<7月7日(水)>

この時期、バレエが終わってしまったROHはオペラばかりになるので、オペラファンは忙しいこと。今夜はマノンの3回目でした。ヒイヒイ

フィガロの結婚については、これまで数回の歌手たちと比べながら書こうと思っていたのですが、すみません、とてもそんな余裕はないので、昨日のW杯準決勝(オランダ対ウルグアイ)を横目で見ながら、パフォーマンスについてだけ大体書き殴っておきましたパンチ!

W杯と云えば、今日のスペイン/ドイツ戦も観られなかったし、もうこれで観ることができません。イングランドが勝ち残ったてたら口惜しいですが、そんなことはまずなかろうと踏んで小旅行をセットしてあるので。

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オペラ三昧イン・ロンドン

オペラ三昧イン・ロンドン

6月9日、17日、20日、23日と4回行きましたが、中2回は諸事情で半分づつしか観られなかったので、結局3回観たことになりますかね。


どんなお話なの?とかは以前の記事→こちら でご覧下さいですが、細かいところがややこしいというか、かなりハチャメチャな展開なのですが、要するに、伯爵の召使となった元セヴィリアの理髪師フィガロと小間使いスザンナとの結婚の日のドタバタで、領主の「初夜権」を行使しようとするスケベ伯爵をあの手この手でこらしめようとする話です。


オペラ三昧イン・ロンドン
Composer Wolfgang Amadeus Mozart
Director David McVicar
Designer Tanya McCallin

Conductor Colin Davis/David Syrus
Figaro Erwin Schrott
Susanna Eri Nakamura
Count Almaviva Mariusz Kwiecien
Countess Almaviva Annette Dasch/Soile Isokoski
Cherubino Jurgita Adamonyte
Bartolo Robert Lloyd
Basilio Peter Hoare
Don Curzio Christopher Gillett
Marcellina Marie McLaughlin
Barbarina Amanda Forsythe
Antonio Nicholas Folwell


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フィガロ

2006年のプレミアではピチピチに若くてお茶目でチャーミングだったウルグアイ人のシュロット、その後ドン・ジョバンニも立派に(そしてセクシーに)こなし、天下の美貌の歌姫ネトレプコを嫁にして父親になり、どんなに成長したフィガロを見せてくれるかと期待は大きかったですがアップ


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ガーンうわーっ、成長し過ぎて、オッサン臭くなっちゃいましたね~。主に髪型のせいだけど、なんで坊主頭になんかにしたんだよっ! と、男性でも髪型が大切なのだと改めて思い知ったことでした。 


しかし、ビジュアル面ではがっかりしたけど、軽々と出る低音は相変わらず魅力的で、ユーモア演技に余裕も加わり、もてもてネトコちゃんがお婿にしてあげただけあって、水際だった良いオトコだわ~ラブラブ! 何度も見てたら坊主頭にも慣れたし、苦味のある二枚目になった今、凄みのあるぞくっとするような悪役もいいんじゃないかなあ。


因みに、シュロットが唯一知ってるウルグアイ人だったけど、W杯観てたら良い男もいたわねキスマーク


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アルマヴィーヴァ伯爵

ずっとキーチェンと呼んでましたが、どうもキヴィーチェンというのが正しいらしいのです。でも定かではないしかわいげないので、マリウスにしましょう。


シュロットと並んでROHでベストなドン・ジョバンニだったマリウス、私結構ファンなのですが、フェロモン男シュロットには演技も歌も少し劣るものの、素晴らしいスケベ伯爵でした。


でも、なんか怒ってばかりでちょっと一本調子だったので、伯爵としてはプレミエの時の幅のあるジェラルド・フィンリーの方が役者が一枚上だと思いました。NYメトでネトコちゃんと共演したルチアの時にこういう風に怒り炸裂して欲しかったわ。あの時はおとなし過ぎてつまんなかったから。


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というわけで、上出来の男性二人が女性陣に勝った今回のフィガロの結婚でした。



スザンナ

日本人にとっては女性陣で注目だったのは何と言ってもスザンナ役の中村恵理さんですが、若手アーチストの身で主役に大抜擢された理由は明らかに理解できる立派な歌唱力でした。先回のクルチャクの軽やかさが私は大好きだったので、恵理さんの声はおきゃんな女中役には重過ぎると最初は思ったのですが、何度も聴いてるうちに、恵理さんの低音も素晴らしいことに感心。Jette Parker Young Artist制度始まって以来の主役ですが(代役は別にして)、ROH側も喜んでるでしょうし若手歌手にも励みになるに違いわけで、恵理さんの功績は大きいです。


ルックス面で違和感あるのは仕方ないですから、この際大目に見ないとね。それは恵理さん自身もよくわかっているようで、自虐ギャグもあり、衣装をとりかえて伯爵夫人になりすます場面で二人いる伯爵夫人のうち長身のAnnette Daschの時は踏み台の上に乗っておどけ、同じくらい小柄だけどボインのSoile Isokoskiの時は胸を大袈裟に持ち上げて笑いを誘ってました。そうよ、恵理ちゃん、その調子で体格の欠点を逆手にとって印象つければいいのよクラッカー それにしても、西洋女性でも胸のぺったんこの人はいるのに、今回は全てが立派なオッパイの人ばかりだったので、日本人の貧弱さをいやという程見せられてしまい、うーん、それならやっぱり日本女性は着物じゃーっ!と思うしかないような・・・。


体型の貧弱さはさておいて、歌は多くないけれどキュートで利発なスザンナはコメディ女優の素質もないと務まらないので、残念ながら恵理さんのよさが一番出る役とも思えません。

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アルマヴィーヴァ伯爵夫人(ダブルキャスト)

長身で舞台映えのする若い無名のAnnette Daschと、マリウスの母親に見えそうなくらい年増で低美人度競争では優勝候補の有名歌手イソコスキという対照的な二人のソプラノでしたが、総合点では引き分けってところでしょうか。

さすがにイソコスキは変化に富んで余裕があって上手なのですが、長身美女Daschはエレガントでとても素敵なので、一本調子気味で硬い歌唱だけど魅力的でした。このルックスでメゾソプラノだったら理想的なズボン役になれるのに、惜しい。

でも、二人とも、前回のバーバラ・フリットリには負けます。


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ケルビーノ
(鼻血ドバドバの思春期少年)

クリスティーネ・シェーファーとのダブルキャストの筈だったのに、シェーファーが早くに降りたので、結局ずっとJurgita Adamonyteになったけど、私はThe Gamblerでとても気に入った彼女の方を楽しみにしてたので文句はなく、期待通りの明るい輝きの声にうっとり聴き惚れました。今まで聴いたROHのケルビーノの中では一番好きなので、秋のコジ・ファン・トゥッテのドラベッラが凄く楽しみ。


その他

結局フィガロの母親だったということがわかる中年マルチェリーナのマリー・マクロークリンはジャンニ・スキッキでも美しかったし、まだまだ主役として活躍できるソプラノだと思います。

バルトロ医師は「頼むから、ええ加減に引退してくで~」のロバート・ロイド爺。

このクネクネ音楽教師ドン・バジリオはプレミエのフィリップ・ラングリッジが抜群だったので、他のテノールじゃ駄目なのよ。最後まで歌い続けて今年3月に70歳で癌で亡くなったイギリスを代表する名テノールのラングリッジの冥福を祈ります。

私の好きなアリアを歌うバルバリーナもとても良かった。



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