◎2017年夏の宇宙イベント等案内記事は下記↓
小学生から「宇宙エレベーター」 - 埼玉大・STEM教育研究センターほか
前回記事で、静岡大学の「宇宙エレベーター」の話題をご紹介しました。
確か夏の記事「首都圏周辺6国公立大学の小中高生向けサマーイベント」で探した、6大学のどこかのページにも、「宇宙エレベーター」の文字があった記憶が。
その時は紹介できませんでしたが、埼玉大学のSTEM教育研究センター で、小学生からのロボット(ものづくり)教育の一環として、「宇宙エレベーターロボット競技会」へ参加していました(ほかにロボット製作などいろいろプログラムがあります)。
小学生は、さすがに全国で14チームだけ(中高生62チーム)ですね。
小学生部門のミッションは、レゴ・マインドストームをベースにしたマシンで、たとえば、
http://space-elevator.tokyo/実施要項/220/
『宇宙ステーションにピンポン球を運びます。運んだピンポン球の数に応じてポイントを獲得します。運搬中、運搬後にピンポン球を落とした場合は減点されます。』
上記、埼玉大・STEM教育研究センター 以外で、活動できるところは、首都圏とか、地方大都市(福岡・仙台など)が多いとは思いますが、下記実行委員会に問い合わせてみてください。http://space-elevator.tokyo/committee/
 
●銀河連邦“加盟国”の地元では
「銀河連邦」とは、日本国の地方自治体が「ユーモアとパロディの精神で」組織した、立派な? 連邦国家です。
神奈川県相模原市のHP
http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/25926/025927.html
に、地図と、構成7共和国(JAXAの研究施設がある7自治体)の紹介が掲載されています。
これらの自治体なら、当然、航空宇宙関係の子供むけイベントをやってるに違いないーーーはい、予想どおり。
以下、上記HPの掲載順に4共和国を、紹介します。
(1) 神奈川県相模原市(サガミハラ共和国)
宇宙科学研究所がありますね。
今年も、6月13日の「はやぶさの日」に、市立小中学生の給食が「はやぶさ給食」だったのをはじめ、同日の前後に、さまざまなイベントを開催。当然? JAXAの研究者のトーク会なども開催されてました。↓
http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/25926/034022.html
夏が中心ですが、JAXA相模原キャンパスのイベント。↓ 近くの人はチェックしてみましょう。http://fanfun.jaxa.jp/visit/sagamihara/
 
(2) 秋田県能代市(ノシロ共和国)
能代ロケット実験場があります。
8月に「能代宇宙イベント」 
全国から、大学生が集結。イベント・スポンサーに、IHIやパナソニックに並んで「テラタ」 の文字が※1。
9月に「のしろ銀河フェスティバル」 
http://www.city.noshiro.akita.jp/blog/?p=27086
を開催。当記事で以前紹介した、秋田大学隠れ宇宙工学専攻※2 の学生さんたちとの交流も。
 
(3) 長野県佐久市(サク共和国)
臼田宇宙空間観測所があります。
市のイベントは見つかりませんでしたが、連邦内7国で小学生同士の交流行事をやっているんですね。↓ (今年は鹿児島で)http://www.city.saku.nagano.jp/kyoiku/shogai/seishonen/ginga/ryugakukoryu28.html
 
(4) 北海道大樹町(タイキ共和国)
航空宇宙実験場があります。
町のトップページに「航空宇宙」の特設バナーがあって、新聞(Taiki Aerospace News)や公園、さらに大樹町の小1~中3が所属する「日本宇宙少年団(YAC)大樹分団』が活動中↓
http://www.town.taiki.hokkaido.jp/soshiki/kikaku/kikaku/aerospace.data/yac.pdf
町主催・参加の航空宇宙関連イベントの数々はこちら ↓
http://www.town.taiki.hokkaido.jp/soshiki/kikaku/kikaku/tmap-torikumi-2016.html
町内にロケット開発企業もあります(インターステラテクノロジズほか)。小学生から、工場見学させてもらってますね~。
これら共和国のほか、JAXA事業所(大樹町・宮城県角田市・茨城県つくば市・東京都調布市)のある街で、JAXAスペーススクール(高校生対象)が開かれたりしていますので、お住いの地方のイベントに、JAXAの文字があったら、チェックしてみてください。
小学生から、宇宙への途はいろいろ続いていますよ。
 
BGM 「スターライトパレード」(SEKAI NO OWARI カバー) ボーカル・天月+Fukase(Vocaloid)  イラスト:茶々ごま  You Tube、ニコ動でMVみられます
※1 筆者が、「能登牛」(こっちはてらおか)に続いて、食べてみたいと思っている「鶴形牛」を売っています。
※2 何度も言います。専攻名が分かりにくいです!! 
  秋田大学理工学部システムデザイン工学科創造生産工学コース
まあ、「(秋田公立)国際教養大学」のように、全国から意欲あふれる学生を集めるための、深謀かもしれませんが。
冒頭写真提供:Pixabay 写真:qimono リヨン市の花火
中間写真提供:札幌市観光協会 「札幌市青少年科学館」内
 
・2016年12月28日追記:中日新聞の記事「宇宙昇降機 実現つなげ 静大生らチーム奮闘中」
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20161228/CK2016122802000073.html

今回は、
・静岡大学・工学部機械工学科宇宙・環境コース
・山口大学・工学部機械工学科航空・宇宙コース
どちらも、当ブログではおなじみになった? 「工学部は別キャンパス注意報」(留年問題ほか)の対象でもありますので、高3受験生のために、立地を先に書いておきます。
 
4年間浜松キャンパス(静岡大)
静岡大・工学部と情報学部は4年間、浜松キャンパスです(↓ 地図)
http://www.shizuoka.ac.jp/access/index.html
津波については、下記のとおり本部(静岡)、浜松とも、ほとんどは標高30m以上の高台で、
https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=1005
心配はあまりなさそうです。
耐震建築のアパートを選べば、さらに安心ですね。
ご参考:静大・工学部生の1日例 ↓ (家賃3万3千円)
http://www.shizuoka.ac.jp/campuslife/class/schedule/sano/index.html
なお、化学バイオ工学 ↓ だと、本当にこんなに時間的余裕があるのか? は、ぜひ、どなたかウラをとって下さい。http://www.shizuoka.ac.jp/campuslife/class/schedule/kawahara/index.html
静岡市からの、新幹線通学については↓
 
1(山口市)+3(宇部市)
山口大・工学部は、1年間の山口市・吉田キャンパスの後、3年間を宇部市・常盤キャンパスですごします。高2以下の方は、両方下見した方がよさそうですね。
参考情報:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1436361444
 
いよいよ、本題。
静岡大学・工学部(機械工学科宇宙・環境コース)で「宇宙エレベーター」
つい先日(2016年12月19日)、静岡大学のニュースにも掲載された
「静岡大学超小型衛星STARS-C(愛称「はごろも」)放出成功!」。
愛称でいうと、
『「こうのとり」が「きぼう」に運んだ、「はごろも」が宇宙に放出された』
わけですが、この見出しで分かりにくい方は、JAXAの ↓
  http://iss.jaxa.jp/kiboexp/news/20161219-stars-c.html
日本の無人補給機「こうのとり」6号機(HTV6)(12月10日打ち上げ)が、ISS(国際宇宙ステーション)に運んだ「荷物」の中に、静岡大学の超小型衛星STARS-Cがありまして、それが、ISSの「きぼう 実験棟」から、19日に放出されました。
で、どこが注目ポイントかといえば、実験自体はこれからですが、STARS-Cでは、
「テザー(ワイヤー)で繋がれた親機と子機に分離する構造を用いて、宇宙でのテザー進展技術の実証実験を行います」
このテザーが「宇宙エレベータ」に深くかかわるわけですが、A.C.クラークの『楽園の泉』★ を読んでない人や、宇宙エレベータ? 初耳!! という方は、静岡大・山極先生の高校生向けの解説記事 さらにくわしくは、社団法人「宇宙エレベータ協会」の入門記事
http://www.jsea.jp/about-se/How-to-know-SE.html
をまずお読みください。あと、冒頭に紹介の中日新聞記事の説明が分かりやすいです。

今回のSTARS-Cの詳細は、能美研究室の下記ページに掲載されています。http://stars.eng.shizuoka.ac.jp/starsc.html
宇宙・環境コースについては、
http://newmech.eng.shizuoka.ac.jp/introduction/space/
「航空」には、上記、山極、能美、吹場(航空工学)の3研究室があります。
なお、大学院は、JAXAと連携大学院協定を結んでいます。
 
山口大学工学部(機械工学科航空・宇宙コース)は、「きぼう」で燃やす?
静岡大に対抗するわけではないでしょうが、山口大学の三上真人先生が代表研究者を務める宇宙実験「Group Combustion」(宇宙=無重力環境 での燃焼実験 詳しくは) ↓
http://talk.yumenavi.info/archives/1943?site=d
は、2016年10月27~28日、大西飛行士によって行われました。
解説報道:https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00404431
動画:https://www.youtube.com/watch?v=lW8h-Y4OrgY
●山口大学工学部機械工学科は、教育コースが2つ(航空宇宙か生体・ロボット)
山口大学工学部機械工学科の特長は、1年次からの演習科目として、航空宇宙か生体・ロボット(各45名)が選べる点。
「航空宇宙コース」だと、2年次のものづくり創成実習ではグライダー・ロケット製作、3年次の演習では航空機設計と性能評価試験なども行うようです。http://www.mech.yamaguchi-u.ac.jp/?page_id=79
さらに山口大でとJAXAで、宇宙セミナーを開催(11月 常盤キャンパス)したりしてますね。
 

BGM1:WEAVER 「KOKO」  MVについて一言(ひとこと) ”美しい”
BGM2:前回記事でもご紹介した「惑星ループ」を、ボーカル・天月(あまつき)バージョンで
http://do-ra.org/2016/11/22/88090/
★「楽園の泉」 A.C.クラーク ハヤカワ文庫 
冒頭写真提供
https://pixabay.com/ja/ qimono 太陽
中間写真提供 浜松市観光協会 かんざんじ温泉 灯籠流し
首都圏国公立大・工学部2年のZくんが、PS4とペルソナ5購入のため、中央線T駅まで「出る」※1 というので、駅前のコーヒー店に、12月23日、緊急集合しました。すっかり「大学受験」は他人事になってしまったZくんですが、国公立大・工学部に入った‘あと’は、いったいどういう生活が待っているのか? の本音は聞けますよ~。
(以下、Pは筆者)
 
●雪のようにレポートは降り積もる
P:もう、年内の授業は終わった?
Z:26日(月)までです。月曜出すレポートを午前中に片づけてきました。
P:後期になって、レポートとか増えた?
Z:専門科目で、サンタさんが「大きくて簡単な問題の箱と、小さくて難しい問題の箱があって…」
P:「…両方あげるよ」というオチでしょ。基礎演習、応用演習1単位ずつ(必修) とか。
Z:ぼくは、Pさんから聞いてたので、ある程度覚悟してましたけど。小学生の時に体験した、牛の乳しぼりを思いだしました。※2
P:段階をふんで、しぼっていく感じかな?
Z:正直きついんですけど、それでも、あと2年で学部卒業っていうと、圧倒的に専門分野の勉強が足りないな~とは思いますね。
P:勉強するうちに、やっぱりそう悟って、プラス2年の院(修士)に行く学生が増えるんだよね(農工大・工は約8割)。なので、当ブログでは、受験生のみなさんと、親御さんには、6年間を前提に考えてほしいと言ってるわけで
Z:同期には、FFXV(ファイナルファンタジー15)を発売日の翌日に買った強者(つわもの)もいますけどね。
 
●やっぱり単位
P:「単位」と「ゲーム」の天秤ばかりだと、たいていは「単位」かな。
かえって、社会人になると、有休(有給休暇)という裏技もあって、むかし風邪を理由に4日間休んだ某先輩は、タイミングから見て明らかに「某ゲーム休暇」なんだけど。今の学生だと、毎回の出席点が大きいからね。
Z:ちょうど、おすすめの歌(Zくんバージョン)があるので、今回の記事のBGMにしてください(文末)。
P:まだ後期の途中だけど、単位の見通しは?
Z:先に言った、専門科目の「応用演習」は苦戦していますが、周りもみんな、点数がとれていないので。
過去に、救済措置があったとも聞いてます。
いわゆる教養科目は、後期で、必要単位をクリアできそうですね。法学系科目には、残念ながら2年間縁がなかった※3 けど。
P:「コンビニおでんをつんつん」事件、あれは、大学生じゃなく、社会人がおこした事件だけど、あれが何罪になるかぐらいは、知っておいてほしいよね。新聞で読んだかもしれないけど、Zくん分かる?
Z:刑法の器物損壊罪ですか? ※4
P:威力(いりょく)業務妨害罪も適用されるらしい。お祭りなどの時に、ドローンを落下させた事件も、この罪に引っかかったらしいから、工学系は覚えておきましょう。http://trendersnet.com/archives/1251.html
 
●首都圏国公立理工系のメリット
P:工学系を志す高校生を励ますような、なにか明るい話題はない?
Z:実験・実習科目は、4~5人一組で、いろいろやらせてもらってるので、楽しいですよ~。
あと、うちの学科のメンバー以外が喜ぶかどうかは微妙ですが、後期になってから、誰でも知ってる企業の最先端設備の見学会がありました。
課外授業というか、現地(最寄り駅)集合、現地解散。希望者(ほぼ全員が参加)を教授が引率して、普通は見られない設備をみせてもらって、その後、うちの学科のOB(30代)が、研究開発の説明をしてくれました。面白かったですよ!!
P:3年生で、学科によっては工場見学
  http://www.sys.okayama-u.ac.jp/for_student/factory.html
の授業もあったりするけど、2年からやるんだね~。
やはり、首都圏の大学だと、いろんな会社や施設へのアクセスはいいよね。
あと、OB(たいていはリクルーター)が、あちこちの研究室にお菓子をもって来てくれる率も高くなるし。
 
●自宅通学できる?
Z:ぼくは、自宅通学だからいいけれど、理工系の場合は、首都圏の大学で一人暮らしよりは、自宅から通える範囲に国公立大学があれば、そちらをお勧めしますね。ぼくの場合は、家事の時間を勉強時間にあてられたし、バイト代※5 も全額小遣いになるので、PS4も買えたわけだし(大画面ディスプレイは自宅のを使える)。
P:Zくんはやっぱり都会っ子だから分からないだろうけれど、田舎の場合はね、「自宅から通える範囲に国公立大学がない」地域が多いから、いっそ一人暮らしなら、どこを受けようかと、悩むんだよ。
この点は、当ブログ「理工系Vくんシリーズ」のメインテーマと言ってもいい。
次回の記事で、「航空・宇宙関連」2 として、静岡大学・山口大学を紹介予定だけど、静岡大学だと、「新幹線通学」まで、からんでくるからね。
Zくんには、来年も引き続きよろしく。
 
2017年2月 追加情報
2年後期も終了したZくん。後期で危ないのは本文に書いてる2単位だけだそうなので、仮にそれを落としても、90単位以上は取れるはずということで、Zくんに関しては、留年の心配はなさそうです。
留年ネタに代わり、Zくんの「バイ活」(アルバイト求職活動)が、「就活」の前哨戦? ともいえる動きを見せているので、いずれレポートする予定です。
 
※1 ふだん、家と学校or家と職場を往復していると、繁華街には、「出る」という感じになります。
東京周辺の大学に憧れるみなさん、工学系の場合は、公立・私立ともけっこう鄙びた? 場所に、キャンパスがあることが多いので、ちゃんと立地を調べてくださいね。上智大(四谷)、東京理科大(神楽坂の学部もあるけど…)、中央大・理工学部(後楽園)、東大・本郷と駒場(渋谷に近い)、電通大(新宿に近い)は街なか。逆に、青山学院(理工学部、社会情報学部)は4年間、神奈川県の相模原キャンパス(きれいそうですけどね ↓)
https://matome.naver.jp/odai/2138161309989691901
最寄り駅は淵野辺で、首都大・南大沢と近い位置にあります。
法政大も工学部は、農工大と東小金井駅をはさんだ反対(北側)にあります。なお、立教大学(池袋)は、理学部はありますが、工学系はありません。
※2 牛の乳しぼり参考:http://ebetsu-festival.blog.so-net.ne.jp/2009-09-04
※3 必修科目や語学と同じ時間に開講する科目は、泣く泣くあきらめます。あと、人気科目は抽選なので、連続抽選落ちという、コンサートのチケット争奪戦みたいなこともあります。
※4 高校の同期(1年は文系もいっしょ)との会話に出てきたそうです。
※5 過去の記事 http://ameblo.jp/pernas/entry-12194182324.html ほか
 
BGM1:MUSIC・ナユタン星人の「惑星ループ」(歌詞は下記↓)
 http://piapro.jp/t/8ie0
歌詞の中で、「あなた」を「たんい」、「そこに大体、愛が在るだけ」を「そこに大体、( )が在るだけ」―――カッコ内は優、Cほか、自分の成績に応じて入れてほしいそうです。
追記:Zくんの友人による、替えタイトル「学年ループ」は、イコール「( )年」ってことですよね。
動画は、YouTube、ニコ動などで。
BGM2:きのこ帝国 「クロノスタシス」

冒頭写真:ここは東京? クリスマス? いえ、札幌・ゆき祭り会場です
写真提供:札幌市観光協会 全景は下記↓
 
当ブログの「人工知能に代替されない‘仕事’につくには」と、前回の「子どもの読解力が低下? (PISAとリーディングスキルテスト)」 の姉妹編に当たる内容です(以下の文での「講演」については、※1 参照)
共通するのは、国立情報学研究所の新井紀子先生のプロジェクトに関わるということ。
 
東ロボくんとAIの5年間
新井先生は、2011年にスタートした「ロボットは東大に入れるか」プロジェクト」(以下、東ロボくん ※2)で、
  いわゆる人工知能(以下、AI)は、大学入試問題を解けるのか? 
というチャレンジを進めてこられました。
今年ブレイクしたAIという言葉ですが、2011年時点では、ニュースに取り上げられたのが1回(この東ロボくん)、一昨年(2014)が46回、昨年が128回、今年は405回(途中)※2,5 ということで、知名度はアップしましたが、では、AIに何ができるのか? については、あまり理解されないまま、期待と怖れだけがふくらんだ印象があります。
 
AIでなんとか
企業でも、今年になって「これ、AIでなんとか処理できないのか?」と上司に言われて困った若手社員が多いらしく、新井先生が質問を受けた顛末をエッセイに書かれた
(1)「AIでなんとか」http://college.nikkei.co.jp/article/83000511.html
そして、続編の
(2)「AI ‘基本のき’」http://college.nikkei.co.jp/article/83995011.html
―――「(1)の内容でもうちの上司には難しいから、もっとわかりやすい説明をしてほしい」と泣きつかれたらしいですね。今50代の上司は、いわゆる「新人類」※3 世代で、パソコン(PC)について上の世代(いわゆる団塊の世代あたり? )から的外れなこと質問されたり、要求されたりして困ったはずなんですが…。
読む順番は、(2)、(1)の方がいいでしょう。
以下の記事は、この(1)、(2)とも読んでいるか、同程度の知識がある前提で、話をすすめます。
 
2016年の「東ロボくん」の成績
2016年度はセンター試験模試で、偏差値57.1(5教科8科目、合計525点)で、合格可能性80%以上判定の大学に、有力私立大学※4 も含まれていたので、NHKニュースにもなりました。
http://www9.nhk.or.jp/nw9/digest/2016/11/1108.html
↑ 番組タイトルの『人工知能「東ロボくん」 “東大諦める”』については、講演中で、新井先生のぼやきがまじってましたが※5 、上記報道ページで、「東ロボくんが苦手なこと」を分かりやすく説明していますので、簡単にまとめると、
画像認識
自然言語処理
の2点です。
 
東ロボくんに足りないのは?
画像認識と、自然言語処理を、東ロボくんが、なぜ苦手なのか❓ は、下記講演概要記事(以下、概要) ↓
http://www.yomiuri.co.jp/adv/y-globalforum/index.html#key
で、新井先生ご自身が、とてもわかりやすく解説してくれていますので、これもお読みください。
冒頭と結びに「文章をきちんと理解して読むことが“AIに代替されない能力”」と、重ねておっしゃっていますからね。
 
正解精度を上げるにはコストがかかる
「概要」の補足をすると、まず画像認識ですが、講演では、トイプードルの写真(※6)とフライドチキンの写真を並べて、人間には簡単に見分けられるけれど、AIにおなじことをさせようとすると、大変であると。

で、どんな風に大変かは、たとえば
「FiNC Developers Blog 2016/1/23」の記事「Deep learningで食事画像のクラス分類器を作成してみた」
に、簡単なテストで「30種類×各100枚の画像を用意」とさらっと書いてありました。が、筆者が上記のトイプードルの無料写真を探すのに、少なくても10分は費やしていますので、さらに都合の良い(たとえば、よりフライドチキンとそっくりな)画像を探そうとしますと、×枚数分を集めるだけでも、けっこうなコスト(時間は金なりですからね)が、かかるわけです。

同じことは、自然言語処理にも言えます。別の記事で、東ロボくん、英語チームが、「英語会話文を完成させるタイプの試験問題を9割正解させるようにするには、500億の会話パターン=人手で作成すると500兆円 が必要」との見込みを示したそうです!!
 
数学は得意、でも常識はない?
なお、東ロボくんの名誉? のために書いておくと、センター試験とは別に受けた「数学」の論述模試(東大2次試験想定)では、理系数学の偏差値76.2、文系数学68.1 (東大模試を受けた人の中での偏差値ですからね)。
囲碁や将棋もそうですが、「限られた状況」の中で、論理的に処理できるジャンルは得意ですが、英語や国語等では、実際、多様な「場面」が出題されますからね。
例;平成26年度 センター試験 英語 筆記20ページ~ 「文章とグラフを読んで、問いに答える」 ↓
 
MARCHレベルの学生はAIに追い越された?
さらに全大学受験生の名誉のために? 言っておきますと、「東ロボくん」は、一受験生というより、その背後に、とてつもない大企業と国立の研究所等のみなさまの努力の総体が宿っていまして、筆者のイメージだとこんな顔? ↓
 
一方で、人間の受験生がどこでつまづいているかといえば、当ブログ前回記事「子どもの読解力が低下? (PISAとリーディングスキルテスト)」 で話題にした「読解力(RST)」について、弱い受験生が、相当いたという事実です。
 
●国公立2次は、読解力耐久レース
ここで、「大学受験生」と言いましたが、「理工系国公立大学」受験についていえば、数学的能力は当然必要ですが、前にもご紹介した電通大情報理工学域の2次試験問題(平成28年度後期 英語は90分 ほかに数学150分、理科120分) ↓
https://www.uec.ac.jp/admission/ie/pdf/28kou-a.pdf
などみてのとおり、「読解力耐久レース」のようなものです。
それを回避しようとすると、センター試験で高得点を取る必要がありますので、“高1時点”で、ある程度の読解力が身についていないと、大学受験勉強は継続できません。

そして、当ブログの前前回の記事で書いた通り、東京(首都圏)では、中学受験やグループ問題作成高校(都立難関高校)入試で、高い読解力をためすような問題が出題されますので、これらの受験をくぐり抜けた生徒は、確かな下地ができています。
一方の県民のみなさま(かつて筆者もそうだったので、何度でも言います)は、たいてい全県統一問題で、競争率百数%の高校受験(県庁所在地のぞく)で、のんびりしていると思います。
そういう方は、高校合格後でよいので、例:都立国立(くにたち)高校過去問 国語 ↓
http://www.kunitachi-h.metro.tokyo.jp/homepage/application/exams/27j_ex.pdf
みてくださいね。
 
柳沢校長の講演編も、いずれ予定しています。

※1 2016年11月23日開催された「第2回読売グローバル教育フォーラム 人工知能が仕事を奪う?」
(1)国立情報学研究所の新井紀子先生と、(2)開成中学・高校の柳沢幸雄校長がそれぞれ講演。今回、単に「講演」とあるのは、(1)についてです。
※2 講演で、新井先生は「東ロボくん」を「うちの子」と愛情をこめて呼んでおられました。
※2.5 上記、※1の講演の際、筆者がメモした数値
※3 『コンピュータ新人類の研究』 野田正彰著 1994年 文春文庫 
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167441029
※4 いわゆるMARCH,関関同立(関東の明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学と、関西の
関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学クラスの有力私立大学)
※5 これも※1の講演の際、筆者がメモしましたが、「朝日新聞のタイトル」http://www.asahi.com/articles/ASJCC4TZHJCCULBJ00K.html
だったかもしれません。
※6 プードル写真提供https://www.poodlelife.net/ 
無料写真なので、チキンと見間違うひとはさすがにいないと思いますが、下記は面白いですね↓
http://animalive.me/topics/pugs-oysters-poodles-fried-chicken-dogs
冒頭写真提供:http://komekami.sakura.ne.jp/ 街画ガイド ここは日本? はい、東京大学・本郷キャンパスです
サーバー写真提供:https://pixabay.com/ja/
BGM1:Orange Star feat. IA  「DAYBRAKE  FRONRLINE」
BGM2:ONE OK Rock 「I was King」 (MVで)
【PISA】
●OECDによる「国際学習到達度調査(PISA)2015」の結果

2016年12月7日の読売新聞朝刊トップは、「カジノ法案衆院通過」や「NHK会長人事」をさしおいて、「日本 読解力8位に低下」の大見出しでした。
OECD(経済開発協力機構)が、2015年に72か国・地域の15歳、54万人に対して行ったテスト「PISA(国際学習到達度調査)」の結果を報道したもの(以下、読売報道)です。
 
●どんな調査か?
日本では、調査を、国立教育政策研究所(以下、NIER)が担当。NIERのHP↓
http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2015/01_point.pdf
に、概要説明がありまして ↓(以下引用、一部省略)
『〇義務教育修了段階の15歳児の生徒が持っている知識や技能を、実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを評価
○読解力(筆者注:Reading literacy)、数学的リテラシー(筆者注:応用能力)、科学的リテラシーの3分野について、2000年以降、3年ごとに調査を実施し、2015年調査では科学的リテラシーを中心分野として重点的に調査
○我が国では、全国の高等学校、中等教育学校後期課程、高等専門学校の1年生のうち、198校、約6600人が調査に参加(2015年6月から7月に実施)
○2015年調査において、筆記型調査からコンピュータ使用型調査(筆者注:いわゆるCBT)に移行』
 
●2015年調査の結果 読解力の国際順位が下がった!!
(なおトップは、3分野ともシンガポール)
日本は、
  ・数学的リテラシー  2012年7位→2015年5位
  ・科学的リテラシー  2012年4位→2015年2位
  ・そして読解力は、  2012年4位→2015年8位
の結果だったため、読解力の低下が問題視されたわけです。
日本の「読解力」の国際順位は(下図 参考)
  2000年 8位、2003年 14位、2006年 15位、2009年 8位、2012年 4位

と推移していまして、2015年までに、↓と↑の波があったことになりますが、8位が3回なので(上図)、この位置が死守する防衛線という感じですかね?
ちなみに、読解力順位が、
    2000年 8位→2003年 14位 
に低下した、いわゆる「PISAショック」が、「ゆとり教育」から転換するきっかけになったそうです。
 
●実施校と問題文が非公表なので…
今回の読解力低下の原因の一つとして、文科省は、「出題が紙から、PCの複数画面形式に変わった」点を挙げています。
http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2015/05_counter.pdf
たしかに、画面だと見落としやすいので、当ブログ記事でも、大事なデータは、新聞・雑誌記事、印刷文書等で確認するようにしています。
ただし、筆者が気になったのは、「実施校のうちわけ」と、「読解力問題の日本語文(2015年)」です。
が、どちらも非公表。★

そして、読解力問題(日本語訳)について。
読売報道(同日、3面)が挙げた過去の問題例の文章では、
  職場の近くに住むことができるようにしたりしてなしとげられるべきことです。
  だれもが在宅勤務する生活というのは野心的な考えではありますが
などと、けっこう直訳っぽかったです。2015年の問題文は、はたしてどうだったのでしょうかね?
なお、「PISA型読解力」については、下記 ↓ が、2008年河合塾の分析ですが、すでにいろいろな入試に取り入れられ、今後の大学入試新テストの長文読解力(とくに複合問題)出題でも参考にされると思われますので、当ブログでもひきつづき注目します。http://www.keinet.ne.jp/gl/08/11/toku.pdf
 
【リーディングスキルテスト】
上記PISAに対して、「リーディングスキルテスト」(RST)とは、
「教科書や新聞、マニュアルや契約書などのドキュメントの意味および意図を、どれほど迅速かつ正確に読み取ることができるかの能力を測定する」ためのテストです。
ちょうど下記説明文(PDF)
http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20160726-1.pdf
がかっこうの「長文」ですので、高校生以上の方は、ぜひこの文章をまず読んでいただきまして、次の設問(ただしこちらはRSTではなく、新テスト長文問題を想定しています)に、200字から300字の範囲で解答してみてください(記述も含めて30分くらい。なお、最後の2枚だけ読んだ方は、制限時間 20分)。
■設問 上記文章で、著者はPISA(読解力)のテストとRSTにどのような違いがあると考えていますか? 
 
●教科書レベルの問題で、子どもの読解力をはかる
実際のRSTについては、「子どもたちが教科書に書かれているようなシンプルな文書をどれくらい正確に読むことができるかを科学的に診断するテスト」がまず実施されています。
実は筆者も以前の記事で紹介したイベントで、問題をときました。
RSTの考案者で、国立情報学研究所(以下、NII)・新井紀子先生※1 の講演中に、参加者全員が、1問約30秒で、6問を解答。
筆者も解答した問題の一つは、新聞紙面やWEB
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO05615580T00C16A8X12000/
にも掲載された典型例なので紹介します(一応、筆者は30秒で正解できました)。
『問題文:「仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている」
質問:オセアニアに広がっているのは何か。仏教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥ教から選べ』
この問題を、公立中学校生、中高一貫(中学)、公立高校生に実施した結果が
http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20160726-2.pdf(以下、RST結果)
で、正解率は 
   公立中学校生53%、中高一貫(中学) 64%、公立高校生81%
でした。
なお、公立中学校は 6 校(受験者数計 340 人)、 中高一貫の公立中等教育学校1校(155 人)、 昨年度卒業生の三分の一が国公立大学に合格した公立高校1校( 584人)で実施した結果です。
いわゆる“進学高校”で、約2割が誤答なのは、筆者の出身県の地方中核高校ならありえますね。高校入学時に、およそ300人の入学者の上位と下位の成績の開きがけっこうありまして、大学受験をするかどうかで、その差がさらに拡がるからです。
 
●東京の公立中の成績分布はふたこぶラクダ曲線?
中学校受験者が一定以上いる、地域ですと、この「差」は、中学生の時点から現れます。
RSTの別の問題の正答率は、
   公立中学校生9%、中高一貫(中学) 27%、公立高校生33%
など、中高一貫(中学) は公立高校生よりやや低いレベル。一方、公立中学と中高一貫(中学)では正答率にかなりの「差」があります。
当ブログでは、前の記事で「東京の小中高生と地方との“差”」について書いたとおり、東京の中学受験を経験し、合格した中高一貫(中学)の生徒の読解力は、小学生段階で、すでに鍛え抜かれているはずだからです。
一方で、東京の公立中学の生徒は、中学受験からのリベンジ組&都立難関校受験をめざすグループと、「それ以外」で、同じ中学内でもけっこう「差」がある可能性があります。
その違いに気づいたのは、当時中3(現国公立大・工学部2年)のZくんが、都立グループ作成問題高校の受験対策(国語・長文)に森鴎外の「舞姫」のあらすじまとめが塾の宿題に出されたと聞いて、ブログネタにした前後のことです。。
この時期に、ついでに定期テスト(公立中)の総合成績分布グラフを、Zくんから見せてもらったことがあって、みごとな「ふたこぶラクダ曲線」


だったのも驚きでした!! (図 あくまでイメージですが)
「平均値」だと、この「ふたこぶ状態」が分かりにくいのですが、ひとくちに「小学校」「中学」、「高校」といっても、地域によって、偏りがあるわけです。
 ↓ (大阪もふたこぶ?)※2
http://www.ed.town.toyono.osaka.jp/index.cfm/10,13411,c,html/13411/20141110-094632.pdf
 
先に、PISA実施校のうちわけについて、筆者が気にしたのは、テストを受けた学校の種類(高専)、大都市近郊の学校か? いわゆる進学校? など、面子によって、かなり結果に違いが出るからです(もっとも、他国も事情は同じですが)。
 
読解力が心配なのはL山の生徒か?
当ブログの理工系Vくんがターゲットにしている「国公立大学理工系進学をめざすみなさん」は、現時点でも、「大学受験勉強」を通じて読解力は鍛えられます」(そういう意味でも、センター試験の国語、社会は手を抜きすぎないでください)。
一方で、all日本を考えたときには、L山の下記2割の生徒の現状は心配ですので、以下、新井先生のRSTについての続きです。
 
●中学生の2割が教科書を読めない!?
上記「オセアニアにひろがる宗教は? 問題」で、公立中学生の半数くらいが不正解でした。
が、さらにテスト結果をくわしく分析すると、
『約20%の生徒は、自力で正解できないと思われ、この割合は、学年が上がっても減らない』。
つまり、2割の生徒は、中学教科書レベルの文章が読めない状態で、大人になっていく可能性があります。
「教科書を読んだだけでは内容が理解できない」と、ふだんの勉強や、受験勉強が困難なのはもちろんです。
さらに、今後、大人になって「AIに代替されるかもしれない職業」についた場合、もし実際に仕事がなくなったときに、「次の仕事につくための研修」で、テキストが読めない状態では転職の幅がとても狭くなります。
このような問題については、今年度から対策(研究)がはじまりました。http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20160726.pdf
 

●子どもの読解力が心配な方は
小中学生の親御さんで、今の自分のお子さんの読解力が気になる方は、
  小学生 教科書音読だけで、ふだんのテストは80点以上(R山だと90点以上)
  中学生 教科書からのノート取り(きれいに書けと言ってるわけではありません)が自力でできる
くらいだと「まあ安心」(教科書が読めている)レベルですかね? 
ただし、小学生でいわゆる「補習塾」に通っている場合は、この読解力の問題が表面にでないかもしれませんので、「初めて読むテキスト」で、試してみるといいでしょう。

今後は、より幅広い範囲の学校でRSTが実施されると思いますので、客観的データはそちらで。(NIERとNIIのコラボもあり ↓)
 
2017年9月 当ブログの追加記事「中高生の読解力テスト:続報」 ※中3生の25%は教科書が読めていない?
 
※1 新井先生といえば「東ロボくん」http://21robot.org/ ですが、まず、「そもそもAIって」を場合分けしておかないと、けっこう説明がややこしくなるので、まずそちらから。
※2 ふたこぶ現象については、別の調査結果を読んでいて、調査地域が「仙台市」だったのですが、ここも「ふたこぶ化」している可能性があり、調べてからあらためて記事にする予定です。
★PISA の調査は「層化2段階無作為抽出法を、使って調査を実施する学校を決定し、各学校から無作為に調査対象生徒を選定」していますが、対象(母集団)は、「高等学校本科の全日制学科、定時制学科、中等教育学校後期課程、高等専門学校」で、今年話題になった「ウイッツ青山学園高等学校」(全日制、広域通信制)などは、そもそもこの母集団に入っているのか? とかーーー重箱の隅をつついているような疑問で、恐縮ですが。
 
BGM:清水翔太カバー版「白い恋人達」
冒頭写真提供:札幌市観光協会「サッポロビール園 博物館」 “あの赤煉瓦の~”と歌いたくなりますね