King Crimson「Live in Toronto」がすごい! | ヤンジージャンプ・フェスティバル

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昨年12月の来日公演の興奮も・・・冷めてはきているものの、未だにi-Podとかでかかると、ついついあの時の興奮と感動が蘇ってくる・・・という程度には盛り上がっている、我がキング・クリムゾン・フィーバー!

そんな熱を盛り上げるがごとく、その時のワールドツアーのカナダ公演を完全収録したライブ音源が発売!!

こちらは、キング・クリムゾンの創始者であり、メンバーのロバート・フリップ氏が主宰するレーベル「Discipline Global Mobile」からのリリース。

クリムゾンのライブ音源は、良いものも悪いものも含めて、恐ろしい数の海賊版が流通されていて、そんな中からギャンブル的に音源を購入するのは本当に骨の折れることだったので、こうしてメンバー自身がレーベルまでつくって、高音質な公式海賊盤をリリースしてくれる・・・というのは本当にありがたいこと。

限られた情報を元に中古CD屋を回って、当たりかハズレか、ビクビクしながら海賊盤CDを買い続けていた、20代のころの自分にとっては、夢のような時代になったものだなぁ・・・とつくづく感じます。

と、昔話はさておいて、
今回リリースされたライブ盤について簡単に解説いたしましょう。

キング・クリムゾンは「The Elements of King Crimson」と題して、2014年9月から全61本のワールドツアーを実施したのですが、そのツアーというのがクリムゾンが過去のライブでは封印し続けてきた初期~中期の楽曲を次々と、しかもトリプル・ドラムの編成で披露している・・・という、ファンにとっては奇跡的なもの。

で、今回のライブ盤は、そのツアーの後半戦。
46公演目のカナダ公演の全17曲を、開始前のアナウンス(ロバート・フリップ本人によるもの)から、アンコール終了まで完全収録したもの。

僕自身、ツアー開始から54本目の東京公演に行って来て、その演奏の完成度の高さと、トリプルドラムが時に理知的に、時に暴力的に絡み合う中、メル・コリンズのサックスが縦横無尽に駆け回る・・・という脅威のアンサンブルに、すっかり感情を揺さぶられて帰ってきたわけでしたが、この音源を聴くと、あの夜の記憶が蘇ってくる・・・といった感じ。

というか、こうして後からじっくり聴いてもこんなにすごいんだから、会場で生で聴いた時はもっとすごいことになっていたんだろうなぁ。
あの日から4か月経って、あれがどんなにすごい体験だったのかを改めて実感しているところです。


しかし、こうして改めて聴きなおしてみると、彼らが「クリムゾン・クラシックス」を、懐古主義ではない、2010年代型のクリムゾン・ナンバーとしてどうやって復活させるか・・・ということにどれだけ腐心したかが、改めて判ったような気がします。

おそらくそれができなければ、今回のツアーはなかったのだろうし、このメンバーならばそれができる・・・と踏んだからこそ、今回のツアーが企画されたんだろうなぁ。

バンド黎明期から、新しい音楽を追求し続け、常に「プログレッシブ=前衛的」なロックバンドであり続けてきたキング・クリムゾンが、ある意味「完成系」を見せつけた。
そんな奇跡の瞬間が記録された、素晴らしいライブ音源だと思います。

Live in Toronto/Discipline Global

¥2,369
Amazon.co.jp

もし可能ならばこのツアーの全音源を発売してくれないかなぁ。
そうしたら、自分が観に行った時の音源も買うんだけども・・・・・。

というわけで、2015年の日本公演を観に行った人も、観に行けなかった人も、全クリムゾン・ファン必携のライブ・アルバムです!