この頃若い人達に音楽を続けるにはどうしたらいいか、等の質問が多いので、
まず自分の今までの音楽人生を振り返ってみたいと思います。
私の父は公務員、母は主婦です。
私は二人姉妹の長女に生まれました。
私は生まれた時から変わっていたので母は随分苦労したと思います。
今は誰に言っても信じてくれませんが小さい時は異常なほど消極的でした。
とにかく人前に出るのがイヤでたまらなく一歩でも外に出ると一言もしゃべりませんでした。
こういう子供をどうしたらいいか散々考え何か自信を持たせる事をさせよう、
と音楽、特にピアノが大好きだった母は自分が果たせなかった夢を果たす為にも、
3歳になった私にピアノを習わせました。
これが私の音楽人生の始まりです。
厳密に言うと本当は母の胎内にいる時から音楽を聴いていますので
もっと前からかもしれませんが。
ピアノを独学で弾いていた母はどこで先生を探していいかわからなかったので
とりあえず私を音楽教室の様な所に連れて行きました。
そこは一人ずつではなくグループレッスンでした。
まさか一番小さい３歳のチビな私が弾けるとは思わないので
先生は全く私を相手にしてくれません。
実は家でバッチリ母が教え込んでいるので誰よりも弾けていました。
たまたま他から来ていた先生が私を見ていて、
「このままここにいたら損ですよ、個人レッスンを受けた方がいいです」
と勧めてくれてようやく個人レッスンとなりました。
そして５歳になった時その先生に、
「もう私には教えられないので桐朋の音楽教室を受けたらどうですか」
と言われました。
当時桐朋は天才教育を謳っており後に批判される事もありましたが
変わっていた私には合っていたと思います。