インスリンとガン | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

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 先日の新聞にも記事が載っていましたが、体の組織がインスリンというホルモンに対する反応が悪い(インスリン抵抗性)、これとリンクして血中のインスリン値が高くなってしまう(高インスリン血症)という状況は、ガンが発生しやすいことがわかっています。

 これは、インスリン、インスリン・アナログ(インスリンに似た物質)が、細胞の分裂、成長に関わるからなのですが、さらにガン細胞は、赤血球や脳と同等の-つまり非常に効率が良い-糖取り込み装置(GLUT1)を有していますので始末に負えません。

 では、このインスリン抵抗性、高インスリン血症を改善するにはどうすればいいのかと言いますと、最も簡単な方法は運動することです。運動により、筋肉、脂肪のインスリンに対する反応性が高まり、あるいは正常化し、ガンの予防に繋がるという訳です(ご興味のある方は、GLUT4 という物質のことを調べてみて下さい)。また、運動はP53というガン抑制遺伝子も活性化させることがわかっています。

 ※ 昨年、糖尿病治療薬の、あるインスリンアナログが、ガンリスクを高めるという発表があり物議をかもしましたが、これに関しては、エビデンスに乏しいとされているようです(色々な要素があり単純に考えられない)。専門分野ではありませんので、最新情報ではないかもしれませんが・・・