如水 | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

一美容皮膚科医の想い

東京都渋谷区 原宿 表参道
ペルラクリニック神宮前院長
本田淳のブログ

 荘子だったと思いますが、「君子の交わりは淡きこと水の如し、小人の交わりは甘きこと醴の如し。」という格言があります。
 これは、君子の人付き合いは、「水の流れの如く、絶えることなく永く変わらない交際をする。」、また、「相手の領域に土足で踏み込むような失礼な付き合い方はしない。」という意味であり、あっさりした冷淡で利己的な付き合いをするという意味ではありません。逆に、小人はべたべたした付き合いを好み、その割りに、事あらば、簡単に疎遠になってしまうような有様であると述べています。

 この格言に倣うという訳ではありませんが、美容医療という特殊な分野における医師-患者さんの関係も、そのようにあるべきなのかなと感じます。もちろん、医療であるからには、その方の病歴や家族歴、仕事の事、生活習慣などなど、プライバシー性の極めて高い事項まで把握しなければならないことがあります。そこを秘匿されると、治療上のトラブルが生じる事もあります。また、治療後の経過に関しても、綿密なフォローが必要なこともままあります。
 しかし、基本的に健康体に対する美容医療は、治療するか否かという部分に関しては、医師が「強く」推奨するということはありえません。逆に、治療を希望されても、その治療が適切でない場合はお受けしないという良識を失ってはいけないと思います。

 少し話がずれてきましたが、美容クリニックでありがちな、治療をパッケージ化する(例えば、レーザー治療+内服薬+外用薬・化粧品+エステメニュー+メインテナンス系治療を最初から複数回セッティング)のは、美容医学的に正しい部分があるとしても、強制的に、あるいは強制力があるように思わせて患者さんに提案するのは、いただけないな・・と私個人は思います。ご紹介はするが、それ以上は推さないというのが、当クリニックの方針です。