<7月17日(土)>
今日はROHのシーズン最後の日。午後のJette Parker Young Artistsのコンサートと夜のトラヴィアータのダブルヘッダーに行ったのですが、なんと最後の最後でまた大騒ぎがありました。椿姫のアンジェラ・ゲオルギューがお腹をこわしたらしくて降板したんです。
代役のマリーナ・レベカ嬢はなかなか素晴らしかったのですが、その時の様子は明日書くことにして、今日は偶然というかオペラでは普通のことというか、別のオペラの代役ドラマについてアップします。まったくオペラ歌手って奴らは・・・
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7月13日にヴェルディのシモン・ボッカネグラに行きました。リハーサル(→こちら )、初日(→こちら )に続いて3回目でした。
Composer Giuseppe Verdi
Director Elijah Moshinsky
Set Designer Michael Yeargan
Costume designs Peter J Hall
Conductor Antonio Pappano
Simon Boccanegra Plácido Domingo
Amelia Marina Poplavskaya
Fiesco Ferruccio Furlanetto
Gabriele Adorno Joseph Calleja
Paolo Jonathan Summers
Pietro Lukas Jakobski
癌の手術をちょっと前にしたドミンゴ先生ですが、6月26日(リハーサル)、29日、7月2日、5日、13日、15日と6回全部に出てくれました。リハーサルの後はすぐウィーンに飛んでガラ公演に出演し(歌ったのだろうと思います)、他の日もとんぼ返りでヴェローナで指揮をしたなんて凄いです。おまけに、真ん中に1週間以上空いてるときは一体どこで何をしてるのかしらと思ったら(ゆっくり休養してる筈はないので)、なんと南アフリカでW杯観戦してたんだそうです。ったく、元気な爺さんだ。
しかし、7月13日は、69歳で病み上がりのドミンゴ老人が穴をあけずに頑張ったのに、ドミンゴ爺よりはだいぶ若いだろうと思われるフルッチオ・フルラネットが倒れちゃいました。天気が悪いので盛り上がらないだろうとは云え、イギリス中の何箇所かで大スクリーンで同時生中継される大事な日だってのにタイミング悪いこと。スポンサーは世間を騒がせてるあのBPだから、今年が最後かもしれないのにね。
フルラネット、倒れたとは云え、歌えないけどお芝居はできるというオペラ歌手特有の中病人で、急な決定だったらしいので、代役は芝居はせずに歌だけ歌うというこれまたオペラでしかあり得ないだろう妙な形式(私は結構何度か遭遇してますが)になりました。
開演前の出演者変更のアナウンスで、フルラネットが出ませんと言ったときの「えーっ、残念!」という溜息は少しありましたが、「でも代役がSir John Tomlinsonですから」と聞いて大きな拍手が起こりました。イギリスではトムリンソンの知名度の方が高いし、代役にしては大物を引っ張ってこられたことにまずは感謝ってことでしょう。
左下の音譜台が見えますか?
しかし、音譜見ながら歌う人と舞台で演技する人が違う場合、遠くの席からなら大して違和感なく観られるでしょうが、私のストールサークル席は舞台のすぐ横でしかもトムリンソンが立つ側なので、一体感を感じることは不可能。ほんの数メートル先でトムリンソンが例の大声を張り上げるとそれに圧倒されてしまい、舞台の上でドミンゴ先生が熱演しても、なんだか向こうの方で小さな声でやってるわということになってしまい、全くのぶち壊し。
同じ状況でも、去年のセヴィリアの理髪師の時のトビー君(→こちら )みたいに大好きな歌手がずっと近くで歌ってくれたら極楽ですが、トムリンソンの声が好きなわけでもなく何度も聴いて飽きてるので、もちろん上手だし文句はございませんが、全てを掻き消す彼の低い大声に「うるせえな~」とまで思ったりして。これがレオ・ヌッチだったら、全体ぶち壊しでも構わなくて万々歳だったですけどねえ。
トビー君の時は舞台で口パク演技してるコリン・リーなんか見もしなかったですが、今回はトムリンソン爺さんよりフルラネットの方がかっこ良いので双眼鏡でアップをしっかり見たのですが、口は一応それらしく動かしてるものの、時にはそれすらせずにかなりええ加減。具合が悪かったせいなのか、それとも大スクリーンでアップになるわけだから一生懸命芝居しようとしても声出さずには力が入らないのでしょうか、かなり手抜き演技に見えましたぞ。
尚、この後もう一回あったのですが、フルラネットは復帰できず、Paataなんとかというぱっとしないおじさんが歌も演技も代役を勤めたそうです。18日のプロムスのコンサート形式には出てくれるでしょうか?
ドミンゴとフルラネットの絡み場面がこのオペラの見所だったのに残念。
ドミンゴ先生は熱演、カレヤも上出来、だけどポプラフスカヤだけが何をか言わんや、でした。


