湿潤療法ひいては創傷治癒に関して、総論らしきものを書いても意味はないと思われますので、ここでは、ActiveFx の後処置に関連することに焦点を絞って書いてみたいと思います。
そもそも創傷治癒に対する考え方は、現在色々な議論、見識があり、これが絶対と言えるものはありません(当たり前と言えばそうですが)。挙句は、感情的な「喧嘩」レベルの争いも・・・
その中で、私個人?が「現在のところ」信じている事柄で、前記焦点に関して列記してみます。
① 真皮を含めて、それより深い傷の治癒に関しては、おそらく湿潤療法が最も理に適っている。一方で、角層にとどまる損傷は、健常者の場合、乾燥状態の方が早く治ることもありうる。(角層を越えるが表皮にとどまる場合はどうだろうか?)
② 創傷被覆材はむろん万能ではなく、また取り扱いに注意しなければ、創面を悪化させることもありうる。特に、何らかの粘着剤が使用されている場合、滲出液が多い時であればともかく、少なくなった時点でさらにこのような被覆材を載せると、創面に直接貼り付くことになる。また、何日貼り続けても構わないという意見もあるが、通常の日常生活を送っている人であれば、周辺皮膚を清潔に保つ意味でも毎日貼り直す必要がある。そして、この貼り直しの際に再生した表皮を損傷する可能性がある。
③ 滲出液は各種成長因子を含み、創傷治癒に欠くべからざるものであることは常識だが、健常皮膚に対しては害悪となる場合もありうる(接触性皮膚炎など)。特に、密封してしまうとトラブルが起こりやすい。
④ いわゆるカサブタは、つくらないように治すのが一般的には良いと言われる。なぜなら、カサブタは一種の創傷被覆材ではあるが、機能的に人工的な被覆材より劣るからというのが理由である。
さらに言及すれば、日本語で「カサブタ」と総称されているものには、前ブログで少し触れたように、実際は、crust と eschar に分類される(というか、escharをカサブタと和訳したことに問題があるのでは?)。escharは、上皮化を阻害する要因以外の何者でもないので、切除が必要となることが多い。一方、crustの方は、水溶性であり、湿潤環境を維持すれば、自然に溶解もしくは脱落する。
私自身の頭の整理として書いていますので、文体が読者の方向けではありません。申し訳ございません。
さらに、続きます。