(1)区分所有できる範囲は?
S: 前回記事(住み替えに役立つ宅建08)と同様に、まずクイズから。
分譲マンションの以下の箇所の持ち主(所有権者)は誰ですか?
①エントランス、エレベータ、階段など共用部分
➁敷地内の立体駐車場や中庭など
③分譲された各部屋
④マンション(集合住宅)の建物自体
P: ①は、文字どおり「共用」なので、区分所有者全員の共有。②と④も共有ですね。
③は、文字どおり「区分所有」(専有部分)ということなので各部屋の持ち主が所有権をもつと。
S: では、その「専有部分」とは、どこからどこまでの範囲でしょうか?
たとえば、壁・天井は隣や上下の部屋とのいわば共用ですよね。
あと、窓は部屋の一部か? 「建物全体」の一部か?
P: 「区分所有法 隣室との壁」で生成AIにきいたら、
『マンションの隣室との壁(戸境壁)は、原則として共用部分(構造躯体)であり、区分所有者の自由なリフォームや撤去は認められていません。コンクリートの壁や床・天井(躯体)はマンション全体で管理すべき財産であり、専有部分(お部屋の空間)に含まれないからです。』
S: ここは、賃貸の部屋で考えると分かりやすいと思います。
壁や天井に穴をあけるのは禁止だけど、壁紙を貼るのはOK(原状回復の必要はありますが)。 ※1
ガラス窓に断熱フィルムを貼るのはOKですが、勝手に「窓自体」を取り換えるのはNG。
玄関ドアなどもそうですね。
Pくんが、大家さんから借りているのは、あくまでも〇号室内の「空間」なんです。
同様に、分譲マンションの各部屋の「専有部分」も「部屋の内側」なんです。
ちなみに、マンションの広告(販売図面)などで「壁芯(へきしん/かべしん)」面積と書かれているときは、隣室との間の「壁」の厚みの中心線で囲まれた面積を指します。
実際に利用できる部屋面積は「内法(うちのり)」面積。
P: 壁の厚み分、
壁芯面積>内法面積
になるわけですよね?
S: そうです。
売買契約書や、実際に(区分)所有権を登記するときなどは、「内法面積」が記載されます。
(2)共有部分の扱い
(2-1)共用部分
S: マンションの共用部分については、「区分所有法」の「第二節 共用部分等(11条~21条)」で規定されています。
生成AIに「区分所有法 共用部分の持分」できいたら、
『区分所有法における共用部分の持分は、原則として各区分所有者が有する専有部分の床面積(内法面積)の割合によって決定されます(区分所有法第14条)。』
この持分の割合の決定方法は、管理規約で変更可能(同14条の4)ですが、共用部分の持分は専有部分と分離して処分できません(同15条)
P: 同じマンション住民でも、最上階まるごと所有のAさん(専有面積400㎡)と、3階の1室(Bさん:専有面積80㎡)だと、共用部分の持分も5:1になると。
(2-2)敷地利用権
S: 同じく、マンションが建っている土地(敷地)全体も区分所有者全員の共有で、持分は専有面積の割合によります。
ちなみに、不動産登記の際、マンションの「専有部分」(自室)と「敷地利用権(敷地権)」はセットで登記されます。※2
P:でも、自室所有権と敷地権とは別々には処分できないんですよね?
S: 区分所有法22条で、敷地権の分離処分も、原則として禁止されています。
P:それでは、区分所有者全員の「共有部分」についてはどうすれば変更ができるのか?
次回は「区分所有法③」として、分譲マンションの規約や会議、役員などについての記事を予定しています。
【参考】
【注】
※1 大家さんがOKならば、DIY自由の賃貸もありますが(町田市・アップル&サムシングエルス)
※2 マンションの建物全体と専有部分、敷地利用権等の登記見本(東京都HPより)
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/toshiseibi/pdf_juutaku_seisaku_ansingaido_m08
【写真】
トップ、中間:写真提供・Pixabay
文末:元写真提供・Pixabay 筆者が生成AIでシスレー風に加工
【BGM】
S選曲:斉藤和義 「歌うたいのバラッド」
P選曲:Vaundy 「飛ぶ時」




