【〇○婦問題】2020.04 (h) | ぺる Ⅱのブログ

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続・チラシの裏書き

 

 

 

目次 

 

2020

01(04/02)「博士」検挙されても「自分が本物」…性搾取物を500人のバックアップルームで共有

02(04/07)デジタル性犯罪、逮捕率2%…「男の人生を台無しにはできないといって不起訴に」
03(04/13)既成世代の性文化が教室で日常化…「性搾取はすでに学校にあった」

04(04/18)2人に1人は初当選…既成政治を破る「覇気の政治」展開できるか

05(04/21)児童性搾取サイト運営のS受刑者、米国に引き渡しか
06(04/23)日本の弁護士ら、韓国裁判所に「慰安婦に対する日本政府の責任問うてほしい」

07(04/24)性犯罪の厳罰化導いた女性界「法務部の前向きな変化が決定的」

08(04/24)第2のハウンが生まれないように…性売買の罠にはまった10代を“被害者”として保護

09(04/27)米国、児童の性搾取物所持だけでも「懲役10年」、比べて韓国は…

10(04/30)京畿道、基地村女性の生活安定を支援

 

 

 

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01 

「博士」検挙されても「自分が本物」…性搾取物を500人のバックアップルームで共有
登録:2020-04-02 08:54 修正:2020-04-02 11:45

「自分が本物の博士」と主張する人物も登場 
犯罪専門家「反社会的行為も自分たちは犯罪ではないと思っている」



558人が登録している「博士高額ルーム全バックアップルーム」などのキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 

 「博士」ことチョ・ジュビン容疑者(24)と共犯の「太平洋」こと少年A(16)が検挙されたが、彼らが「博士ルーム」などで共有していた数万本の性搾取映像は誰かにバックアップされ、依然としてテレグラムの「n番ルーム」で共有されていることが確認された。また、チョ容疑者の検挙後、「自分が本物の博士」だと主張してバックアップしておいた博士の資料をもとに博士のふりをする者まで登場した。
 

 1日までのハンギョレの取材を総合すると、この日現在、チョ容疑者が高額の有料ルームで配布していた性搾取物資料をバックアップしたという「博士高額ルーム全バックアップルーム」には558人、少年Aが配布した資料を再配布する「サンプルです、有料ルームの極強資料は○○ルーム」には560人が入場している。博士のバックアップルームに入場した人々は「ここが博士の資料のあるルームなのか」「有料資料はこれで全部か」などの質問を残し、警察の捜査は気にもとめず、性搾取物の共有を要求した。「永遠に破られない『博士チタン避難ルーム』があると聞いたが、それはどこなのか」と尋ねる者もいた。太平洋ルームにはチョ容疑者が高額なルームに誘導するため、いわゆる「お試し」として流した資料や知人の陵辱画像、一般人の違法撮影映像などが再配布されていた。
 

 一方、チョ容疑者が使っていたハンドルネーム「アーティスト博士」(artistbaksa)をそのまま使ったり、博士の後ろに数字を付けたハンドルネームなどを開設して「博士問い合わせルーム」を開設し、「高額ルームの入場料50万ウォン、博士の資料30万ウォン」などで入場券と性搾取物を販売するというアカウントも出てきたことが分かった。このハンドルネームを使う人物は博士の話し方を真似し、博士の販売方式もそのまま踏襲している。彼らは博士ルームで流布されていた性搾取資料をダウンロードして所蔵していた人々と推定される。
 

 犯罪専門家は彼らの行動を反社会的だと指摘した。国内プロファイラー第1号であるクォン・イリョン元警察庁犯罪行動分析チーム長は「性搾取映像を再流布する人々は性搾取行為自体を犯罪と思わず、自分たちだけの観念の中にいるようだ」とし、「社会的非難が起きている中でも依然として反社会的行為をするのは、自分たちの思考からこの行為は犯罪ではないと分離していること」だと説明した。ソウル地方警察庁はこうした行為について「重大な犯罪であり、最後まで追跡し厳正に司法処理する方針」と明らかにした。
 

キム・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/935214.html
韓国語原文入力:2020-04-01 17:04
訳C.M

 

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02 

デジタル性犯罪、逮捕率2%…「男の人生を台無しにはできないといって不起訴に」

登録:2020-04-07 09:28 修正:2020-04-07 14:04

 

[2018年犯罪統計、分析してみると] 
捜査段階で被害者に示談促す 
7年前より起訴率がかえって減少 
裁判所はあまりに軽い処罰…72%が罰金刑、懲役刑5.3%のみ 
 
[デジタル性犯罪者10人中3人のみ起訴] 
「被害者と示談すれば条件付き起訴猶予か不起訴処分」 
「捜査機関・裁判所の問題意識が 
被害者の深刻な苦痛に追いついていない」



ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 

デジタル性犯罪の逮捕率は2%にも満たず
 

 司法機関のデジタル性犯罪に対する消極的な処罰が、テレグラムの性搾取などが蔓延した原因という批判が出ている中、デジタル性犯罪を犯しても実際に起訴されて法廷に立たされるケースは10人に3人程度であることが分かった。また、デジタル性犯罪者のうち逮捕され捜査を受けた人は100人のうちたったの2人程度だった。
 

 ハンギョレが6日、警察庁が毎年発行する「犯罪統計」を分析した結果、デジタル性犯罪の起訴率は年々減少していることが分かった。2013年には53.6%ほどの犯罪者が起訴されて法廷に立ったが、2014年43.7%、2015年31.2%、2016年32.2%、2017年34.8%と毎年少しずつ下がっている。5大凶悪犯罪(殺人、強盗、放火、暴行・傷害、性犯罪)の起訴率が2018年基準で48.2%に達するという点を考慮すれば、起訴権を持つ検察が相対的にデジタル性犯罪を深刻な犯罪として見ていないことが分かる。
 

 被疑者が逮捕される場合も非常に少ないことが分かった。2018年にデジタル性犯罪を犯して検挙されたのは1万1746人にのぼるが、このうち逮捕されたのは271人と2.3%に過ぎなかった。通信媒体などを利用したデジタル性犯罪を犯して検挙された人は1582人で、このうち逮捕されたのはわずか9人で、逮捕率は0.6%に過ぎなかった。99.4%にのぼる1573人は逮捕せず捜査(在宅捜査あるいは書類送検)を受けた。違法撮影犯罪は再犯率も高かった。検挙されたデジタル性犯罪者のうち、違法撮影の場合5回以上関連犯罪を犯した人の割合が31.2%にも達した。
 

10人中8人は300万ウォン以下の罰金刑
 

 ようやく起訴されても、裁判所で甘い処罰で終わるケースが多かった。起訴された被告のうち71.9%は罰金刑に処される。執行猶予や宣告猶予を受ける割合は22.2%にものぼる。懲役刑は5.3%に過ぎなかった。罰金刑を言い渡された10人のうち8人(79.97%)は300万ウォン(約26万4千円)以下と処罰が弱かった。このため、捜査機関が被害者に捜査の段階から「300万ウォンで示談せよ」と促したりもする。デジタル性犯罪者にインタビューしたある国選弁護人は「被告人が捜査段階で被害者と示談すれば、ほとんどが条件付き起訴猶予や不起訴処分を受けることになる。違法撮影の性犯罪で処罰されると20年間にわたり個人情報が公開されるため、『一度の写真撮影で男の人生を台無しにするわけにはいかない』として起訴しないケースもあった」と述べた。
 

 テレグラム性搾取被害者の法律支援に乗り出した韓国女性弁護士会人権理事のソ・ヘジン弁護士は、「デジタル性暴力は一生回復しがたい大きな苦痛を与える重い犯罪だが、捜査機関と司法機関の問題意識はこれに追いついていない」とし、「デジタル性犯罪が裁判まで進められないケースは、加害者を特定できなかったり証拠が足りないためだが、積極的な捜査でこれを改善する必要がある」と述べた。テレグラム性搾取共同対策委員会の活動家のイ・ハヨン氏も「物理的暴力が発生していない違法撮影などに対しては、捜査機関や裁判所が被害の程度を小さく見ている」とし、「違法撮影物が再生産される犯罪の特性上、被害者の苦痛は物理的暴行よりもっと深刻でありうる。こうした法感情を受け入れることのできる捜査機関の内部チャンネルを設けることも必要だ」と述べた。
 

キム・ワン、オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/935913.html
韓国語原文入力:2020-04-07 08:35
訳C.M

 

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03 

既成世代の性文化が教室で日常化…「性搾取はすでに学校にあった」
登録:2020-04-13 09:00 修正:2020-04-13 17:54

青少年5人が語る「n番ルーム事件」と解決策 
既成世代が作った男性連帯文化、女性の純潔を強要する社会を作り 
男性の性犯罪は「失敗」と考え、女性の逸脱は「性の乱れ」と非難 
「親に言うぞ」という加害者の脅迫…家庭が「しつけ集団」に転落したという証拠 
性認知の感受性・性別ヘイトまで扱った包括的な性教育の討論場を設置すべき



青少年フェミニズム団体「ウィティ」などのサポートで集まった5人の男女の青少年たち。左からユンダル(活動名・16・女) チョン・ジウォン(18・女) チェ・ヘソン(18・男) キム・ジョンヒョン(仮名・18・男) トウン(活動名・17・女)//ハンギョレ新聞社

 

 「n番ルーム事件」をはじめ、韓国社会の怒りを買ったテレグラムの性搾取犯罪の主な標的は、青少年を含む20歳前後の女性だった。被害者らの人生を破綻させる驚愕の犯罪を犯した主要共犯の中にも、まだ20歳未満の青少年が数人含まれており、さらにショックを与えた。また、他のセキュリティメッセンジャーの「ディスコード」で性搾取ルームを運営したり、性搾取物を流布して警察に捕まった10人のうち8人も青少年だった。
 

 既成世代(旧世代。いまの社会の中核を担う世代も含む)の一部は、n番ルーム事件に対し「最近の10代は怖い」と言う。10代の青少年たちの考えは違った。青少年たちは「既成世代に蔓延した男性連帯と強姦文化(女性に対する性暴力を合理化する文化)が教室でも日常化して起こった結果」だと口をそろえた。ハンギョレは9~12日、青少年フェミニズム団体「ウィティ」などのサポートで5人の男女の青少年に深層インタビューを行い、n番ルーム事件の原因と解決策について聞いてみた。
 

 青少年たちは何よりも「既成世代が問題の原因を提供しておいて『非行青少年の問題』と線引きしている」と怒りをあらわにした。10代の男性の性犯罪は旺盛な好奇心から始まった“失敗”と考え、10代の女性の「逸脱」は“性の乱れ”と非難する風土は既成世代の遺産であり、このような教育と文化がn番ルーム事件を生んだというのが、彼らの説明だ。女性青少年のチョン・ジウォンさん(18)は「10代の女性青少年を性的に対象化しながら、女性青少年が性に関して言うとわいせつさや性の乱れと規定する社会の雰囲気がある」と指摘した。男性青少年のキム・ジョンヒョンさん(仮名、18)は「教室で男子が同年代の女子生徒の写真を見ながら性的な発言をした場合、これを不快だというと『高潔な奴』とからかわれる。その時、同調して黙認する雰囲気が男子を性犯罪に対して鈍感にさせる」と話した。青少年たちはかびの生えた方式の性教育を覆さない限り、多くの「n番ルームの同調者」が絶えないと口をそろえて言う。
 

■「親に言うぞ」はどのようにして脅迫になったのか
 

 「純真無垢さ、純潔さ、何も知らない、そして『娘みたい』。女性青少年にはいつもこのような修飾語が付きまといます。そこから少しでも外れると『非行青少年』になるんです」。女性青少年のユンダル(活動名・16)はこう指摘した。「被害者は絶対に通報できないだろう」というテレグラム性搾取加害者の盲信はここから始まるというのが、彼らによる説明だ。ハンギョレのインタビューに応えた青少年たちは、その背景に「10代が性について語ることをタブー視する文化」の定着があると見ている。特に、韓国社会が女性青少年にかぶせる「純潔」と「性的対象」という二重のイメージは、女性青少年が脅迫されても周りに助けを求めることを難しくさせた。
 

 テレグラム性犯罪被害者のうちの一部は、露出写真などを掲載したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「逸脱」アカウントを運営していた。青少年フェミニズム団体のウィティは「性を欲望する女性青少年には、匿名性を借りて自分をさらけ出す『逸脱』だけが許された」と説明した。そのような被害者たちに「お前の親に知らせる」というn番ルームの犯罪者らの脅迫が与えた影響は強力だった。「女性青少年が性的欲望を表わしたり話すのは間違っているという考えのせいで、犯罪被害に遭っても助けを求めることができなかったのだろう」という説明だ。約20年前、性的暴行を受けた10代の青少年の映像が「赤いマフラー」という名前で流布した時から、韓国社会は女性青少年の性搾取物を「犯罪物」として断罪せず、「わいせつ物」として消費してきた。犯罪被害にあっても青少年たちが口を開けないのはそのためだ。
 

 家庭が保護よりも統制としつけの空間である点も、青少年たちの被害の届け出を妨げたと彼らは説明した。チョン・ジウォンさんは「まず警察に知らせて捜査を要請するためには、親に同行してもらわなければならない。そのため捜査機関の支援を受けることが青少年には遠く、難しいこと」だとし、「両親など親権者に知らせなくても捜査を進められるようにし、届け出のハードルを下げてほしい」と話した。男性青少年のチェ・ヘソンさん(18)は「親に知らせるという言葉が脅迫になってしまったのは、家庭が青少年の意思を無視してしつけのための集団に転落したという意味」だと指摘した。



//ハンギョレ新聞社

 

■既成世代に学んだ「男性連帯」「強姦文化」を踏襲する教室
 

 青少年にとっては、教室も暴力を内面化する空間だった。教室では性的欲望を思う存分噴出させる部類がある一方、覆い隠す部類がある。5人の青少年は、これを分ける基準が性別だと指摘した。今年高校生になったユンダルは、中学校2年生の授業時間に映画を見た経験を思い出した。「授業時間に映画を見ていたとき、女性の主人公2人が走る場面が出ると、後ろにいた男子たちが大声で下ネタを言ったんです。私もいろんなことを考えるけれど、男子たちだけにこうした発言が許されている」
 

 性に関して話すことが男性には認められ、女性にはタブーになる背景には、男女を生物学的に分ける論理が隠れている。「男の子はもともと意地悪だ」という論理は、教室でも日常化している。ユンダルは「テレグラム性搾取ルームのチャットを見たが、まったく驚きはなかった。普段教室でも聞くような内容だったから。先生も『男の子たちはまだ子どもだからそうなんだよ』といって聞き流していた」と話した。「結局、先生たちが容認した発言がn番ルームで暴力として現れたもの」という鋭い指摘だ。
 

 「グループトークのセクハラ」、「外見の品評」、「違法撮影物」など男性の連帯を基盤にした性犯罪は、「先生違法撮影」、「同級生違法撮影」、「母親隠し撮り」という名前ですでに教室でも流行って久しい。ウィティのヤン・ジヘ代表は「n番ルーム事件は、女性の外見の品評や違法撮影物のコンテンツが行き交うグループトーク文化と全く無関係ではない。n番ルーム事件が既存の男性権力とは全く関係がないかのように『最近の子どもは実に困ったものだ』などと言っている場合ではない。こうした構造から断ち切って変えていかなければならない」と指摘した。チェ・ヘソンさんも「日常で向き合う女性ヘイト文化を解決できなかった既成世代に責任がある」と指摘した。チェさんは「男性が女性だけでなく弱者を搾取できる強者と考え“男らしさ”をさらけ出すことが男性連帯の核心だが、これは10代だけの問題ではなく、男性全体の問題だ」と話した。
 

■「自分の体を守る」にとどまる性教育、ヘイトと性認知の感受性も教えるべき
 

 青少年たちは「性教育の正常化」が第2のn番ルーム事件を防ぐための出発点だと指摘した。「自分の体は自分で守らなければならない」という伝統的な性教育は、女性ヘイトと強姦文化に基づいた最近の性犯罪予防には何の役にも立たない。むしろ性犯罪を同年代の文化の中の権力関係や遊び程度に考えさせる結果だけを生んだ。女性青少年のトウンさん(活動名・17)は「性教育をするとき、いまだに男子生徒には欲望をどう解消するかを教え、女性には性器は大事な部分なのでむやみに触れられないよう守らなければならないと言う。性教育をする時、女性に関する話が出れば男子はげらげら笑うだけ」とし、「新しい女性主義的観点が含まれた性教育が必要だ」と語った。男性青少年のキム・ジョンヒョンさんも「n番ルーム事件以降、『子どもたちを守らなきゃ』という声ばかり出るのが残念だった。学校内で自分が受けた性教育も『自分の身を守らなければならない』というレベルで止まっているため」とし、「またこの問題をめぐり青少年を性から隔離、保護しなければならないという声が高く、解決策が見えないと思った」と話した。
 

 彼らは性認知の感受性と性別ヘイトまで人権教育をともに扱う包括的な性教育を解決策として提示した。公教育という場で、10代たちが真剣に性を討論する場を設けなければならないということだ。チェ・ヘソンさんは「女性ヘイト、性犯罪問題に関し、学校だけでなく社会でも論議を避けてもみ消してきた。いまや学校が、それが間違っているということを聞き分けるまで言い続けなければならないとき」だと述べた。
 

オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/936747.html
韓国語原文入力:2020-04-13 07:49
訳C.M

 

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04 

2人に1人は初当選…既成政治を破る「覇気の政治」展開できるか

登録:2020-04-18 08:41 修正:2020-04-19 20:43

 

第21代国会議員300人のうち151人 
民主党、初当選68人のうち大統領府出身が多く 
市民党比例のクォン・インスク、ユン・ミヒャン… 
女性差別・性暴力関連の活躍に期待 

統合党、キム・ウン、キム・イェジの新しい風に注目 
正義党ではリュ・ホジョンの「20代の挑戦」



汝矣島の全経連ビルから眺めた国会本会議場の夜景=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社


 第21代国会に新たに加わった初当選議員は151人で、全議員の50%を超えた。初当選の割合が50%を超えたのは、2004年に任期が始まった第17代国会(62.5%)以来だ。初当選議員が大幅に増えたことで、国会運営や各政党の政治文化にも変化の風が吹くかが注目される。


各党の初当選議員の割合//ハンギョレ新聞社

 

 韓国の政治では、初当選議員は党内の既得権政治に対する苦言を惜しまず改革を導くなど、政界に新しい機運をもたらす原動力として作用してきた。初当選議員らが主流勢力だけを見て党の方針に順応する行動隊員の役割で終わるなら、党の躍動性もその分落ちざるを得ない。
 

 ハンギョレが中央選挙管理委員会の選挙結果資料を分析した結果、今回の総選挙で民主党は68人、未来統合党は40人の初当選議員を出したことが分かった。共に民主党の初当選者の面々を見ると、まず文在寅(ムン・ジェイン)政府の大統領府出身が68人のうち16人(23.5%)に上る。大統領府首席級は計3人で、チョン・テホ、ユン・ヨンチャン、イ・ヨンソン当選者がその主人公だ。この他にも、文在寅大統領の腹心と呼ばれたユン・ゴニョン前国政企画状況室長や、大統領の口の役割を果たしたコ・ミンジョン前報道官など、大統領府秘書官級も5人にもなる。行政官出身の当選者は8人だ。



ソウル広津乙で当選したコ・ミンジョンさんが16日、ソウル広津区ノルンサン市場で住民に感謝を伝えている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 

 捜査権調整過程で政府・与党と歩調を合わせてきた警察出身も目立つ。イム・ホソン元警察庁次長、ファン・ウンハ元大田(テジョン)警察庁長官などがそのケースだ。このほか、いわゆる「チョ・グク白書」の執筆陣に名を連ねたキム・ナムグク弁護士や法務部・検察改革委員会に参加したキム・ヨンミン弁護士などは「チョ・グク・キッズ」に分類される人物だ。
 

 チョ・オソプ、イ・ヨンビン、ムン・ジンソク当選者などは文在寅大統領直属の国家均衡発展委員会で活動し、イ・ヒョンソク当選者は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代、大統領府社会調整3秘書官を務めた。このように大統領府や与党主流の直接・間接的な影響力と後光の中にある当選者の面々のため、初当選らしい声が出るかどうかは未知数だ。
 

 1986年に起きた富川(プチョン)署での性的拷問事件の被害者であり、その後韓国性暴力相談所付設の性暴力研究所「ウルリム(響き)」の初代所長を務め、女性運動に邁進してきたクォン・インスク当選者と、長い間水曜集会を主催し「日本軍慰安婦」問題を提起してきた正義記憶連帯代表出身のユン・ミヒャン当選者は、女性差別と性暴力問題解決などを積極的に推進すると見られる。



キム・ウン前部長検事が新しい保守党の入党行事であいさつしている//ハンギョレ新聞社


 未来統合党の場合、保守色が濃い慶尚道地域で当選者の大部分が輩出されており、党の主流と「一つ身」のように動くという観測が出ている。ただ、『検事内戦』の著者で正しい未来党に入党したキム・ウン当選者が司法改革に関して新しい機運を生み出せるかどうかは注目に値する。キム氏は17日、SBS放送の「イ・ジェイクの政治ショー」に出演し、「かつて野党だった新民党が復活できたのも、実は『40代旗手論』や整風運動などが起き、党が変わったからだ」と語った。未来韓国党では、独立運動家の尹奉吉(ユン・ボンギル)の孫娘であるユン・ジュギョン当選者、視覚障害者ピアニストのキム・イェジ当選者などが注目される。


正義党の比例代表名簿1番リュ・ホジョン青年共同選挙対策委員長が11日、国会で開かれた新型コロナ民生危機克服選挙対策委員会の発足式で発言している//ハンギョレ新聞社

 

 正義党の場合、民主労総化繊食品労組幹部出身で今回の選挙で最年少で当選したリュ・ホジョン当選者が、若い女性労働者をきちんと代弁できるかも関心事だ。
 

 時代精神研究所のオム・ギョンヨン所長はハンギョレの電話取材に「与党の場合、初当選議員の相当数が今回の文在寅大統領の後光に直接・間接的な影響を受けて当選した。初当選が自分の声を上げることは容易ではなさそうだ。慶尚道地域の当選者がほとんどである統合党は全体的に保守化し、新しい声が出ない可能性が高いと思う」と述べた。
 

チョン・ファンボン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/937568.html
韓国語原文入力:2020-04-18 02:33
訳C.M

 

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05 

児童性搾取サイト運営のS受刑者、米国に引き渡しか
登録:2020-04-21 01:38 修正:2020-04-21 07:15

裁判所、性犯罪者引き渡し拘束令状発行 
27日刑期満了…直ちに引き渡される模様



ソウル鍾路警察署前で先月25日、「博士」ことチョ・ジュビン容疑者らテレグラム性搾取犯罪者に対する厳しい処罰を求める市民たちがプラカードを掲げている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 

 裁判所は、世界最大の児童性搾取サイト「ウェルカム・トゥー・ビデオ」を運営していたS受刑者(24)に対し、犯罪者引き渡し拘束令状を交付した。
 

 ソウル高等裁判所は20日、ソウル高等検察庁が請求していたS受刑者の犯罪者引渡し拘束令状を交付した。法務部は昨年4月、米連邦司法省からS受刑者に対する犯罪者引渡し要請を受け、関連協議を進めてきた。法務部は「米国の引き渡し要請の対象となっている犯罪のうち、『国際マネーロンダリング』部分が国内裁判所の有罪判決と重複しないと判断し、16日にソウル高等検察庁に引き渡し審査請求命令を下した」と明らかにした。
 

 ソウル高検は今月末、S受刑者の引き渡し拘束令状を執行して身柄を確保した後、ソウル高裁に犯罪者引き渡し審査を請求する予定だ。S受刑者の引き渡しの可否はソウル高裁の審査を経た後、法務部長官が最終的に決定することになる。
 

 S受刑者は2015年6月から2018年3月まで、いわゆる「ダークウェブ」で世界最大の児童・青少年性搾取サイト「ウェルカム・トゥー・ビデオ」を運営していた。調査の結果、S受刑者は世界の4000人あまりの有料利用者に性的搾取映像を提供し、37万ドル(約4億ウォン)にのぼる仮想通貨を手にしたことが分かっている。この中には生後6カ月の乳児が登場する映像もあるという。
 

 韓国、米国、英国の政府は2017年からの国際捜査協力により、S受刑者を含め12カ国にいる利用者373人を逮捕した。S受刑者は昨年5月、控訴審で1年6カ月の実刑判決を受け、今月27日に刑期を終えて出所する予定だった。しかし、ソウル高裁が犯罪者引き渡し令状を発行したことで、S受刑者は出所できないまま、直ちに米国へ引き渡される可能性が高くなった。
 

イム・ジェウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/941234.html
韓国語原文入力:2020-04-20 17:29
訳D.K

 

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06 

日本の弁護士ら、韓国裁判所に「慰安婦に対する日本政府の責任問うてほしい」
登録:2020-04-23 07:02 修正:2020-04-23 11:49

慰安婦被害者損害賠償訴訟に意見書 
「日本の司法手続きでは請求を事実上封鎖 
韓国の判断が責任を問える最後の手段」 
日本政府の「主権免除」主張に反論 
日本の裁判所における組織的敗訴判決について指摘



2019年11月、日本軍慰安婦被害者のイ・ヨンス(左端)さんがソウル瑞草区の民主社会のための弁護士会(民弁)事務室で、日本政府に対する損害賠償請求訴訟の初弁論期日を迎え、記者会見で発言している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 

 韓国の慰安婦被害者たちが日本政府を相手取り韓国の裁判所で起こした損害賠償請求訴訟で、日本の弁護士たちが「韓国国内での訴訟だけが日本から被害を賠償される最後の法的手段」であることを訴える意見書を提出し、訴訟を後押しした。彼らは「韓国の裁判所は他国を相手に裁判できる権利はない」として訴訟却下を主張する日本政府を真っ向から批判した。
 

 日本弁護士連合会所属の山本晴太弁護士と戸塚悦朗弁護士は最近、キル・ウォノクさんら慰安婦被害者と遺族が日本政府を相手取って起こした訴訟を審理中のソウル中央地裁民事15部(裁判長ユ・ソクドン)に意見書を提出した。ハンギョレが22日に入手した意見書によると、彼らは日本の裁判所と政府が、被害者が日本の司法体系で責任を問う方法を遮断しているため、韓国の裁判所での判断が日本の法的責任を認められる“最後の手段”だと強調した。


 日本政府は他国の裁判所の判決で自国の法的責任を強制できないという「主権免除」を掲げ、韓国で提起された訴訟に対応していない。2016年12月に初めて訴訟が起こされたが、日本政府の訴状送達の拒否で裁判は3年近く停止しており、日本外務省は主権免除の原則に基づいて訴訟を却下すべきだという立場を伝えた。最高裁事務総局の公示送達の決定で、昨年11月には初の裁判が開かれ、裁判部は慰安婦被害者側に「主権免除理論を克服できる主張を用意するよう」と求めた。裁判部が求めた日本政府の主張に対する反論を、日本の弁護士たちが意見書を通じて示したのだ。
 

 彼らは意見書を通じて、韓国での裁判権を否定する日本が、自国内で提起された戦後補償裁判に対しても組織的に賠償責任を避けてきたと指摘した。戸塚弁護士は、日本の最高裁判所の独立した両裁判部が2007年の中国人慰安婦事件と西松建設の中国人強制徴用事件で被害者らにそれぞれ敗訴判決を下した際、判決文に明記された理由がかなり一致していると指摘した。彼は「中国人慰安婦判決の全文16項目のうち、西松事件と文章が同じところが12項目にのぼる」とし、「(これは)最高裁判所の方針がどこかで決定され、裁判部はそれに基づいて事務処理を行うだけであることを示している」と指摘した。実際、両裁判部は戦争被害者の賠償請求権はすべて連合国と日本が結んだ「サンフランシスコ平和条約の枠組み」の中で解決済みだとし、被害者個人が裁判上の請求権を行使できないと説示した。このような判断はその後、被害者たちの賠償を受ける道を塞ぐ論理として確立され、すべての裁判の敗訴根拠として使われた。
 

 山本弁護士はこれについて「最高裁がこれ以上戦後補償裁判を認めないという目的意識を持って判決を下した」と分析した。彼は最高裁調査官だった瀬木比呂志の著書『絶望の裁判所』も引用し、「東京地裁で行われた中国人被害者戦後補償裁判で、裁判長らが秘密裏に会合を持ち、却下または棄却を前提にして審理を進める案を議論したものと推定される」と伝えた。そして、「韓国の慰安婦被害者が日本で同じ訴訟を起こせば、敗訴するのは確実だ。日本の現在の司法手続きで外国人の戦争・植民地被害者の請求が認められる余地がなく、被害者の裁判請求権も剥奪された点は、韓国の法廷で日本の主権免除主張を認めるかどうかを判断するうえで必ず考慮されなければならない」と強調した。
 

 2016年から被害者の代理を務めてきたイ・サンヒ弁護士は、「裁判の過程で被害者が積極的に要求するのは、単なる金銭的賠償を超え、日本が過ちを認め、謝罪することだ。日本政府の(前向きな)態度を導くためにも裁判を行う」と説明した。
 

 韓国の裁判所が日本の主権免除という主張を受け入れず、日本の賠償責任を認めれば、慰安婦被害者たちは韓国内にある日本の財産を強制執行する権利を持つようになる。5月20日に開かれる裁判では、主権免除理論関連の弁論が続く予定だ。その後、証人尋問や被害者の法廷陳述などを経て、9月~10月中に判決が言い渡されるとみられる。一方、24日にはイ・オクソンさんら被害者と遺族が提起したもう一つの日本政府に対する損害賠償請求訴訟の初裁判が開かれる。
 

チャン・イェジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/941648.html
韓国語原文入力:2020-04-23 05:00
訳H.J

 

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07 

性犯罪の厳罰化導いた女性界「法務部の前向きな変化が決定的」
登録:2020-04-24 06:35 修正:2020-04-28 14:40

韓国政府、23日に「デジタル性犯罪根絶対策」を発表 
女性界「一歩踏み込んだ対策 
国会は早く法案成立に応じるべき」 
成人被害者の保護対策の不備を指摘 
共対委「性的搾取物の視聴に処罰すべき」



2018年12月4日午前、ソウル永登浦区汝矣島国会正門前で女性団体及び青少年支援団体の会員らが児童・青少年の性保護に関する法律の改正を促す記者会見を行っている//ハンギョレ新聞社

 

 韓国政府が23日、厳罰化や需要の遮断、インターネット事業者の責任強化策まで広範囲に及ぶデジタル性犯罪根絶対策を打ち出したことに対し、女性界は歓迎しつつも「国会が早く法案成立に応じるべき」として、速やかな法制化を求めた。「性売買対象児童・青少年規定」の削除に向けた女性界の要求を政府が受け入れるまで、7年という至難な時間がかかったため、来月で任期満了となる第20代国会で必ず議決すべきという考えだ。女性界は性搾取物の視聴行為の処罰と成人被害者の保護対策も補完すべきだと明らかにした。
 

 女性界は同日の対策が一歩踏み込んだものだと評価した。代表的なのが、性売買対象の児童・青少年規定の削除だ。この条項が盛り込まれた「児童・青少年の性保護に関する法律」(児青法)の改正は2013年に始まったが、いつも国会の壁を越えることができなかった。2018年には同条項を削除した改正案が国会女性家族委員会で可決されたにもかかわらず、法務部が「対象児童・青少年の保護処分を廃止するほかに代案はないのか十分な検討が必要だ」という意見を固守し、法制司法委員会で議論さえ行われなかった。このため、364の女性・市民団体は昨年1月、「児青法改正案共同対策委員会」を立ち上げ、法務部などの説得に乗り出した。
 

 十代女性人権センターのチョ・ジンギョン代表は「今回の対策が可能になった背景には法務部の前向きな立場の変化があった」とし、「これまでホームページやファックスなどを通じて長官との面会を求め、それがだめなら実務者でも会わせてくれと何度も要請したにもかかわらず、まったく応じなかった法務部の態度が、9日にチュ・ミエ長官と初めて面談したときには完全に変わっていた」と説明した。
 

 性搾取物の所持や購入、広告行為まで処罰するなど、需要の遮断に焦点を合わせた点も、デジタル性犯罪の核心を反映したと評価されている。韓国サイバー性暴力対応センターのソ・スンヒ代表は「性搾取物の需要を遮断することが再流布行為も減らし、被害者を保護するのに最も重要だ」とし、「今回、成人対象の性搾取物を所持した場合の処罰条項を新設した点が目を引く」と述べた。
 

 ただし、性的搾取物の視聴行為の処罰条項がない点や成人被害者の保護案が不十分な点は補完しなければならないと、女性界は口をそろえた。「テレグラム性搾取共同対策委員会」は同日、論評を発表し、「購買や視聴、ダウンロードを通じて性搾取ピラミッド構造を作っている多くの人にも法的措置を例外なく適用しなければならない。性搾取物の視聴や購入も処罰すべきだ」と主張した。また、(テレグラム性搾取物事件の)「博士ルーム」の被害者の80%が20代以上であることが確認されるなど、デジタル性犯罪の被害が全年代にわたって発生していることから、児童・青少年に限らず被害者保護対策が必要だと強調した。
 

パク・ダヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/women/941815.html
韓国語原文入力:2020-04-24 02:42
訳H.J

 

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08 

第2のハウンが生まれないように…性売買の罠にはまった10代を“被害者”として保護
登録:2020-04-24 06:37 修正:2020-04-27 09:58

韓国政府、23日に「デジタル性犯罪根絶対策」を発表 
児童・青少年の保護は徹底的に 
家出など切迫した状況での売春は 
処罰から保護政策に切り替える 
「オンライン・グルーミング」の処罰条項も新設 
 
擬制強姦罪の成立年齢、13歳から16歳未満に 
同意・見返りの有無に関係なく処罰



2019年9月4日午後、ソウル麻浦区青年文化空間JU東橋洞で開かれた「危機青少年教育センター政策討論会」で、出席者らが「児童青少年対象性搾取予防と先制的保護措置のための法制改善案」に関する発表を聞いている/聯合ニュース

 

 韓国政府が23日に発表した「デジタル性犯罪根絶対策」には、性売買対象の児童や青少年を“被害者”と規定し、オンライン・グルーミングの処罰条項を新設するなど、児童・青少年保護を大幅に強化する案が盛り込まれた。「ハウン(仮名)事件」のように、性的暴行を受けたにも関わらず、法体系の不備で保護を受けるどころか、むしろ性犯罪扱いされてきたことを防げるかどうか、注目が集まっている。
 

 政府は同日、性売買の対象になった児童・青少年を、自発的に売春した被疑者として扱う現行の条項を変えると発表した。彼らを“被害者"に変更し、処罰ではなく保護する方向に政策を転換するというのが核心だ。現行の「児童青少年性保護法」(児青保護法)は、性売買の対象になった児童や青少年を少年院に監置するなど保護処分の対象と定めているが、未成年者を売春に至らせる構造的問題には目を背けているという批判を受けてきた。国家人権委員会が2016年、梨花女子大学ジェンダー法学研究所に依頼して実施した「児童・青少年性売買の環境及び人権実態調査」の結果によると、19歳未満の回答者の61%が「家出後、住居や雇用、経済問題など切迫した状況で売春に足を踏み入れた」と答えた。また、2014年から2018年まで実際に保護処分を下した事件はわずか6件に過ぎず、事実上死文化しているにも関わらず、現実では加害者がこの処罰条項を悪用して被害者を脅迫したり、搾取することも繰り返されてきた。
 

 メッセンジャーアプリなどを通じて親しくなり、被害者が同意したかのように見せかけて性的搾取を行う「オンライン・グルーミング」を処罰するという内容も注目に値する。児童や青少年に対する性犯罪はオンライン・グルーミングから始まり、性的動画や写真を要求して、その流布を脅迫することで直接対面や性的暴行につながるケースが多いが、政府はこうした一連の段階をすべて処罰する方針を明らかにした。特に、被害者の性的な画像と個人情報を流布すると脅迫することは、デジタル性犯罪構成の核心要素であるにもかかわらず、現行の性暴力処罰法の処罰対象ではなかったが、その法的根拠を設けるということだ。
 

 ただし、オンライン・グルーミングなどを具体的にどう規定するかという課題が残る。韓国サイバー性暴力対応センターのソ・スンヒ代表は、「特にオンライン・グルーミングは非常に多様な方法で行われており、その概念をいかに規定するかが重要だ。特定の行為を列挙するよりは、包括的に条文を構成しなければならない」と述べた。米国は現在、性犯罪を目的に電子機器を利用して16歳以下の児童に関する情報をやり取りすることを禁じている。
 

 政府はまた、未成年者の擬制強姦罪(法定強姦)の基準年齢を13歳未満から16歳未満に引き上げ、保護対象を拡大した。擬制強姦罪は、当事者の同意や見返りの支給にかかわらず、彼らと行った性行為を強姦と同じく見なし、処罰することだ。現在、日本を除き、英国や米国などは擬制強姦の適用年齢を16~18歳未満と規定している。対象児童・青少年条項の削除、オンライン・グルーミング処罰、擬制強姦年齢の引き上げは、いずれも国連児童権利委員会が昨年韓国政府に勧告した事項でもある。
 

 女性・児童界は今回の対策に関連した立法が完了すれば、第2の「ハウン事件」のようなことが繰り返されないものと期待を寄せている。知的障害児童青少年のハウンさんは2014年、13歳の時、家出から1週間後に成人男性6人に性的暴行を受けたが、性売買事件として捜査を受け、性売買児童・青少年に分類され、被害者として保護・支援を受けることができなかった。擬制強姦罪も成立せず、犯罪過程で加害者のグルーミング要素も全く考慮されなかった。「タクティンネイル」のイ・ヒョンスク代表は「今回の対策が施行されればオンライン・グルーミングなど犯罪者の摘発と処罰が容易になり、児童・青少年対象の性犯罪を抑制する効果があると思う」と述べた。
 

パク・ダヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/women/941814.html
韓国語原文入力:2020-04-24 02:42
訳H.J

 

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09 

米国、児童の性搾取物所持だけでも「懲役10年」、比べて韓国は…

登録:2020-03-27 09:07 修正:2020-03-27 14:36

 

英国・ドイツは単純所持でも懲役3年 
「n番ルーム」会員ら、「罰金刑」で終わる可能性を懸念し 
「児童・青少年法改正で量刑を引き上げるべき」世論高まる



米国 児童の性搾取物に関する犯人の量刑(名前、事由、量刑の順、資料:米法務省ホームページ)//ハンギョレ新聞社

 

 テレグラムの「n番ルーム」などに加入し、未成年者を含む女性たちの性を搾取した事件に加担した会員を厳罰すべきとの世論が強まる中、「児童・青少年の性保護に関する法律」を改正し量刑を厳しくすべきだという主張が出ている。性搾取物の製作を主導した「博士ルーム」運営者のチョ・ジュビン容疑者(24)は、児童性搾取物の製作容疑が認められれば無期懲役になるが、性搾取物を製作したり再配布していない会員は性搾取物の所持が認められても1年以下の懲役または2千万ウォン以下の罰金刑になる。
 

 実際、過去1年間「ダークウェブ」(接続のために特定のプログラムを使用しなければならないウェブ)で児童・青少年の性搾取物をダウンロードしたり配布した9つの事件の判決を見ると、映像所持の場合は8件中7件が罰金刑に止まり、残りの1件も執行猶予にとどまった。ダークウェブで児童・青少年性搾取物を配布するサイト「ウェルカムトゥビデオ」を運営したソン受刑者(24)も昨年5月の控訴審で懲役1年6カ月刑が確定し、来月出所する予定だ。
 

 このため児童・青少年性犯罪を治める国内法が外国に比べて量刑が軽いという指摘は常に出ていた。米国は児童・青少年性搾取物を製作すれば初犯でも懲役15~30年の刑が言い渡され、再犯は最大50年、累犯は終身刑まで宣告されることもある。さらに、児童性搾取物の所持はもとより、接近の試みそのものに対しても厳しく処罰している。単純所持や視聴を目的に接近するだけでも最大10年以下の懲役刑を言い渡される。
 

 米法務省が昨年10月、ダークウェブ児童の性搾取物犯罪に関して配布した資料によると、被疑者の大半が重刑を宣告されている。米テキサス州のリチャード・ニコライ・グラッカウスキー(40)は児童の性搾取物を見るために1回接続しこれをダウンロードした疑いで懲役5年10カ月に「義務仮釈放」10年を言い渡された。義務仮釈放は一種の保護観察制度だ。米ワシントンDCに住むニコラス・ステンゲル(45)も、児童の性的搾取物をダウンロードし、仮想通貨でマネーロンダリングをした疑いで懲役15年刑と生涯にわたる義務仮釈放を宣告された。
 

 英国でも「検死官および刑事司法」により禁止されている児童の性搾取物を所持した場合、最大3年の実刑に処する。英米の法体系では複数の罪を犯した場合、合算が可能であるため、児童・青少年性搾取物の共有など22件の容疑が認められ、懲役合計22年の刑を言い渡されたケースもある。ドイツも児童の性搾取物を所持するだけでも3年以下の懲役と罰金刑で処罰している。
 

 「民主社会のための弁護士会」女性委員会のオ・ソンヒ弁護士は「児童の性搾取物の所持を懲役1年以下で処罰するということ自体が、刑法で当該犯罪を軽く見ているという意味だ。当該犯罪の深刻性を考慮して3年以下の懲役または5年以下の懲役刑に法を改正する必要がある」と話した。
 

チョン・グァンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/934422.html
韓国語原文入力:2020-03-27 02:46
訳C.M

 

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京畿道、基地村女性の生活安定を支援
登録:2020-04-30 03:11 修正:2020-04-30 07:07


基地村女性人権連帯や京畿女性連帯などの京畿道地域の女性団体が29日午後2時、京畿道議会のブリーフィングルームで、基地村女性支援条例の成立を歓迎する記者会見を開いている=ホン・ヨンドク記者//ハンギョレ新聞社

 

 全国で初めて、在韓米軍基地周辺の「基地村女性」(基地村は米軍基地周辺に作られたサービス業中心の集落のこと)の生活の安定などを支援する条例が制定された。ソウル高裁は基地村女性の人権のじゅうりんに対する国の責任を認めたが、国家が手をこまねいている間に、京畿道議会では7年の歳月を経て条例が可決された。
 

 京畿道議会は29日に開かれた本会議で、キム・ジョンチャン議員(共に民主党、安養2)が代表発議した「京畿道基地村女性支援等に関する条例案」を可決した。
 

 基地村女性支援条例案は、2014年以降3回にわたって京畿道議会に発議されたが、これまで京畿道の反対で実現してこなかった。今回、4回目の発議でようやく可決した。
 

 本条例の成立により、社会的烙印や生活苦に苦しんでいた基地村の女性に対して、地方政府が生活の安定に向けた援助や福祉支援を行えるようになった。本条例は基地村女性の生活の安定などのため、賃貸保証金の援助および賃貸住宅の優先供給などの住居に対する特典付与▽生活安定支援金の支給▽医療給与や葬式費用の支給、看病人支援などのための行政・財政的支援を京畿道が行うよう規定している。
 

 支援対象は1945年9月8日の米軍の韓国駐屯から2004年9月23日の「性売買斡旋等行為の処罰に関する法律」施行までの間に、道内の在韓米軍部隊周辺の基地村で働いていた女性だ。京畿道は道内の基地村女性を350人あまりと推定している。
 

 条例案を代表発議したキム・ジョンチャン議員は「基地村の女性たちのほとんどは70~80代の高齢であるうえ、健康問題と生活苦に苦しみながら何とか暮らしている状況で、これ以上遅れる前にせめて最小限の支援ができるようにするためのもの」と述べた。
 

 京畿道も条例が道議会で可決されたことを受け、真相究明と被害者の支援に取り組むことにした。イ・ジェミョン知事は最近、自らのフェイスブックで「従軍慰安婦とともに、大韓民国で最大規模の女性人権侵害である基地村女性に対する調査と支援は、被害者救済はもちろん、今後も起こり得る女性に対する別の人権侵害を防ぐ道」と述べ、歓迎の意を示した。



米軍部隊周辺の基地村の女性たちに政府が発給した(性病)検診証=中央大学のイ・ナヨン教授の発表資料//ハンギョレ新聞社

 

 この条例は、中央政府が手をこまねいている間に地方議会が取り組み、全国で初めて基地村の女性たちの人権侵害に伴う被害に対する支援を可能にしたということで意味が大きい。
 

 ソウル高裁は2018年2月8日、基地村出身の女性117人が国を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、「大韓民国には、軍事同盟と外貨獲得のため米軍基地村を運営・管理し、性売買を積極的に正当化したり助長したりした責任がある」とし、原告に300万~700万ウォン(約26万2000~61万1000円)の慰謝料とその利子を支給せよとの判決を下している。
 

 当時の裁判所の判断は、米軍基地村における性売買に対する国の責任を初めて認めたものだったが、現在も最高裁で係争中だ。
 

 基地村の女性を支援してきた平沢(ピョンテク)へッサル福祉会のウ・スンドク院長は「国は基地村を造成し、そこで働く女性たちのことを愛国者だ、歳を取れば支援すると言っていたのに、何もしていない。ソウル高裁でも国家責任を認めたのに、国も依然として手をこまねいている。京畿道が基地村の女性を支援すれば、(最高裁の決定に)肯定的な影響を与えるのではないかと期待している」と述べた。
 

 一方、基地村女性人権連帯や京畿女性連帯などの京畿道地域の女性団体は同日午後2時、京畿道議会のブリーフィングルームで記者会見を開き、「ユン・グミ事件(1992年、東豆川市の基地村のバー従業員女性が米兵に惨殺された事件)で触発された基地村女性の人権問題は、実に長い歳月を経て、本日、京畿道の条例という形でひとつの節目を迎えた」と述べた。そして「今回の条例を契機として、第19、20代国会で立法を推進するも霧散した基地村性売買女性問題の真相究明と支援特別法の第21代国会での成立とともに、平沢、議政府(ウィジョンブ)、東豆川(トンドゥチョン)など米軍基地村所在地へ同様の条例が広がっていくことを期待する」と語った。
 

ホン・ヨンドク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/942504.html
韓国語原文入力:2020-04-29 14:38
訳D.K

 

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