【2回目】ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒 (4K HDR版) | ヤンジージャンプ・フェスティバル

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2023年明けましたね。

 

そんな折、ブログの下書きをチェックしていましたら、なんと2021年に観た映画の感想すら書けていないじゃないですか!

というわけで、今回は2021年6月(!)に観に行ったこちらの作品の感想文。

 

2021年のガメラ55周年プロジェクトの一環でリマスターされて再上映された作品だったのですが、同じシリーズの「ガメラ 大怪獣空中決戦(→僕の感想はこちら)」や「ガメラ2 レギオン襲来(→僕の感想はコチラ)」のリマスター版は本当に素晴らしかったですし、「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒(→僕の感想はコチラ)」もすでに観に行っていったんだけれども、途中でちょっぴりウトウトしちゃったりもしたんで、もう一度観に行くことにしたのでした

 

 

【あらすじ】 

大映による特撮怪獣映画「大怪獣ガメラ」を復活させた「平成ガメラ」3部作の第3作。

「ガメラが人類の敵だったら」というテーマのもと、ガメラとギャオスの戦闘による被害で両親を失った少女を主人公に、人口が密集する大都会に怪獣が出現することによる災害を真正面から描いた。ガメラとギャオスの戦闘で両親を失ったことでガメラを憎んでいる少女・比良坂綾奈は、ある洞窟で謎の生物を発見し、「イリス」と名付けてかわいがっていた。一方、東京に2匹のギャオスが飛来し、ガメラがこれを撃退するものの甚大な被害が出たことから、政府はギャオス以上にガメラを危険視するようになる。やがて、綾奈のかわいがっていたイリスがギャオスの変異体であることが判明し……。

監督は平成ガメラ3部作ですべてでメガホンをとった金子修介。特技監督も同様に前2作から引き続き樋口真嗣が務め、当時の最新技術を駆使し、日常の風景が奪われていく惨事を徹底した描写で描いた。

2021年4月「ガメラ55周年記念プロジェクト」の一環として、4Dデジタル復元した「4K HDR版」が全国のドルビーシネマで期間限定上映。

(映画.comより)

 

さっきも書きましたが、1回目の鑑賞時(→僕の感想はコチラ)には疲れていたからなのか、ちょっぴり寝落ちしてしまって後悔しつつ、そのウトウトが自分のせいだったのか作品のせいだったのかということを確かめたかったところもあったのですが、もうこれは明らかに自分の責任でしたね。

 

怪獣の登場する特撮作品は古今東西、何作品もあるわけですが、この作品は明らかにそのトップ10に入る素晴らしい作品だな・・・と改めて痛感したのでした。

 

平成ガメラ3部作は、これまでの怪獣映画では見て見ぬふりをしていたポイント。

例えば、怪獣が現れた瞬間に目撃者がその怪獣の名前を知っている件とか、怪獣が現れた瞬間に無条件に攻撃を加える自衛隊とか、そもそもヤツラは何のために現れたのかという疑問、などといったポイントをしっかりと納得のいく形で表現してくれたというところが画期的だったと思うのですが、本作「ガメラ3」を語る上で最も重要なポイントは、怪獣やヒーローたちが街中で戦った時にはどういう悲劇が起こるのか。そして、それに巻き込まれた人はどう感じるのかというタブーに真正面から向かい合ったというところにあるのではないかと思います。

 

そこを語るとなると、本来では登場人物や観客が応援すべきヒーロー(本作ではガメラ)が悪役ということになってしまって、観客はどこに感情移入すればいいかが判らずにモヤっとする・・・という現象が起こりそうなものですが、本作でのガメラの位置付けは絶妙だよなぁと痛感。

 

ガメラのせいで両親を失ったことからガメラを憎む綾奈と、それと対照的にガメラと心を通わす浅黄や長峰とを配することで、人間とガメラとの微妙な関係を表現していると思いますし、ラストで綾奈とガメラとの和解を描くことで、観ている我々の気持ちも救われるよなぁ・・・といったところ。

おそらく、スタッフのみなさんはこのバランスを取るのにそうとう苦心されたんじゃないかな。

奇跡的と言っても決して過言ではない、そんな絶妙なバランスだと思います。

 

というわけで、平成ガメラ三部作。

本当に素晴らしかったです!

 

「日本の特撮なんてwww」という偏見から、このシリーズを観ていない映画ファンもたくさんいそうですが、そういう人にこそ観てもらいたい、そんな作品です!

(2021年6月6日 T-ジョイ横浜にて鑑賞)