ボローニャは何回も訪れており大好きな、そして気持ちの落ち着く街です。
ここの歌劇場は質も大変高く、今回もそれを見せつけられました。
実は最初は行く気はなかったのです。
日本では来日公演でどうしてもお金がかかってしまうのでチケット料金がもの凄く高いです。
イタリアで見ればいいわ、とどうしても足が遠のいてしまいます。
しかーし、この日本の震災で来たくないという歌手が相次ぎ、
何と言う事か、とっても聴きたいという歌手が相次いでやってきたのです。
今回「エルナーニ」と「清教徒」に行ってきました。
結果は大満足!です。
両方とも正統派オペラであまり上演されません。
とても難しいからですネ。
特に「清教徒」の方はハイDが連発出来るレジェッロかつリリックなテノールが必要です。
本来のキャストであったテノールはあまり好みではありませんでした。
この人がキャンセルしたので聴いてみたかったセルソ・アルベロが聴けた訳です。
いやあ、凄かった・・・・
確かに真ん中の声は少し引っこんでいますが高音を出すのでそれは当り前です。
ハイDも、そして何とハイFも裏声がまざらないちゃんとした実声でした。
しかも歌もうまくて聴き入ってしまいました。
うちのダンナ(テノール)は興奮してブラボー連発しちゃってました。
「クラウスを聴いて以来の大物だよ」と言っております。
残念なのはみんなに行った方がいいよ、と言っていたけれど、
僅かの人しかしかこの感動を味わなかった事ですネ。
昔、学生の頃、グルベローヴァが来た時に行かなかったら、
師匠に怒られた事を思い出しました。
旬の歌手を聴かないでどうする、いいか悪いかをちゃんと判断しなさい、と・・・
アレ以来乗り遅れない様にしています。
師匠の言葉はとても重いです。
歌いたいという気持ちがまたフツフツと湧きおこっています。
12月は本番の嵐なので今回のオペラで勉強したことをじっくり検証しようと思います。