「FAKE」 | PEROの映画狂人日記

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町山智浩様を神と崇め、ライムスター宇多丸先生を師とするサブカル重症腐女子がヒマつぶしで見ていた映画の数が年に200本を超えて来たので、
これだけ見てるゾという自慢と自己顕示欲を満足させる為だけの映画日記ですがよかったら暇つぶしに。








「FAKE」

言わずと知れたゴーストライター騒動の佐村河内守のドキュメンタリー。
監督は15年ぶりの映像作品を待ってた人多数の森達也!
そんな映画見たいに決まってる!
でも都内ではユーロスペースでの公開のみ。やっぱり混んでいるとtwitterで見たので、月曜日の初回の11:30の回に行ったけれど30分前でもけっこうな人。7割の入りで盛り上がる期待感。

あの騒動以降、佐村河内さんは何をしていたのか?

テレビ出演への二本の打診、アメリカからの取材、森監督とのやりとりと、奥様の手話から見える誰も知らない佐村河内さん。
そこから見えてくるのは、耳が聞こえるのかという私の中にある穿った目線と、ゴーストライター騒動の曖昧さと、猫の可愛さと、数々の美味しそうなケーキたちと、夫婦愛。


テレビで新垣さんの謝罪会見を見て以来、彼らの音楽を聴いたことも無いままに彼らのエキセントリックな人柄を強調した報道を楽しんで食い尽くした、私を含めた全ての人へ。
佐村河内、ベッキー、ショーンKなど無条件で叩ける相手が出て来た時に、人は思考停止し、想像力を失い、集団で厳罰を叫ぶ。その姿はまるで一気に独裁へと進んだドイツのように。
何も考えられ無い、本物の白痴にならないために。白と黒の間にはグレーがあるということを改めて知るために見るべき映画。

エクソネモのセンボーくんにオウムが好きになっちゃうよと「A」を勧められて見て以来の森監督ファン。
「FAKE」は森監督作品の中でも珍しい分かりやすい過剰演出だと思う。特に猫‼︎
真面目なラストに感動させられるも最後に舌を出され、やっぱり森監督って性格が悪いなサイコーーーーだー!!とニヤリとさせられた。

テレビ時代から書籍まで、森監督のテーマは分かり易いほどいつも一緒。それは世界の曖昧さ。
森監督の作品を見る理由は、一方向に誘導された考えを、別の方向から見ることで自分に新しい視点を入れ世界の複雑さを受け入れることだと思う。
人は曖昧なことや複雑さを嫌う、だから単純でわかり易い言葉に惹かれる、けれどその選択は危険だ。だって、世界は白と黒では出来ていないのだから。

世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい。



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