓国語原文入力:2020-09-01 02:31
訳H.J

 

目次 

 

 

 

 

 

 




 

02 

慰安婦訴訟、口頭弁論で「重大な人権侵害において国家免除論は例外」
登録:2020-09-11 02:19 修正:2020-09-11 07:01

ペク・ポムソク教授、証人として出廷 
「主権免除を認めれば救済手段ない」 
11月11日にはイ・ヨンスさんが証人として出廷



2019年11月、日本軍慰安婦被害者のイ・ヨンスさん(左端)が、日本政府に対する損害賠償請求訴訟の初の弁論期日を迎え、ソウル瑞草区の民主社会のための弁護士会(民弁)の事務所で行われた記者会見で発言している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 

 日本政府を相手取り元日本軍「慰安婦」被害者が起こした損害賠償訴訟が11月に結審する。最終弁論を前に、イ・ヨンスさんが自ら法廷に立って被害事実を証言する予定だ。
 

 9日に損害賠償訴訟の口頭弁論を行ったソウル中央地裁民事15部(ミン・ソンチョル裁判長)は、11月11日に最終弁論を行うことを決定した。2016年12月に訴訟が起こされてから約4年。最終弁論にはイ・ヨンスさんが慰安婦被害者として証言するため出廷する。
 

 9日の口頭弁論には、慶煕大学のペク・ポムソク副教授(国際人権法専攻)が証人として出廷した。ペク教授は、慰安婦問題のような重大な人権侵害が発生した場合には「国家(主権)免除論」が適用されてはならないとの意見を述べた。国家免除論とは、国家の主権行為について他国で裁判を受けることを免除するという論理で、現在、日本政府がこの訴訟へ無対応しつつ、盾としている理論だ。しかしペク教授は「19世紀初めから大多数の国家が制限的主権免除論の立場を取り、例外を認めてきた」とし「主権免除は『権利』ではなく『特権』で、それが明白な不正義を引き起こすならば認められない」と主張した。ペク教授はまた、「主権免除を認めれば、(慰安婦問題の解決に向けた)他の救済方法を被害者は持っていない」、「深刻な人権侵害の被害者に対する他の救済手段がない状況においては、少なくとも被害者の司法にアクセスする権利、自国(韓国)裁判所で裁判によって救済を受ける権利は、今日の国際慣習法で保障され得る」と述べた。
 

 ペク教授は、今回の訴訟の国際法的意味も強調した。「主権免除の例外と制限は、ほとんどの個別国家の立法と裁判所の判決を通じて変化してきた」とし「事によると、一つの、時には孤立した国内裁判所の判決を通じて、国際社会の主流に発展していくこともあり得る」と強調した。
 

 裁判所は「国家が被害者のために外交的保護権を行使するという観点から、相手国と合意する方法もある」とし、交渉などを通じた外交的保護権の行使という方法があるかも尋ねた。日本に裁判を請求するのではなく、実効性のある国家間の合意によって被害者救済が可能かどうかを探ったものだ。これに対しペク教授は、2011年に憲法裁判所が「慰安婦問題を解決していない国家の不作為は違憲」とした判断を例に挙げ、「憲法裁の決定どおり、(国家が)外交的保護権を行使していないのなら、これは国際人権法に反する」とし、「基本的に、賠償と救済策を用意しなければ、外交的保護権の行使は不可能」との趣旨で答えた。
 

 さらに裁判所が「2011年の憲法裁決定の後に、大いに物議を醸している2015年の日本との慰安婦合意があった」と指摘すると、ペク教授は「韓国外交部と日本が明らかにしたように、(慰安婦合意は)政治的合意であり、法的拘束力はない。それに対する法的判断を行うのは無理」と答えた。
 

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/961537.html
韓国語原文入力:2020-09-09 20:04
訳D.K

 

目次 

 

 




 

 

 

 

 

03 

私は「ナヌムの家」の日本人職員、矢嶋です
登録:2020-09-12 02:36 修正:2020-09-12 07:55

「ナヌムの家」内部告発者の矢嶋さんの話 
ハルモニ一人一人の人生を写真で記録し、歴史として残してきたが 
内部告発後、「日本人出ていけ」という横断幕が掲げられる 
彼が真に望むのは「慰安婦」被害者の尊重と歴史の保存



京畿道広州市退村面のナヌムの家の入り口には、ここで生活し亡くなった日本軍慰安婦被害者の胸像がある。矢嶋さんがその間に立っている=広州/イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社


 「ハルモニ(おばあさん)一人ひとりを画一的な正方形のフレームの中に配置して撮影しましたが、ハルモニたちは各々固有の名前と歴史を持つ個人です。歴史的被害者という大きな枠でハルモニたちを認識することも必要ですが、その個人の人生と尊厳を記憶しなければならないのではないかと思いました」。矢嶋宰さん(49)は、日本軍慰安婦被害者たちの施設である京畿道広州市退村面(クァンジュシ・トェチョンミョン)の「ナヌムの家」の国際室長だ。写真家でもある彼は、長年にわたり行ってきたナヌムの家の日本軍慰安婦被害女性の肖像写真の仕事について説明する。


左から故チ・ドリさん、故ペ・チュンヒさん、イ・オクソンさん。彼が撮った白黒写真の中のハルモニたちは、まっすぐな姿勢で立ち、正面を凝視する。彼は、苦痛の中の沈黙を破り、被害事実を訴えたハルモニたちの堂々とした在りようを表現したかったと語る=矢嶋さん提供//ハンギョレ新聞社


 歴史学徒だった彼は、大学時代に付き合ったアジアの友人たちを通じ、慰安婦被害者問題などの日本の戦争犯罪に関心を深めた。2000年に東アジア共同ワークショップに参加してナヌムの家を初めて訪問し、2003年から約3年間、また2019年から現在まで、ナヌムの家で働いている。ナヌムの家の訪問者には日本人も多かったが、日本語に精通する職員がいなかったため、日本語ができる被害者が表に立たなければならなかった。しかし、当時の状況の再現などが含まれる案内を被害者に繰り返させる状況は適切ではなかった。このことに悩んでいたナヌムの家の提案によりスタッフとして加わり、国際交流業務から生存者たちの暮らしを写真に記録することまで、彼の業務の幅は広かった。


ナヌムの家のキム・デウォル学芸室長(左から)、ウォン・ジョンソン看護チーム長、矢嶋宰国際室長が5月15日午後、京畿道広州市退村面元堂里のナヌムの家教育館でハンギョレの記者と会い、ナヌムの家の後援金横領疑惑などについて説明している=広州/イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社


 しかし、ナヌムの家の仲間たちと共に運営上の問題を指摘する公益通報(内部告発)を行ってからは、ナヌムの家との関係はギクシャクしている。その後「ナヌムの家が巨額の後援金を集め、これをハルモニたちには直接使わず、主に土地を買ったり、建物を建てたりするために積み立てている」という官民合同調査団の調査結果も発表された。しかし後続措置は不十分で、職員の業務環境の改善、ハルモニの処遇改善、透明な会計などを求める公益通報者の闘いは依然として続いており、あげくには先月、ナヌムの家の入り口付近の外壁に横断幕が掲げられた。「日本軍慰安婦被害者がいらっしゃる場所に日本人職員とは何事か」。施設の黙認の下にナヌムの家で生活していた遺族たちの主張だった。多くの市民の抗議で横断幕は撤去されたが、彼の心には傷が残った。


8月21日、京畿道広州市退村面のナヌムの家の入り口付近の外壁に「日本人職員は出て行け」という趣旨の横断幕が掲げられている=茶山人権センター提供//ハンギョレ新聞社


 ナヌムの家の入り口には、亡くなった被害者たちの胸像が立っている。「第2次世界大戦の被害者たちが共同生活している空間は、世界的にナヌムの家が唯一です。被害者たちが生きている間は、ここで尊重されながら、より安らかに生活できるように、また彼女たちが亡くなった後も、ハルモニたちの人生と固有性がそのまま詰まっているこの場所が、後世に正しい歴史を伝える場として保存されることを願っています」。ハルモニたちの胸像のかたわらに立って、力を込めて正確に書いた文字のように端正な韓国語で明かした日本人、矢嶋宰さんの切なる願いだ。


日本軍慰安婦被害者の胸像のそばに立つナヌムの家の矢嶋宰国際室長=広州/イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社
 

広州/イ・ジョンア記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/961764.html
韓国語原文入力:2020-09-11 09:37
訳D.K

 

目次 

 

 

 

 

 

 




 

04 

韓国検察、前正義連理事長のユン議員を「約500万円の募金横領」の疑いで起訴
登録:2020-09-15 06:23 修正:2020-09-15 07:33


共に民主党のユン・ミヒャン当選者(当時)が5月29日午後、国会疎通館で記者会見を開き、正義記憶連帯活動当時の会計不正など各種疑惑に対する立場を表明している/聯合ニュース

 

 検察が正義記憶連帯(正義連)の「会計不正」疑惑の捜査に着手してから約4カ月後に、正義連前理事長のユン・ミヒャン共に民主党議員を裁判にかけた。
 

 ソウル西部地検は14日、いくつかの個人口座を利用して日本軍「慰安婦」被害者たちの海外旅行経費などで募金した後、5755万ウォン(約510万円)を個人的に使った疑い(業務上横領)で、ユン議員を在宅起訴したと発表した。ユン議員は、認知症を患っているキル・ウォノクさんが受け取った女性人権賞の賞金の一部などを、正義連に寄付させた容疑(準詐欺)もかけられている。
 

 正義連理事のA氏(45)も、国家補助金を虚偽に申請し、他の用途に使用するほか、管轄官庁に登録せず、約41億ウォン(約3億7千万円)の寄付金を募集した容疑(寄付金品法違反)などで、ユン議員とともに起訴された。彼らは被害女性たちの憩いの場として使う京畿道安城(アンソン)のヒーリングセンター(安城憩いの場)を相場より高く購入し、団体に損害を与えた容疑(業務上背任)も受けている。検察はまた、彼らに2014年から2019年にかけて、安城憩いの場を市民団体や地域政党、個人などに50回あまり貸し、宿泊費を受け取るなど、未申告の宿泊業を営んだ容疑(公衆衛生管理法違反)も適用した。
 

 検察は、ユン議員が個人口座で「慰安婦」被害者ハルモ二の葬式費用などを集めたのも「寄付金」と見なした。ユン議員は昨年、故キム・ボクトンさんの葬儀費の名目で約1億7千万ウォン(約1500万円)を個人口座で受け取った。ユン議員側は、「香典にあたるものなので、寄付金登録をしなかった」と主張した。ユン議員は、寄付金の一部と挺対協の法人口座の金、計約7800万ウォン(約700万円)ほどを個人的に使った容疑も、一部の公訴事実に盛り込まれている。
 

 しかし、検察はユン議員が寄付金と補助金の名目で集めた金を個人的に流用したという疑惑に対してはほとんどを不起訴処分にした。一部では約3億ウォン(約2700万円)がかかるユン議員の娘の留学費用と関連し疑惑を提起したが、検察の捜査の結果、夫婦と親戚の金、ユン議員の夫が受け取った刑事補償金などで留学費を賄ったことが確認された。ユン議員の京畿道水原(スウォン)のマンションも定期預金解約金と家族、職員から借りたお金などで購入したと検察は明らかにした。
 

 また検察は、ユン議員の夫が運営する地域メディアに挺対協と正義連が「仕事の集中発注」を行ったという疑惑や、ユン議員の父親が安城憩いの場の管理人として登録され、給与を受け取ったという疑惑についても、特に問題は確認されなかったと発表した。
 

 検察は、正義連の前身である挺身隊問題対策協議会(挺対協)理事約10人と、正義連の元・現職理事22人などについては「嫌疑なし」と結論付け、会計担当者2人は加担した程度が重くないとして、起訴猶予処分にした。会計報告や公示に不備が多かったが、これらに関する処罰規定がないというのが、検察の説明だ。検察はこれと関連し、公益法人法の適用の拡大や公示の不備などに対する制裁の強化など、法制度の改善を法務部に建議する方針だ。
 

チェ・ユンテ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/962077.html?_fr=mt2
韓国語原文入力:2020-09-14 16:37
訳H.J

 

目次 

 

 

 

 

 

 




 

05 

[社説]菅次期首相に韓日関係の前向きな姿勢を望む
登録:2020-09-15 08:36 修正:2020-09-15 11:53


14日、日本の自民党総会で新総裁に選出され、首相の座が予定される菅義偉官房長官が大きく手を振りかざしている/東京=EPA・聯合ニュース

 

 日本の与党自民党が14日、衆参両院総会を開き、菅官房長官が圧倒的な票差で次期総裁に選出された。16日の臨時国会での首相選出を控えているが、2012年12月26日の安倍首相就任後、7年8カ月ぶりに日本の首相が交代することになる。
 

 安倍政権のナンバー2だった菅氏は「安倍政権の継承」を標榜しており、韓国の最高裁(大法院)による強制動員賠償判決に対する日本の反発、輸出規制で悪化した韓日関係の改善の突破口は見いだせないとの見方が出ている。菅氏は、強制動員被害賠償は1965年の韓日請求権協定ですべて解決されているとし、被害者の賠償要求を「国際法違反」と強弁する安倍首相の主張に同調している。菅氏自身が2015年12月28日の「韓日慰安婦合意」締結の過程で主要な役割を果たしもした。また、現在日本社会全般で韓国に対する世論が芳しくなく、政治家がこれを煽るムードもある。
 

 一方、菅氏は秘書官から始まり首相まで上りつめた日本では珍しい「ゼロからのスタートの非世襲型」政治家だ。「嫌韓」を政治的道具として利用した安倍首相に対し、理念をあまり掲げず結果を重視する実用主義者という評価を受けている。安倍首相の靖国神社参拝に反対してもいる。
 

 このような菅氏の実用的リーダーシップが韓日関係でも発揮されることを期待する。そのうえ、すでに一度延期された東京五輪を来年開催するには、韓国との協力が必要な状況だ。日本国内でも実益はなく、かえって日本企業に被害を与えた輸出規制を緩和すべきだという声が高まっている。菅氏が首相就任後に早期総選挙を実施して安定した指導力を確保するなら、安倍首相と区別される独自カラーの政治を推進し、韓国をはじめとする周辺国との関係改善に乗り出す空間が広がるだろう。日本が韓日関係をこのまま放置し続ける意図がないなら、新しく登場する菅内閣が現実的で前向きな態度で韓国に手を差し伸べることを望む。


 韓国政府も、日本の首相の交代を韓日関係回復の契機にするために、積極的に動く必要がある。植民支配に対する真摯な反省と責任意識を日本政府に求める原則は守りながらも、外交チャンネルを通じた持続的な協議で意見の相違を狭めていけば、現実的な解決策を見出すことができるだろう。
 

 米中新冷戦の巨大な波が押し寄せている。韓日両国の関係回復と協力がいつになく重要な時だ。
 

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/962108.html
韓国語原文入力:2020-09-15 02:41
訳C.M

 

目次 

 

 

 

 

 

 




 

06 

前正義連理事長のユン議員、娘の留学資金・マンション購入費疑惑は「嫌疑なし」不起訴
登録:2020-09-15 13:17 修正:2020-09-15 14:39

不起訴の主な内容 
補助金・寄付金の内訳の不十分な公示には「処罰規定なし」 
法改善を建議することに 
安城憩いの場の安値売却は不起訴処分



共に民主党のユン・ミヒャン議員が国会疎通館で記者会見を開き、正義記憶連帯活動当時の会計不正など各種の疑惑に対する立場を明らかにしている/聯合ニュース

 

 検察は14日、野党とメディアが提起した正義記憶連帯(正義連)の会計不正とユン・ミヒャン議員の個人不正疑惑に対しては、すべて不起訴処分にした。検察はユン議員が挺身隊問題対策協議会(挺対協)と正義連の資金を流用し、娘の留学資金などに使ったという疑惑(業務上横領)について、「3億ウォン(約2690万円)に上る留学資金はユン・ミヒャン夫妻や親戚の資金、夫のKさんの刑事補償金などでほとんど充てられたことが確認された」と明らかにした。
 

 これに先立ち、ユン議員を告発したある市民団体は「ユン議員夫妻の年収は5千万ウォン(約450万円)にすぎない」として、娘の留学資金の出どころについて疑惑を提起した。しかし、検察の捜査の結果、実際の収入はユン議員の財産申告内訳より多いことが確認された。ユン議員の講演料と夫が運営する新聞社の広告料など各種の収入を総合すると、年収は5千万ウォンより多いということだ。検察はユン議員が娘の留学資金程度は個人的に調達する能力があると結論付けた。また、ユン議員が2012年4月に競売で購入した京畿道水原市(スウォンシ)のマンションの資金の出どころについても、検察は「定期預金を解約した金や家族、職員などから借りたことが確認された」とし「(正義連などの)団体の資金がマンション購入に使われたとみられる証拠はなかった」と説明した。
 

 ユン議員の夫が運営する地域メディアに挺対協が集中的に仕事を発注したという疑惑も事実ではないと検察は判断した。挺対協の会報の編集やデザインをユン議員の夫が運営するメディアに任せたのは事実だが、複数の会社のうち最も安いところと契約を交わしていることが分かった。安城(アンソン)憩いの場でユン議員の父親が管理者として登録され、6年間で7580万ウォン(約680万円)の給与を受け取ったことが業務上背任だという疑惑についても、検察は「(ユン議員の)父親が実際に憩いの場の管理者として勤務した事実が確認され、背任などの犯罪は認められない」と明らかにした。
 

 検察は挺対協と正義連が「公益法人会計公示」を国税庁ホームタックスのホームページに登録する際、補助金・寄付金の収入・支出内訳の記入漏れや虚偽に掲載した部分についても不起訴処分とした。先に、保守的メディアは元日本軍慰安婦被害者のイ・ヨンスさんの記者会見直後、会計不正疑惑を立て続けに提起していた。検察は「正常に会計処理がなされており、支出にも特別な問題は発見されなかった」と説明した。国税庁の公示を誤ったのは事実だが、内部の会計記録には問題がなく、支出にも異常がないという結論だ。検察は「国税庁ホームタックスの虚偽公示及び記入漏れに対し、現行法上の処罰規定がない」とし、公益法人の不十分な公示に対する制裁を強化し、法制度の改善を法務部に建議する予定だと明らかにした。
 

チェ・ユンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/962153.html
韓国語原文入力:2020-09-15 02:42
訳C.M

 

目次 

 

 

 

 

 

 




 

07 

慰安婦被害者イ・ヨンスさん「少女像撤去の主張は“悪い行動”であり、歴史の罪人」
登録:2020-09-17 06:14 修正:2020-09-17 07:06

直筆の手紙で「撤去はありえないこと」 
日本極右勢力の主張を強く批判 
新たに発足した菅政権に謝罪求める



今月16日午後12時、ソウル鍾路区旧駐韓日本大使館の近くで開かれた「第1457回日本軍性奴隷制問題の解決に向けた定期水曜集会」でイ・ナヨン正義記憶連帯理事長が発言している=カン・ジェグ記者//ハンギョレ新聞社

 

 「イ・ヨンスの所信として、世界の歴史と人権問題解決の象徴である平和の少女像の撤去を主張することは、絶対にあり得ないことだと思います」
 

 16日正午、ソウル鍾路区(チョンノグ)の旧在韓日本大使館前の平和の少女像の傍では、少女像の撤去に反対する声が響き渡った。同日開かれた「第1457回日本軍性奴隷制問題の解決に向けた定期水曜集会」(水曜集会)では、日本軍「慰安婦」被害者として平和人権運動の先頭に立ってきたイ・ヨンスさん(92)の直筆の手紙が朗読された。日本の極右勢力が正義連の会計不正などに言及し、平和の少女像の撤去を主張したことに対して、イさんが反論したのだ。イさんは手紙で「歴史の証拠である少女像の撤去を主張することは、悪い行動だ。歴史の罪人だ」としたうえで、「少女像は被害者たちの恨(ハン)と悲しみであり、後世教育の心臓」だと強調した。



日本軍「慰安婦」被害者であり、人権運動家のイ・ヨンスさんの直筆のメッセージ=正義記憶連隊提供//ハンギョレ新聞社

 

 同日の水曜集会では、日本の極右勢力に対する批判とともに、首相に就任した菅義偉自民党総裁に対する懸念の声もあがった。正義連のイ・ナヨン理事長は菅首相に対し「安倍前首相ほどの歴史修正主義者ではないが、1965年の韓日請求権協定が韓日内閣の基本だという安倍政権の基調を繰り返す立場を表明した」と指摘した。
 

 さらに、正義連は新たに発足する菅政権が「慰安婦」問題の解決と強制動員問題などの解決に積極的に取り組むことを求めた。イ理事長は「日本軍慰安婦問題だけでなく、強制動員やさまざまな戦争犯罪にきちんと向き合う時、真の平和と共存の道が開かれるだろう」とし、「菅政権が問題の解決に近づこうとする姿を見せることを強く求める」と述べた。正義連は「日本政府は公式の謝罪および法的賠償を行うと共に、未来世代に真実の教育を実施せよ」と主張した。
 

 同日の連帯発言では、検察がユン・ミヒャン共に民主党議員を業務上横領などの疑いで起訴したことに対する批判の声もあがった。日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の柴洋子共同代表は文書を通じて「検察も嫌疑を見つけられなかったと告白したにもかかわらず、こじつけの理由で起訴し、検察の体面を保つために動いているように見える」と指摘した。
 

 一方、同日水曜集会の現場周辺では、自由連帯などの保守団体が対抗集会を開いた。彼らは、ユン・ミヒャン議員の辞任や正義連の解体などを主張した。
 

カン・ジェグ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/962389.html
韓国語原文入力:2020-09-17 02:45
訳H.J

 

目次

 

 

 

 

 

 




 

08 

[社説]菅首相は文大統領の対話の呼びかけに前向きな対応を
登録:2020-09-18 06:09 修正:2020-09-18 07:22


文在寅大統領が今月16日午後、訪韓したテリーザ・メイ元英国首相と大統領府で面会している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が16日、日本の菅義偉首相に就任を祝う書簡を送り、「菅首相の在任期間中、韓日関係のさらなる発展に向けて一緒に努力していきたい」という意向を明らかにしたと、カン・ミンソク大統領府報道官が伝えた。安倍政権時代に悪化した韓日関係を菅首相就任を機に改善する意思を示したのだ。カン報道官は「文大統領は基本的価値と戦略的利益を共有するだけでなく、地理的・文化的に最も近い友人である日本政府といつでも向かい合って対話し、コミュニケーションをとる準備ができており、日本側の前向きな対応を期待している」と説明した。日本に強い親密感と友好の意を示し、対話を通じて両国間の懸案を解決するという考えを強調したのだ。
 

 韓国最高裁(大法院)の強制動員賠償判決に対する安倍政権の報復的輸出規制で、韓日関係は過去最悪の危機に陥っている。文大統領が今回の書簡を通じて菅首相に、安倍前首相の在任期間中に硬直した韓日関係の改善に向けて共に努力しようと提案した意味は大きい。
 

 今度は日本側が応える番だ。16日に発表された菅内閣を見ると、安倍政権の主要人物が全員再登用され、「安倍2.0内閣」と言われるなど、変化を期待するのは難しいことも事実だ。安倍政権のナンバー2だった菅首相は「安倍政権の継承」を強調しており、強制動員被害賠償は韓日請求権協定ですべて解決済みとして、被害者の賠償要求を「国際法違反」と強弁する安倍前首相の主張に同調してきた。菅首相自身が12・28韓日慰安婦合意の締結に主要な役割をしたりもした。しかし、菅首相には、安倍前首相が固執した歴史修正主義と距離を置いた実用主義者の顔もある。安倍前首相の靖国神社参拝に反対したこともあった。菅首相が実用主義リーダーシップを発揮し、就任日に積極的な関係改善のメッセージを送ってきた文大統領の提案に前向きな対応を示すことを期待したい。
 

 今年、韓国で開催予定の韓中日首脳会議が開かれ、文大統領と菅首相の初の首脳会談が実現すれば、両首脳の意志によって重要な変化が生まれることもあり得るだろう。両国いずれも悪化した韓日関係をこれ以上このまま放置する余裕はない。米中新冷戦がもたらした不安な国際情勢や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行、経済危機などの状況で、韓日が力を合わせれば、両国国民に大きく役立つだろう。韓日両国が外交空間を作り、機会を生かすための努力を惜しまないでほしい。
 

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/962477.html
韓国語原文入力:2020-09-17 02:49
訳H.J

 

目次 

 

 

 

 

 

 




 

09 

菅首相、文大統領への返信で「未来志向的な韓日関係を期待する」
登録:2020-09-22 06:41 修正:2020-09-22 07:03


文在寅大統領が今月21日午後、大統領府で第2回国情院・検察・警察改革戦略会議を主宰している/聯合ニュース

 

 大統領府は21日、日本の菅義偉首相が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の就任祝いの書簡に対し「難しい問題を克服し、未来志向的な両国関係を築いていきたい」と返信したと明らかにした。
 

 カン・ミンソク大統領府報道官は同日のブリーフィングで「文大統領が送った書簡に対する菅首相の返信が19日に届いた。菅首相は書簡で、就任を祝う文大統領の書簡に感謝の意を表すると共に、両国が重要な隣国であることを強調し、このように述べた」と伝えた。これに先立ち、文大統領は16日、菅首相に書簡を送り「いつでも向かい合って対話する準備ができている。菅首相の在任期間中、韓日関係をさらに発展させるために一緒に努力していこう」として、日本政府の前向きな対応を求めた。
 

 韓国政府は菅首相の就任を機に悪化した韓日関係を回復したいという強い意志を明らかにしているが、強制動員被害者問題と12・28慰安婦合意の事後処理をめぐる両国の隔たりが大きく、短期間で関係回復に進むのは難しいと見られる。急激な関係改善を期待する代わりに、年内に韓中日首脳会議などを通じて両国関係を再検討する機会を準備することが必要と思われる。
 

ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/963066.html
韓国語原文入力:2020-09-22 02:30
訳H.J

 

目次 

 

 

 

 

 

 




 

10 

[記者手帳]義理を重視する菅首相、なぜ韓国に冷たいのか
登録:2020-09-23 05:13 修正:2020-09-23 07:11


日本の菅義偉首相が20日夜、東京の官邸で取材陣に会い、米国のドナルド・トランプ大統領と初めて電話会談した内容を説明している。彼はトランプ大統領が日米同盟強化に共感し「必要ならば24時間いつでも連絡して欲しい」と語ったと述べた=東京/ロイター・聯合ニュース

 

 「45年前、地縁も血縁もないこの横浜で、政治の世界に飛び込んでたどり着いたのが、小此木先生の事務所でした」
 

 「敬老の日」の21日を迎え、日本の菅義偉首相が訪問した所は、彼の恩人である小此木彦三郎元建設相の墓所だった。菅首相は1975年、小此木元大臣の秘書として11年働いた後、横浜市議会議員を経て、1996年に衆議院進出を果たすことができた。これまでの年月に対する感慨が格別に感じられたのか、緻密で冷たい「仕事の虫」として知られる菅首相にしては珍しく、この日は声が湿っていた。彼は記者団の前で「国民のために『働く内閣』として期待に応えられるよう、頑張りたい」と述べた。
 

 菅首相の16日の就任を機に大統領府は「いつでも向かい合って対話し、コミュニケーションを取る準備ができている。日本側の前向きな反応を期待している」と関係改善に対する期待感をにじませたが、日本政府の反応はぱっとしない。菅首相は20日夜、即席の記者会見を行い、米国のドナルド・トランプ大統領とオーストラリアのスコット・モリソン首相と電話会談を行なったと発表したが、「基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国」である文在寅(ムン・ジェイン)大統領との電話会談はまだ行われないでいる。19日に送った祝いの書簡に対する返信で「難しい問題を克服し、未来志向的な両国関係を築いていきたい」という原則論に言及しただけだった。安倍晋三前首相の政策を継承すると明らかにしてきた菅首相が、韓日関係の改善に乗り出すことにためらっていることを示している。
 

 冷徹な現実論者だが義理と人情を重視する菅首相が、韓国に対し否定的な認識を持つようになった決定的な契機は、日本軍「慰安婦」問題解決のための12・28合意に対する韓国政府の対応だという。菅首相は日本の保守の感情を代弁する月刊誌『文藝春秋』最新号のインタビューで「日韓両政府は2015年末、慰安婦問題の『最終的かつ不可逆な解決』で合意した。韓国側が合意を覆す可能性もゼロではなかった。もっとも、これほど早く関係がおかしくなるとは思わなかった」と述べた。菅首相は特にこの合意の韓国側の責任者だったイ・ビョンギ元駐日韓国大使(元大統領府秘書室長)が、その後多くの困難に見舞われたことに強いショックを受けたという。就任後の忙しい日程にも関わらず時間を割き、小此木氏の墓所を訪れ感慨にふけるように、縁を重要視する菅首相の性格がわかる一面だ。
 

 現在、韓日の間には絡まっている複雑な懸案があまりにも多く、一気に関係改善を試みるのは容易ではない状況だ。そのため、余裕はあるが粘り強い態度で関係改善を試みなければならないとみられる。政府は昨年には8・15談話と大統領特使などを通じて関係改善の誠意を示したが、日本の反応がなかったという理由で、わずか1週間後の22日に韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長中断を宣言した。しかし、わずか3カ月でこの決定を翻さなければならなかった。
 

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/963168.html
韓国語原文入力:2020-09-22 15:46
訳M.S

 

目次 

 

 

 

 

 

 




 

11 

韓-日、中-日間で相次ぐ電話会談予定…韓中日首脳会議は実現するか
登録:2020-09-24 02:19 修正:2020-09-24 16:25

韓国政府、周辺国との関係回復に向け 
習近平訪韓、韓中日首脳会議開催に総力 
 
24日、文大統領と菅首相が電話会談の見込み 
25日は中日首脳が電話会談の見通し 
 
日本も習主席の訪日推進の動き 
韓国との関係改善は先送りにする可能性も



文在寅大統領が23日午前(韓国時間)、米ニューヨークの国連総会議場で開かれた第75回国連総会で、オンラインでの基調演説を行っている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 

 11月の米大統領選挙と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期化に直面し、韓国にとって隣国の中国と日本との首脳外交が緊迫した外交課題として浮上している。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会での演説を通じて改めて強調した終戦協定締結などの「朝鮮半島平和プロセス」の前進のためにも、周辺国との安定した関係の構築は不可欠だ。
 

 政府は、2017年のTHAAD配置と米中「新冷戦」でぎくしゃくしている韓中関係の改善、強制動員被害者への賠償問題などで悪化の一途をたどる韓日関係の回復に向けて全力を尽くしている。このような政府の本音は、先月22日の中国の楊潔チ政治局員の訪韓と、16日の菅義偉首相就任に対する大統領府の発表を見れば明らかだ。大統領府のカン・ミンソク報道官は楊政治局員の訪韓直後、「COVID-19の状況が安定し、条件が整い次第、習近平主席の訪韓を早期に実現させることで(中国と)合意」し、韓国が今年の議長国である「韓中日首脳会議の年内開催の必要性について協議」したと明らかにしている。



菅首相就任後の韓中日関係の流れ//ハンギョレ新聞社

 

 カン報道官はさらに、菅首相の就任を祝う大統領の書簡には「日本といつでもテーブルについて対話し、コミュニケーションを取る準備ができている。日本の積極的な呼応を期待する」との内容が含まれていると伝えた。できれば年内の習主席の訪韓を実現させるために努力するものの、コロナ禍によって事情が思わしくなければ、韓中日首脳会議の機会に李克強首相、菅首相とそれぞれ韓中、韓日首脳会談を開きたいという考えを表明したものだ。大統領府が中国と「合意した」という表現を使ったことから推察すると、中国も同じ立場とみられる。関心を集めるのは日本の対応だ。
 

 日本のメディアは23日、菅首相が24日に文在寅大統領と、25日に習主席とそれぞれ電話会談を行うことで意見を調整していると報じた。大統領府は菅首相との電話会談の日程について、確認できないと述べたが、否定はしなかった。日本政府当局者はメディアのインタビューで「菅首相は(文大統領に)就任あいさつとともに、日本人拉致問題解決のために協力を要請するだろう」とする一方、「徴用工裁判や輸出管理問題などの敏感な問題は扱わないと思われる」と述べた。韓国との関係改善は急がないという本音をほのめかしたかたちだ。


 興味深いのは、中国と日本の電話会談の議題だ。日本のメディアは今回の会談で、中日両国間の対話継続の確認▽COVID-19対策の協力▽4月から延期された習主席の訪日の3つが話し合われると報じた。習主席の訪日は今年上半期の「香港事態」以降、日本の大衆世論が急激に悪化したことで、事実上難しいのではないかとの見通しが支配的だった。しかし、「可能なら推進する」という方向へと日本政府の立場が変わったのだ。日本が難しい韓国外交にはしばらく手を付けず、日米関係を堅固に保ちつつ中国との関係回復を急ぐ「外堀埋め戦略」を取っているのではないかと懸念される。実際に菅首相は日本の月刊誌『文藝春秋』最新号のインタビューで、2015年末の日本軍「慰安婦」合意の経験に言及しつつ、米国を味方に引き入れ、韓国の外交的な身動きの幅を狭める戦略も「時には必要であると感じた」と語っている。


 このような状況の中で最も憂慮されるのは、日本の非協力によって韓中日首脳会議が実現せず、習主席の訪日だけが現実化することだ。そうなれば韓国は、習主席の訪韓を必ず実現させるために必要以上の譲歩を迫られる「外交的危険」にさらされる可能性がある。
 

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/963422.html
韓国語原文入力:2020-09-23 21:19
訳D.K

 

目次 

 

 

 

 

 

 




 

12 

安倍前首相「慰安婦合意で、日本をおとしめようとすることはできなくなった」
登録:2020-09-24 10:19 修正:2020-09-24 12:42

読売新聞のインタビューで明らかに 
「最終的・不可逆的解決、国際社会から高い評価」 
慰安婦問題、外交的レベルの解決を強調



日本の安倍晋三前首相=東京/EPA・聯合ニュース

 

 安倍晋三前首相が2015年12月の日本軍「慰安婦」被害問題の韓日合意に関して「国際社会から高い評価を受けた」、「日本をおとしめようとすることはできなくなった」と語った。「慰安婦」被害者らが当時の合意を批判し、問題解決を要求していることに対して、安倍前首相は日本がこれ以上取り組む理由はないと主張したものと読み取れる。
 

 安倍前首相は23日付の読売新聞のインタビューで、「2015年、(慰安婦問題という)韓国との大きな懸案について最終的かつ不可逆的に解決をする合意をつくり、国際社会から高い評価を受けた」と語った。さらに「今も歴史問題で様々な言論戦が展開されているが、日本をおとしめようとすることはできなくなっていると思う」と強調した。日本軍「慰安婦」被害者の苦痛よりは、外交的レベルですでに解決されたという認識を強調したものとみられる。
 

 安倍前首相の慰安婦合意に関する発言は、2015年8月14日に日本の終戦70年を迎えて発表した「安倍談話」を説明する過程で出たもの。インタビューで安倍前首相は「政治的、外交的な意図で歴史がゆがめられることがあってはならない」とし、「こうした思いに立って(戦後70年の節目に)教訓を胸に刻み、未来に向けてどのような日本をつくりあげるか、世界に向けて談話を発表した」と述べた。そして日本軍「慰安婦」合意問題と米国のバラク・オバマ前大統領の広島訪問(2016年)などについて言及した。安倍前首相は2015年8月の談話で、日本の植民地支配について直接的な謝罪をせず「(戦争を経験していない)日本の子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と述べている。


 「安倍政権を継承する」としている菅義偉首相も最近、月刊誌『文藝春秋』(10月号)への寄稿で、「(慰安婦合意後に)日韓関係がこのように急速におかしくなるとは考えられなかったが、日本と韓国のどちらがゴールポストを動かしたかは『証人』の米国もよく知っているだろう」と述べた。
 

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/963327.html
韓国語原文入力:2020-09-24 02:16
訳C.M

 

目次 

 

 

 

 

 

 




 

13 

「慰安婦」被害者支援、正義連ではなく政府が直接することに
登録:2020-09-25 20:28 修正:2020-09-26 08:52

下半期補助金2億ウォンは予定通り支給


5月15日午後、ソウル市麻浦区の正義記憶連帯事務室の前に出入りを統制するポリスラインが設置されている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 

 女性家族部が正義記憶連帯(正義連)に民間委託した日本軍「慰安婦」被害者支援事業を、国家主導に改編することにした。ただし法律検討の結果、今年下半期の2億ウォン(約1800万円)の補助金は予定通り正義連に支給する計画だ。

 

 女性家族部のファン・ユンジョン権益増進局長は25日「安定的で信頼性のある日本軍被害者支援事業推進のために、民間中心の事業遂行体系を来年からは政府中心に全面改編する」と明らかにした。女性家族部は、被害者に対し個別型の医療・住居・日常生活支援業務を遂行する人材として4人程度置くことを検討中だ。これとは別に、地域別専門担当公務員を指定し、定期的に被害者を訪問する個人事例管理も実施すると明らかにした。
 

 ファン局長は「(被害者が)何人も残っていないため、(民間委託でなく)政府主導で支援して、保護を強化すべきという国会や専門家の意見を受け入れた」として、各種事業を「直接遂行したり、地方自治体を通じて遂行方法など具体的な方案はさらに検討が必要だ」と説明した。


 正義連に対し今年下半期に交付予定だった補助金約2億600万ウォンは、予定通り支給される。これは、検察によりユン・ミヒャン議員と韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の職員が共謀して2014年から今年4月までに6250万ウォンの補助金を不正受領したと判断され裁判に付されたが、正義連の不正受領などに対する疑惑は不起訴処分になった点が考慮された。


 ファン局長は「今年の健康治療および個別型支援事業は、検察の起訴内容に含まれなかった事業」だとし、「多角的に法律を検討した結果、補助金管理法上の補助金交付決定取消要件には該当しないため、事業の取り消しはできないとの結論が出た」と話した。ファン局長は「被害者の生活の安定のためには、正義連の残余事業を遂行することが避けられない」という話も付け加えた。
 

 代わりに女性家族部は正義連に対し、「健康治療および個別支援事業管理タスクフォース(TF)」を構成させる方針だ。また、下半期の補助金を一度に交付せず、前月の使用内訳を検討した後に適切ならば1カ月分ずつ追加する分割交付を実施すると明らかにした。タスクフォースの公務員と被害者間に常時連絡体系を構築し、不安を減らすようにする計画でもある。裁判に付された挺対協に対しては、釈明を要請し、補助金交付の取消方案を検討している。
 

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/women/963680.html
韓国語原文入力:2020-09-25 16:39
訳J.S

 

目次 

 

 

 

 

 

 




 

14

ドイツの公共場所に初の少女像建設「性暴力被害者の勇気を象徴」
登録:2020-09-30 06:34 修正:2020-09-30 06:58

独逸と韓国の人市民団体の連帯が実り 
ヤジディ族人権活動家「日本軍被害者だけの象徴ではない」 
日本の官房長官「撤去に向けて関係者にアプローチする」 



今月28日(現地時間)、ドイツのベルリン市で行われた平和の少女像の除幕式で、ヤジディ族の人権活動家、ヌジアン・グィナイさんが少女像の手を握っている=ナム・ウンジュ通信員//ハンギョレ新聞社

 

 「平和の少女像(少女像)は、性暴力被害者の勇気と正義に対する象徴だ。その闘いは、今日も閉じ込められている3000人のヤジディ族女性への支援へとつながるべきだ」(ベレーナ・フランケ、「一つになった世界のための再分配財団」女性分科代表)
 

 「少女像が世界各地に設置されなければならない理由は、コンゴやアフガニスタン、シリア、ミャンマーで現在も行われている戦時性暴力に目を向けさせるためだ」(インジャ・エシェバフ元ラーベンスブルク市ナチス強制収容所記念館長)
 

  28日(現地時間)、ドイツのベルリン市で開かれた「平和の少女像」除幕式で、世界の戦時性暴力被害地域が次々と呼ばれた。少女像の建設を主導したドイツ・韓国の団体「コリア協議会」や建設に力を貸したベルリン在住の日本人女性たちの会である「ベルリン女の会」のメンバーたち、ドイツ地域の文化運動団体、スーダンの女性人権団体、咸興(ハムフン)地域の障害者たちを後援する「zusammen(共に)咸興」など、様々な女性人権運動活動家たちは除幕式で、現在世界中で行われている国家の性暴力を暴露し、解決を求めた。
 

 同日、最も多く呼ばれたのはイラク北部の少数民族ヤジディ族の女性たちだ。ヤジディ族人権活動家のヌジアン・グィナイさん(40)は「韓国から来た少女像はヤジディ女性たちの姿そのもの」だと述べ、拍手を受けた。ベルリン・ヤジディ女性協会を作ったグィナイさんはハンギョレのインタビューで、「2014年にイスラム国(IS)によるヤジディ族人種抹殺攻撃の後、多くの女性が性暴力の犠牲者になった。まだ3000人は行方不明の状態だ。彼らの大半は女性だ」と実態を伝えた。グィナイさんは「女性は自らを組織しなければならない。少女像は過去アジア地域で日本軍によって被害を受けた女性たちの象徴であるだけでなく、世界的な連帯で危機に瀕した他の女性たちを救わなければならないというシグナル」だと、繰り返し訴えた。



今月28日(現地時間)、ドイツのベルリン市で行われた平和の少女像の除幕式で、ドイツの女性団体「クラージュ」(勇気)のメンバーらが少女像の横で記念撮影をしている=ナム・ウンジュ通信員//ハンギョレ新聞社

 

 ドイツでは、少女像の建設・撤去を巡る戦いは常に現在進行形だ。ヴィーゼント市に建てられた「ヨーロッパ第1号」の少女像は碑文が撤去され、ラベンスブリュック記念館の小さな少女像が撤去されるなど、少女像の建設の度に日本政府の抗議が強かった。にもかかわらず、今回再びベルリン市ミッテ区の公共敷地に少女像が建てられたのは、地域団体と女性団体が連帯の意に共感したためと言える。ドイツで公共場所に少女像が建てられたのは今回が初めて。
 

 同日、連帯のメッセージを発表した「メディカ・モンディアル」の政治・広報担当のサラ・プレムベルクさん(40)は、なぜ韓国の少女像がドイツに建てられなければならないかという質問に対し、「日本軍慰安婦問題は、国家主義や女性の身体に対する統制、民族浄化(エスニック・クレンジング)などの形を変えて絶えず起きている国家による性暴力の一例だ。少女像は文化的記念物ではなく、世界各地で行われている戦時性被害の証拠であるため」と説明した。
 

 「メディカ・モンディアル」は、性暴力被害者に対する医療・心理・法支援のために1993年にドイツのケルンに設立された女性人権団体だ。サラ・プレムベルクさんはまた、「韓国だけでなく、第二次世界大戦当時、欧州でも多くの女性たちが性奴隷として連れていかれた。ドイツは戦犯国家として戦時性暴力被害者に対する責任を想起するため、少女像を建てる必要がある」という考えを明らかにした。
 

 ベルリンの少女像建設のために日本軍慰安婦問題対策協議会とコリア協議会で力を貸した日本人たちもいた。コリア協議会のメンバーとして活動するイシヤマ・ユミコさん(46)は「最初は日本軍慰安婦がいたという事実を認めるのが最もつらかった。ドイツでは具体的にナチスについて教え、多くの映像と戦争遺産で歴史を想起させる。日本も主導的に歴史を記憶することができたのではないかと思う。日本に住んでいる時はこう考える機会さえ持てなかったことに怒りを覚える」と話した。
 

 一方、日本政府は今回のベルリン少女像も撤去を求める考えを示した。加藤勝信官房長官は29日の定例記者会見で、今回の少女像についても「極めて残念だ。撤去に向けて様々な関係者にアプローチし、我が国の立場を説明する」と述べた。
 

ベルリン/ナム・ウンジュ通信員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/964075.html
韓国語原文入力:2020-09-30 02:42
訳H.J

 

目次 

 

 

 


 

 

 



 

end