覚園寺から鎌倉駅に戻り、江ノ電に乗り込む。
GWの真っ最中とはいうものの、やはり天候のせいからか、車内の混雑はほどほど…といったところ。
しばらく行くと、窓の外には一面の海が広がるのだが、今日のこの曇天では、海面と空との境界線の区別がつかない…。
その光景はどことなく非日常的で「千と千尋の神隠し」に登場する、海の上を走る電車に乗っているかのような気分。
しかしながら、オレの頭の中には
「♪江ノ島が見えてきーた オレの家も近いー(勝手にシンドバッド)」
とか
「♪烏帽子岩が遠くに見えるー(チャコの海岸物語)」
とか
「♪四六時中も好きーと言ってぇー(真夏の果実)」
と、そんな感じで「サザンオールスターズ・メドレー」がグルグルとリピート。
はっきり言って、僕ぁサザンのファンではないのだけれど、やはり「湘南=サザン」ってのは日本人の心に刻み込まれているのだね…などと、変なところで感心しているうちに、江ノ島駅へ到着。
海岸方面へと向かうアベックや、家族連れをかきわけ、彼らとは違う方向へ…と曲がっていくと、そこには湘南モノレールの江ノ島駅。
湘南というイメージには似つかわしくない、まるで流行から取り残された温泉地のような、枯れた雰囲気。
「これに乗るためだけに、ここへやってくることもある。」
という、エス氏とは対照的に、この乗り物に乗るのは初めてなオレ。
エス氏の解説によると、このモノレールは全国でも数少なくなった「懸垂式のモノレール」とのこと。
なんだか良く分からないながらも、エス氏の後を追って、プラットフォームへ…。
…と、そこには、まるで遊園地のアトラクションのような、シルバーと赤のウルトラマンカラーのモノレール!
興奮して乗り込むオレに向かって、
「これは結構、ダイナミックな運転をするんだよね。ほぼジェットコースター…」
と、説明してくれるエス氏…。
あの…。
僕…。
ジェットコースター苦手なんですけど…。
そんな不安を表に出すまい…としているうちに、モノレール出発…。
うわー。
電車とも、バスとも、羽田のモノレールとも違う、この感覚…。
なんていうか、柱時計の振子に間違えて掴まってしまったような…自分が線香花火にでもなってしまったかのような、不思議な感覚…。
しかも、思いのほかスピードが出るもんで、気分はまさにジェットコースター…。
はっきりいって、怖くて仕方ないのだけれど、やけにテンションの上がってくるこの不思議な感覚…。
これはあれだね。
まるで「千と千尋の神隠し」で、白い龍(註:ハク)に乗って魔女の家から、こっちの世界に戻ってくる千尋の気分…って感じさね。
そんな異常なテンションのまま、あっという間に大船駅へ到着。
ここからバスに乗って、次の目的地へと向かいます…。