P: 前回記事で紹介した、理系就活のお助け本「理工系のための就活の技術」(本書)の中から、「面接」でお祈りされたときのアドバイスを紹介していきます。
3月といえば、Zくんは2年前、某大手メーカーの早期選考に最終面接で落ちて、ショックを受けてましたが、なんとか気持ちを切り替えてた時期ですよね。
Z:20年4月以降は、オンライン面接へ切り替わり、その対策も必要でした。
結局、4度目の正直? で、6月後半に最終面接を突破できましたが、合わせて12回、面接を受けましたね。
P:Zくんは、1次面接(人事)、2次面接(技術職)は、4回ともパスできたわけですが、そろそろ理工系でも、「1次・2次面接が突破できない…」と焦る人も多くなってきます。
まず、1次面接で落ちるとしたら…。
●1 一次面接の敗因と対策
(1-1)面接官を論破?
Z: 1次面接は、たいてい文系の人事の方が担当します。
本書の49ページに、「現状のコミュニケーション能力自己診断」があって、とくに理工系の学生では、
4:意見が違うと自己主張を強くする
6:「こうすべきだ」と自分の意見を押し付ける
8:人の話題を「それでね」と変える
などが多いですが、「これは危険だ」と。
研究室なら論破というか、自分の意見が正しいことを主張しないと厳しいですが。
P: うんうん。
Z: 文系の面接官相手の場合は、相手の質問(聞きたいこと)に対して、できるだけ簡潔に、分かりやすく答えることが、大事です。
ぼくの場合は、学部生のときに、長期休みは某IT会社でバイトをしていましたので、そこで文系のマネージャー(アルバイト管理者)と話した経験も役に立ったと思います。 ※1
P: 分からないときは、面接官から、重ねて質問がきますから、1回の返答は長すぎない方がよいでしょうね。
Z: 1次面接は、エントリーシートの内容を確認するような質問が大半なので、想定回答も作りやすいと思います。
文系だと、「あなたを家電(色、動物)にたとえると何ですか?」みたいな、とんでも質問が出ることもあるようですが。
P: IT系、とくにクリエイティブ関連の業種だと、理工系でも「発想力」を問うようなことはありますが、メーカーだと2次の技術面接で、エンジニアとしての適性を深堀りします。
とんでも質問については、下記で、「変わった質問をする理由」を、一応知っておくくらいかな? ※2
https://career-ch.com/column/1182
(1-2) NVCはできてる?
Z: 前回記事でも触れましたが、職場では、NVC(ノン・バーバルコミュニケーション=非言語コミュニケーション)が大事だと感じます。
NVCは、本書の56ページからの説明で、
①言葉ではない視覚(見た目)
②聴覚的なこと(話の内容ではなく、口調・語調)
です。
P: 「人は見た目が9割」という本がロングセラーになっていて、マンガ版も出ました。
初対面の面接官に、スタート地点でプラスの印象をもってもらうのと、マイナスからスタートするとでは大違いです。
「見た目」は、
・服装、髪型(本書58ページ)
・身だしなみ(本書62・64ページ)
・お辞儀(本書66ページ)
Z: リモート面接だと、立ってお辞儀することはありませんでしたが、ぼくは「丁寧な会釈」は心がけていました。
P: リモートの場合、面接会場で周りの就活生の様子がみられないので、自分の問題点に気づきにくいかもしれません。
下の記事によれば、
「気を付けるべきは、挨拶の表情やお辞儀のスピード」
「とにかく明るく元気に挨拶」
だそうです。
Z: 「お辞儀」や「挨拶」は、研究室の同期と練習しあって、あとは大学のキャリアセンターで、WEB面接のレッスンを受ければ、②の口調や語調も含めて、大丈夫か? チェックしてくれますよ。
P: 服装・髪型・身だしなみは、意識すればすぐに変えられます。
お辞儀や、挨拶は、何度も練習すれば、うまくなります。
ただ、②の話しぶり(口調、話しぶり、話す速度、声の大きさ、発声など 本書68ページ)は、すぐに直せないかな?
Z: ぼくは、焦るとつい早口になる傾向があって、そこは意識して、ゆっくり話しました。
本書69ページによれば、そういう時は「口を大きく開けるという意識で話すとよい」そうですね。
すぐに上達は難しいかもしれませんが、ぼくも初回と12回目の面接とでは、だいぶ受け答えがましになったと記憶してます。
そういう意味でも、「滑り止め企業」を複数受けることをお勧めします。
自分が「滑り止め」と思っていても、現実は…容赦なく落とされますので、そこで反省して「まずは内定を取る」ことを目指しましょう。
●2 二次面接の敗因と対策
Z: ぼくの場合は、研究・開発職志望だったので、技術面接官もその道の専門家でした。
なので、学科の先生方と話すときと同じでように心がけました。
P: 昔の記事で、Zくんが大学院入試(口頭試験)や、卒論発表会で、教授たちに絞られたエピソードを紹介しています。
むしろ、教授相手のほうが厳しかったのでは?
Z: ぼくの学科では、他研究室の先生が助っ人? で院試(口述試験)の模擬面談をやってくれますが、その時、新進気鋭の助教に叩きのめされましたね…。
冒頭で論破というキーワードがありましたが、もしもぼくが、あの時の助教と同じ口調で、技術面接官を論破しようとしてれば、就活では落とされたと思います。
P: 技術面接では、自分の専門知識をアピールしたいと、気負いがちですが、本書162ページによれば、面接官がみているのは、
人間力=「いっしょに働きたい人材かどうか」
Z: 本書の169ページに、人事(1次)、技術(2次)でそれぞれチェックする項目が載ってまして、
1次 →協調性など
2次 →専門性、創造性など
ですが、どちらでも
「適応性」=チームワーク、ストレス耐性ほか
が、項目に挙がっています。
とくに、大企業のエンジニアでは「チームの一員」として、与えられた役割をこなしていくことが求められます。
ぼくも、個人の研究での成果とともに、外部の方とコラボした経験なども、質問された覚えがあります。
P: 文系のガクチカと違って、「ぼくがリーダーで~」などと、話を盛る必要はありません。
研究室の○○プロジェクトの一員として、立ちはだかる課題の克服に、どういう形で貢献したか? をこたえると、課題解決力のアピールにもなると思います。
●3 1,2次面接の総合対策(想定問答集)
Z: 本書の180ページからに、「想定問答集」が掲載されています。
「当社を志望する理由はなんですか? 」などの定番質問に対して、「答え」ではなくて、企業がなぜその質問をするのか? その「意図」を書いてくれています。
P: 下記は、JX金属で「分析」を担当されている社員の例ですが、面接で「志望理由」にこういう回答ができたら、落とされないですよね。
Z: たとえ、同じ会社を志望しても、ぼくとPさんとでは、まったく違った志望動機になります。
ぼく自身は、研究開発職志望なので、「ぼくの○○研究が、御社の△△事業に◇◇の理由で貢献できる~」というパターンで正面突破しましたが。 ※4
Z: この記事で、1,2次面接が突破できるようになったら、うれしいです。
もし、最終面接で壁にぶつかったら、↓。
※1 Zくんは、学部3年のときに、インターンシップの面接で玉砕。その反省から、以後、コミュニケーション力を、少しずつアップさせてきました。24卒は、修士1年の夏なら、面接失敗でも十分取り返せますから、夏インターンシップから、チャレンジしてみましょう。
※2 「銅なってるの? 」のカッパーくんでおなじみ、JX金属を受ける際は、要注意かも?
あと、追加記事
※3 本書180ページに、「入社早々は、下働きや補助仕事も多くある」と。そのとおり、新人のZくんは、実験機器のお世話係として、平日ほぼ毎日オフィスに出勤してるそうです。
【写真提供】 Pixabay
【BGM】
Z選曲:Hello Sleep Walker 「午夜の待ち合わせ」
P選曲:[Alexandros] 「無心拍数」