<21st Apr Sun>まじかるクラウンイギリス誕生日ケーキ

今日は女王様の93歳のお誕生日(公式バースデーは来月)。 イースター・サンデーなので教会のサービスに出席されたそうです。彼女は英国国教会のトップですし、ちょうどよかったですね。このまま百歳までお元気でいて下さいますよう・・。
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せっかくの良いお天気なのに家にこもってるのも勿体無いけど、音楽聴きながらオランダ旅行の写真をじっくり眺めるのも楽しい。チューリップで有名なキューケンホフでどっさり撮った写真の中からブログ用に選び終わったのですが、その前に、目的の一つでもあった国立歌劇場で観たオペラについて終わらせましょう。歌劇場については→こちら

 

 

4月10日に観たのはタンホイザー(→こちら)。肉体的快楽と精神的な愛のせめぎ合がテーマで、ワーグナーの崇高さをセクシャーが充分味わえ、有名な曲もいくつか出てきて、ワーグナーの中でも人気の作品ですが、ヘンテコな新プロダクションかもしれないし、パフォーマンスも大した期待はしてませんでした。でも、これがなかなか良くて、旅行のハイライトの一つになったのでした。 

 

カメラ小さい写真はクリックで拡大します。トーチャンの良いカメラで撮ったのがほとんどで、いつもより質が良いですしね

 

清純な恋人と風俗のオネエサンの間を行ったり来たりの駄目男タンホイザーが主役なんですが、今回は彼の親友であり恋人を横恋慕するヴォルフラムがいつも彼女に寄り添って、まるでエリーザベトとヴォルフラムの恋物語。 ヴォルフラム役のバリトンが素晴らしくて彼に注目したし、ので余計にそう思うのかもしれないけど、違う視点で楽しめました。端正な容姿で魅力的なヴォルフラムを強調するために対するタンホイザーには小柄でぱっとしないおっさんテノールを配したわけではないでしょうが(オペラはそんなこと配慮する余裕はない)、美男美女のヴォルフラムとエリーザベトはビジュアル的にも完璧でケミストリーも感じられました。

 

クリストフ・ロイは10年前にROHのトリスタンとイゾルデ(→こちら)で物議をかもし出した演出家ですが、今回はパリの美しいサロンを舞台にドガの踊り子の絵から抜け出たようなバレリーナが踊り(勿論いやらしい場面もあるのですが、やり過ぎず)、燕尾服の男性たちが(女性も)格好良いし、とにかくすっきりと美しい舞台でした。先にアムステルダムでプレミエして今ROHでやってる話題の運命の力も彼の演出で似た感じですが、こっちの方が綺麗。

 

 

 

Musical Director Marc Albrecht

Stage director, choreography Christof Loy

Set Johannes Leiacker

Costumes Ursula Renzenbrink

Light Olaf Winter

Dramaturgy Klaus Bertisch

Orchestra Netherlands Philharmonic Orchestra
Chorus Chorus of Dutch National Opera
Conductor Ching-Lien Wu
Tannhäuser Daniel Kirch

Elisabeth Svetlana Aksenova

Wolfram von Eschenbach Björn Bürger

Venus Ekaterina Gubanova

Hermann, Landgraf von Thüringen Stephen Milling

Ein junger Hirt Julietta Aleksanyan - Dutch National Opera Studio

Walther von der Vogelweide Attilio Glaser

Biterolf Kay Stiefermann
Heinrich der Schreiber Lucas van Lierop - Dutch National Opera Studio
Reinmar von Zweter Eric Ander
4 Edelknaben Tomoko Makuuchi, Fang Fang Kong, Elsa Barthas en Itzel Medecigo
 

 

     

ヴォルフラムのビョルン・ブルガーは33歳のドイツ人で、バリトンにはあまり魅力を感じない私でも聴き惚れた細めの美声。グラインドボーンに縁があるようで、セヴィリアの理髪師にも出たことあるみたいだし、今年は魔笛のパパゲーノですって。来年はモネ劇場でドン・ジョバンニとフィガロの伯爵も予定されてて、躍進中なのでしょう。ビリー・バッドも唄うようなので、来週始まるROHに代役で出てくれないかなあ。

タンホイザーは名前を聞いたこともない中年のダニエル・キルシュ。最初は声がしょぼくて、うーんフォークト様の出演は期待できないでしょうけど、なにもここまで一気にランク落とさなくても・・とがっかりしたのですが、段々良くなって、最後は癖のない美声で彼の出番が待ち遠しいほどになりました。存在感薄かったですが、私のとってのタンホイザーは去年ヴィースバーデンまで遠征したフォークト様なので(→こちら)、それと並ぶのは誰にも無理だけど。

 

エリーザベトのスベトラナ・アクセンノワも知らないソプラノですが、地味だけどしっとりした歌唱で充分合格点。

 

ヴェーヌス役のエカテリーナ・グバノワが知名度一番高いのですが、なんかぱっとしませんでしたね。

 

大柄で不敵な面構えのステファン・ミリングはいつも通りの凄い声量と存在感。メイドの扮装したジュリエッタ・アレクサンヤンの可憐な容姿と鈴のような歌声は印象的で、ここにしょっちゅう出てるのでしょうから、アムステルダムのオペラファンが羨ましいです。

 

オケもコーラスも素晴らしくて、最後は盛大なスタンディングオベーション拍手。スタンディングオベーションがやたら多い所もあって、オランダもそうなのかもしれないけど、この日は皆さん本当に楽しんだ筈。

 

 

         

 

   

 

 

 

 

       

 

 

 

 

歌劇場からホテルまでは徒歩20分だけど、写真撮ったり、フライドポテト(これだけ売ってる店が結構あるので)を立ち食いしながら回り道してゆっくり戻りました。 夜遅くても若者が騒いでるレンブランド広場にはレンブラント先生の下に有名な夜警の絵をそのまま再現した等身大の銅像群がありました。