六本木シネマで「ホフマン物語」を見た。
ロイヤルオペラのビューイングは初めてだが、ここの所ロイヤルには何度か出かけている。
オペラを盛り立てようとお客を大事にする暖かい劇場に思えるので、今私達のお気に入りのオペラハウスになっている。
実は「ホフマン物語」はとても好きなオペラで、様々な土地で何度も見てきた。
うちで日本語に訳して上演したいものだと試みた事もある。
何とか、いずれ実現したいものだ。
さて、想像した通りグリゴーロが圧巻だった。
この役はテノールのホフマンが最初から最後まで活躍し続けるドラマチックな役だ。
テノールの大変さをわかっている我々にはほとんど技術が完璧な彼の成長が予測できた。
連れ合いに言わせると
「もうフランコ・コレッリの域に達している」のだそうだ。
それにしても生だともっとはっきりわかるのだが、
マイクを通した声は一律に同じ声量にされてしまっているので、
誰が芯のない抜けた声か一概にわからなくなっているのだろうか、
または演出や演技にごまかされてしまうのだろうか、
いつもの事だが観劇した人々の批評や感想は陳腐(失礼)なものが多い。
これも技術的な発声がわからないからだろう。
いつか少しでもこの部分の知識が広がったら・・・と思うのだが・・・
オランピアは難しく誰にでも出来る役ではないがそれを割り引いても、
発声的に感心しなかった。
ジュリエッタはなかなかいい。発声でいう「止め」がある。
アントニアは綺麗なリリックソプラノでこれからどんどん売れてくると思うのだが・・・
高音の技術を確立しないと将来は大変不安なものになるだろう。
ミューズも同じ。存在感はあるが肝心な発声がいきあたりばったり・・・
そしてハンプソン。。。。
発声の不安定さは普通なら×印だが、その余りある演技力、
面白さと人間力で良しとしようかな、ポリシーには反するけれど。
まあとにかく、やはり生の舞台が見たかったと激しく後悔・・・
と言ってみても始まらないのだが、ビューイングが見れただけでも本当に良かった♪