観音から観音まで鎌倉見仏ツアー 2009春:最終回「最終観音突破」 | ヤンジージャンプ・フェスティバル

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基本はシュミ日記です。
…遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん…
  

洞窟を抜けて、バスで町へと戻る、僕ら見仏パーティ。


天気予報で「午後には上がる」と予言されていた雨は、一向に止む気配はなく、むしろ激しくなる一方。




お互いに無言で窓の外の雨降りを眺める、僕ら。






「雨もいいが、一日続くと、退屈で、退屈で…、ふぁーあ、ならねぇ」




ってな具合に空いちまったココロのスキマに、後部座席を占拠した、女子中学生グループの会話が飛び込んでくる…。






『ってかさあ、別に可愛いからってモテるわけじゃないんだよ』




『えー、そうかなー』




『だって、xxxなんて、別に可愛くないじゃん?普通じゃん?でも、男子からは人気じゃん。』




『ああ、いえてるー』




『やっぱ、大事なのは中身なんだよ。あの子、性格チョー可愛いじゃん?』




『あー、そうかもねー。』




『でも、むずかしいよね?見た目可愛くなるのは頑張ればできるけど…』




『うん。むずかしいよねー……』




『…ねー。』








………………………………がんばれ!女学生!








………………さあ、すっかり俗っぽい気分になったところで…


いざ、次の見仏スポットへ!








◆最後の目的地「大船観音」


~足なんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです






さて、次の目的地は大船観音。


この観音像は大船駅前にある山の中腹から「にゅ~」と顔を出している観音様。


東海道線や、横須賀線の車窓からも見えるこの光景は、一度観たら二度と忘れられないインパクトであります。






大船駅から観音様までの急な坂道を、雨に打たれながら足早に進む、僕ら。




半ばヤケクソ気味で、こんな会話を交わします。








『なんだかフィギュアみたいだなぁ。絶対に目からビーム出すね。』




「ああ。有事の際には『熊谷ロボ(註:大学時代の友人が創造したロボ。熊谷の気温を計測するのが主たる任務…らしい)』と合体しますね…絶対!」




『これが連邦の白いヤツか!?ガンダム…なんて。』




「エスさん。そんな風にガンダム扱いしたら、観音さまも怒りますよー。」




『そっか。』




ザクシャアザクとは違うのだよ。ザクとはっ!ザクとは違う男グフ…って…」




『なんだよ。観音さん、ガンダム大好きなんじゃんw』




「うはははーwww」






……などと、不謹慎極まりない会話をしながら、歩く僕ら。






ところで、僕がなぜこんなにハシャイでいるのか…というと……。










      …怖さを紛らすためです……




    


何を隠そう「大きくて、人のかたちをしていて、ヌーっとしてるもの」が苦手な僕。




そんなわけなので、この観音さんは昔から怖くて仕方がない…。




最近はさすがに慣れてきたものの、以前は電車で大船駅付近を通過するたびに固く眼を閉じて、観音さんの姿を見ないようにしていた…という時期もあったのです。






そんな観音さんを、今日は拝観しようとしている…。


我ながら、その勇気ある行動に乾杯したい気分であります。




拝観料を払って、いよいよ観音さんのそばへ…。


まずは立て看板で、観音さんの建立された経緯などを読む。




なるほど、世相浄化の目的のために建立されて、今は曹洞宗の包括下にある…のか…。


大変失礼ながら、観光スポットとして誰かが建てたのかしら…くらいにしか思っていなかったので、ちょっと反省。


ついでに、怖いからって、ガンダム扱いしちゃったことも反省。




さあ、気持ちを入れ替えて、さっそく先へ進みます……。












喫茶『やんじぃ』-ママ観音-090506_1604~01.jpg






………………………で………出たぁ~~~~~~~。




階段の上から、こちらを見下ろしている観音さん…。


やっぱり、背中が「ぞわっ」とします。






しばらく、その場でじっとして、慣れてきたころにようやく階段を上ります。


一段上るたびに、観音さんの姿がぐんぐん大きくなっていきます。


そのうち立ち上がるのではないか…とヒヤヒヤします……。




もちろん立ち上がることはなく、無事に到着。


背中から、観音さんの胎内へと入ります。






胎内は思いのほか手狭な感じ。


コンクリート打ちっぱなしの室内には、観音さんへのメッセージを記入できるノートの置かれた机、小さな木製の観音さんの像(これが意外といい感じ)を祀った祭壇、そして布製の長椅子。




お寺というよりも、教会に近いような、静謐な雰囲気。


大雨のせいか、僕らの他には誰もおらず、不謹慎ながらつい長椅子にゴロリ。




なんとも安らかな気分。




そのまま、しばらくゴロゴロした後で、観音さんに別れを告げて、雨の中を大船駅へ…。




さっきまでは「でかい、怖い、白い」というイメージだった観音さん。




今では、その優しげな表情に、ぐっと親しみを感じるのだから、また不思議なものです。










というわけで、この後は横浜駅の居酒屋へ移動して、反省会。


またの名を、吞み会。


歩き疲れた身体に、ビールがジュワーっと沁み込んでゆく感じ。






「いやー、雨で大変だったし、いろいろありましたけど「(水月)観音に始まって、(大船)観音で終わる」っていう構成は、バッチリだったんじゃないっすかね。まあ、大きさとか……いろいろ違いましたけど…。」




『うん。…でも後半はすっかり、「タモリ倶楽部」だったね…。』














…………………………たしかに……………………。








まあ、いいじゃない。


楽しかったんだから……。






結局、その後3時間近く反省会は続き…。


いつかまたリベンジをしようぞ…と、決意を新たにする二人なのでありました。