根性論でなく「愛」 | オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。

情けない事に数年前にマエストロが亡くなっていた事に全く気付かず、
結構衝撃を受けた。
考えてみたら習っていたのは何十年も前の話なんだから当然だわ。
自分の年完全に忘れてるしねー。

師匠やマエストロに出会わなかったら・・・とよく考える。
私の事だからそうしたら何とかしただろうが、
彼らは私の進むべき道、進みたい道に導いてくれた尊敬する師たちだ。

マエストロにはどう演技すべきか?を習った。
上っ面でなく人は心の底で何を考えるか?
真実とは何か?
それを演技として生かすには?
個々の特性を引き出すのがとてもうまかったな。
だから本音で向き合えない人はダメだったかも。

もちろん音楽においても完璧なまでに素晴らしかった。
作曲家の様式というものをこちらがねを上げるまで叩き込んだ。
出来るまで100回でもやらされた。
「出来ません」と言うと
「大丈夫。○○(ある大歌手)は200回で出来た」とあっさり言う。

彼等の指導には日本の根性論とは全く違い「愛」がある。
彼らはとても暖かくてやさしい。
そしてとても厳しい。
芸術家としてのセンスがなければ振り向いてもくれないけどね。

ただ一つ、発声においては他から得るしかなかったから、
それに出会えなかった私は大学院卒業後、
結果的に離れていく事になってしまった。

今、ヴェルディアンサンブルでやっている事はそんな事だ。
僅かだけど師匠たちから受け継いだ物を自分にもお弟子ちゃん達にも
伝えられたらいいな♪