嫁菜は若芽を食用とする類中で、最も美味でムコナ(シラヤマギク)に対してついた名前です。
地下茎で、どんどん増えていきますが、湿気を帯びた肥料分の多い土地に群生しているのは良く見かける光景です。
春の若草のときは、摘み草として摘み取られ、夏が過ぎる頃には花が咲いて、その花が美しい『野菊の如き君』などと、美しい人の引き合いに出されるようになります。
上の写真、本当に綺麗ですネ!
『野菊の如き君』となれば、伊藤左千夫の
”野菊の墓” http://www.aozora.gr.jp/cards/000058/files/647_20406.html が、思い浮かびます。
小説の中には、シオン(紫苑)の名前が出てきます。
シオン Aster tataricus L
一つ一つの花は、ヨメナと似ていますが、花のつき方(散房花序)が違います。写真のヨメナは柄の先に花が一つ付いていますが、シオンは、柄の先に束になって花が付きます(散房花序)。
野菊とは、一般的には、野生の植物でキクに見えるもののことを野菊と言います。ですから、一口に野菊と言うと、いろんな種類の花があります。
地域によって違いがありますが、これに当てはまりそうなものは、リュウノウギク、ノコンギク、シラヤマギク、シロヨメナそしてシオン。もっとあると思いますが……。
花びらだけでは区別できなく、葉の形を見なければはっきり分かりません。
でも、なぜか野菊を見るとホッとして心が癒されます。
それにしても、政夫とお民さんの純愛を書いた『野菊の花』、もう一度読み直してみるのも良いですね。

