TotalFx ActiveFx と湿潤療法 3. | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

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 前回からの続きです。やはり文体が異なりますが、ご容赦下さい。

 そもそもActiveFx により形成される損傷はいかなるものか。
① 直径約1.3mm 高さ0.1mmに満たない(通常使用する設定)円柱状の欠損が、規則的に並ぶ。
② 蒸散されたカラムの間は健常組織が網のように残存する。
③ 蒸散層の下及び周囲に熱ダメージゾーン(凝固される層)が生ずると思われるが、最近のデータではあまり言及されていない。
 いずれにしろ、ほぼ表皮にとどまる損傷で、熱ダメージは真皮乳頭層に及ぶ可能性がある、というところであろう。[混乱されるかもしれませんが、この熱ダメージを受けて凝固された層をescharと表現することがあります。さらにフラクショナルレーザー固有の現象として、これが数日するとカサブタのように現れます-MENDなどと呼ばれますー。DeepFx で見られるカサブタはこれです。ActiveFx で見られるカサブタは・・・]


 この施術をお受けになる方の社会的な条件
① 普通に日常生活を営んでいる健常な人。そのためQOLを低下させず、またsocial downtimeを最短にしようと企図する。
② 入院や頻回の通院は出来ない場合が多く、自身で施術後処置を行うこととなる。
③ ほぼ全員が非医療従事者、または創傷処置の教育を受けていない人。
つまり、簡便かつ合併症(トラブル)の少ない方法が望ましい。そして、被覆材の使用法・期間は、risk-benefit ratio の観点から考えるべきである。


 かように様々のことを勘案した上で、後処置のプロトコールは作成されたのだと思います。少なくとも、ブリッジセラピーを行っているドクターは、これまで私が書いてきた程度の事柄は前提として認識していますので(多少の見識の違いはあると思いますが)、その指示は守られた方が良いと思われます。