とりあえずの応急処置~フォーム | オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

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主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。

リアルで見たものをまた映像で見るってとても面白いものだ。

顔が大写しになるからもっと細かくフォームがわかり再確認出来る。

それで連れ合いが言うには

「やっぱりグリゴーロはいいよ。舌が上がってる」という事だった。

 

私達はこのトスカを現地で23日と27日(ビューイング)、2回見ている。

23日はことの他グリゴーロが素晴らしく、連れ合いなどは

「いやあ、コレッリを越したね」と感激していたのだが、

27日は23日ほど調子が良くなかった気がした。

普通の人にはわからない位だろうが肺の膨らみが少し弱い感じだった。

こういう事は私達歌い手にはよくある。

いくら息をしても息が吸えない、肺に空気が入らない。

多分過労状態で身体が固いのだろうな。

生身の楽器だから仕方がない。

しかしさて、そういう時はどうしたらいいのか?

空気が出ないのだからとりあえず空気が大量に出る様に出口を広げる?

でもそうすると単にアペルトになってしまい空気のスピードが落ちて散ってしまう。

だから理屈としてはスピードが出る様に空気を摩擦させればいいのだ。

とても難しく聞こえるけれど要するに、

頭(顔)を下げるか、舌を上げるか、なのだ。

そうすると出入口が狭くなって空気が摩擦する。

そしてこの舌を上げる、を彼はやっていた訳なのだった。

 

やっぱりこういう事がわかるからビューイングはいいなあ、

だけど生はもっといいなあ、と若い人達とお茶して楽しくすごしたのだった。