スイセン Narcissus tazetta var. chinensis
真っ白なスイセンです。清楚で、純白のウェディングドレスが頭に浮かんできます。
他にも、白い花がありますが、アルビノとどう違うのでしょうか?
動植物にはアルビノという白色化した色素を持たないものを意味する言葉があります。
アルビノとは遺伝子情報の欠損によって起きる白色化で一種の病気です。
植物のアルビノが出現した場合、クロロフィルが存在しないので、葉は白くなります。その結果、光合成ができないので枯れてしまいます。生存率は0%ということです。
ですから、ではこの白い花は、正常な遺伝子情報により白花が出現する場合で、白変種と言うのだそうです。
動物の色素はメラニンで、紫外線を吸収し細胞へのダメージを軽減する働きを持っています。
シロヘビやウーパールーパー、白いカラスなどがアルビノとしてはよく知られています。また、アルビノの動物は目にも色素が無いので赤く、哺乳類では白ウサギ、ラット、マウスなどもそうです。
そして、北極グマや北極キツネは白変種のグループが生き残った1つの種なのだそうです。
アルビノは病気ですが、白変種は正常な個体なので生態は普通種と変わりません。
白変種は祖先が氷河期を生き抜いてきた証拠であり、白が氷河期の生き物にとって保護色になったということです。
稀に白色化した生物と遭遇するときは、遠く氷河期と太古のロマンに思いを馳せる良い機会とでも言うことができます。

