EP6第9章:おわりのはじまり/第1話:砦の女王 | 大福のイルーナ戦記

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 EP6第9章 おわりのはじまり 

ミッション名:砦の女王
---首都エルバン---

ディエット「…お帰りなさい。すごいわね。あなたたちが戻って来た瞬間、ここにあった柱が消えたわ。魔法研究所が調査する必要も……?」


ヨシュカ「記憶の最後で見えたあの光…もしかして、サウロが異空間に閉じ込められている間にもう戦争が始まっていたのでしょうか?」


セル「サウロのあの落ち込みよう…なにかに感づいたようだったな。」


セル「…お前、まさか記憶の中の人間に情が移ったのか?それなら、これ以上は過去の記憶を見ない方が身の為だ。大人しく、オレ様と兄弟の帰りを待ってな。」


ヨシュカ「いいえ…いいえ!ボクも行きます!ボクにはあなたを目覚めさせた…記憶の碑石を各地にばら撒いた責任がある。例え次に見る過去の記憶がどんなものだろうと、ボクにはそれを見る義務があるんです!」


セル「ふん。」


ディエット「どうかしたの?この石柱の中で、あなたたちはなにを見たの?まあ、話したくないと言うのなら、それでも構わないけど。」


冒険者[呆れるエモート]


ディエット「あぁそれと新しく記憶の石柱が発見された、という情報が手に入ったわよ


冒険者[考えるエモート]


ディエット「外出していた仲間が、ミスルナの首都サテリカの城下町で謎の石柱を見つけたらしいの。特徴から考えて、記憶の石柱で間違いないはずよ。あそこは昔、義神オブリガウスと戦神オリティウスが死闘を繰り広げた戦場に一番近い土地そこで見る記憶は、あなたたちが今まで見てきた中で、一番壮絶なものかもしれないわね。」


[選択肢]
①よし、さっそく見に行こう!
②探してくれてありがとう!


[①の場合]
冒険者[喜ぶエモート]

ディエット「ふふ、応援している。それと、これを渡しておくわ。あなたたちの旅の手助けになるかも、しれないから。」

[②の場合]
冒険者[喜ぶエモート]

ディエット「お礼なんて、必要ないわ。それよりもこれを持って早く行って。ミスルナが白紙の土地になる前に、記憶の石柱を取り除いてあげて…」

【色あせたローブを受け取った!】


セル「これは…」


ヨシュカ「なんですか、この小汚い布は?」


冒険者[考えるエモート]


ディエット「そのローブは何百年も前に作られた骨董品。魔法研究院生が着ているローブのオリジナル。だけど、いわくつきらしくて展示される事もなく魔法研究院に保管されていたの。私はこの事をエルバーノ王に知らせたら、また記憶の石柱について調べてみるわ。」


冒険者[頷くエモート]


---新しいミッションが開始されました---

---首都サテリカ---

冒険者[記憶の柱に触れる]


幻[オブリガウスに武器を向けるローブの男が映る]


ヨシュカ「い、今のは…!」


[選択肢]
①義神が奇襲されていたぞ!
②あのローブの男は何者なんだ!?


[①も②も同じ会話]

冒険者[悔しがるエモート]

ヨシュカ「ローブの人物は一体何者なんでしょう?敵は恐らくオリティウス兵の誰か

セル「さてな。だが、この記憶の石柱の記憶を辿れば、その答えも分かるはずだ。なあ兄弟、今見た記憶の中に、見覚えのあるものはなかったか?兄弟が持っているもので、アーティファクトになりそうなものがよぉ。」

ヨシュカ「そういえば記憶の中で見たローブって、ダルカンで拝借したものと似ていませんか!?」

冒険者[喜ぶエモート]

セル「あぁ。あのディエットって女、なかなかやるな。それともオレ様たちの運が良かったのか

ヨシュカ「とにかく、これでアーティファクトを探しに行かなくてすみましたね。さあ、行きましょうか。」

冒険者[頷くエモート]

---ミッションが更新されました---
ヨシュカ「ディエットの話だと、この首都は戦場に一番近い場所だったんですよね。過去は一体どんな光景が広がっているのでしょう。」

セル「なんで義神オブリガウスを襲った奴のローブを、ダルカンが大事に保管してたんだ?まさかあいつの指示か?だとすると、本当に胸糞悪いないや、なんでもない。こっちの話だ。」

冒険者[記憶の柱に触れる]


[選択肢]
①記憶の中に入る。
②まだ準備ができていない


[①の場合]
共通文へ

[②の場合]

[同じ選択肢をやり直し]

---ボルト村---

ヨシュカ「あれ?ここは…以前立ち寄ったボルト村、ですよね?」


セル「戻ってきちまったのか?」


男「あ、お前ら!」


ヨシュカ「あなたは砂漠で襲って来た…なにをしているんですか?」


男「お前たちにやられた仲間の手当てだよ!カガンさんが持って来てくださった傷薬のおかげで快方に向かっているが…お前ら、少しは手加減してくれたっていいだろう!」


ヨシュカ「…襲ってきたのはあなたたちでしょう。」


冒険者[悔しがるエモート]


男「…そういえば、カガンさんがお前たちを探してたぞ。この前捕まえた子供たちについて話を聞きたいとかなんとか…オレも詳しい話は知らねえよ。カガンさんならオアシスの近くにいたはずだぞ。」


冒険者[頷くエモート]


カガン「よぉ、そろそろ来る頃だと思ったぜ。リヒトたちがどうなったか気になっているんだろう?」


[選択肢]
①リヒトたちは無事なの?
②酷い事はしていないよね?


[①も②も同じ会話]

カガン「ハッハッハ、安心しな。あいつらにはなにもしてねえよ。子供に手を上げるなんて、大人がする事じゃあないからな。ただ、リヒトが武器を取られたと分かった瞬間、わめき散らしてなあ…ありゃあ驚いた。そんなこんなで、そろそろイエニャの怒りが爆発寸前なんだ。俺もこれ以上は庇いきれねえ。そこで相談なんだが、お前さん、リヒトたちを連れて逃げてくれねえか?」

冒険者[考えるエモート]

カガン「本当はリヒトたちを義神オブリガウスと会わせたかったんだが、イエニャと俺の嫁に止められちまってな。このままじゃあ、あいつらは戦争が終わるまでずっと監禁されたままだ。頼む、協力してくれねえか?」

冒険者[喜ぶエモート]

カガン「ありがとよ。そうと決まれば、さっそく俺たちのアジト…サテリカ城砦に案内するぜ。サテリカ城砦は強欲の黄砂を進んだ場所にある。強欲の黄砂は道が入り組んでいて迷いやすい。しっかりついて来いよ。」

冒険者[頷くエモート]

---ミッションが更新されました---
---サテリカ城砦---

カガン「ここがサテリカ城砦だ。お前さんらの事は俺から城内の奴らに説明してあるが、騒ぎは起こさないでくれよ?今、リヒトたちを連れて来るから、ここで待っててくれ。」


ヨシュカ「…ボクたちはついていかなくてよかったのでしょうか?」


セル「あの男から敵意は感じられなかった。心配いらねえよ。あいつがリヒトたちを連れて来るまで時間があるだろうし、城内を見て回ろうぜ。」


---ミッションが更新されました---

---サテリカ城砦・訓練場---

義の民「あんたは確か…カガンの兄さんが話していた客人だよね。どう、うちの子は?この子はロワリオンという種族で、とても動きが俊敏で賢い子なの。この子と一緒ならオリティウス兵なんて敵じゃないわ!」


冒険者[頷くエモート]


義の民「…あんた、カガン兄さんに認められたって事は、腕はそれなりのはずだよね。どう?肩慣らしに、この子と戦ってみない?」


冒険者[喜ぶエモート]


セル「おいおい、戦うつもりかよ。」


ヨシュカ「やめた方がいいんじゃあないですか?」


義の民「ヤル気だね。それじゃあ、勝負…」


声「そこまでだよ!」


義の民「ア、アルティエ姐さん!!」


アルティエ「騒がしいと思ったら…これは一体なんの祭だい?」


義の民「す、すみませんアルティエ姐さん!ロワリオンのコンディションを整えようと…」


アルティエ「だからといって、こんな子供とロワリオンと戦わせるとはどういう了見だい!一歩間違えれば、大事な戦いの前に死人が出るところだったんだよ!」


義の民「ひいいぃ、ごめんなさい!」


ヨシュカ「ふぅ…無駄な戦いは避けられたようですね。」


アルティエ「うちの奴らが迷惑をかけたようだね。怪我はなかったかい?」


冒険者[頷くエモート]


アルティエ「そうかい、なら安心したよ。あんた、旦那が言っていた客人だろう?よくここまで来てくれたね。ところであいつはどこに……全く、客人をほったらかしにするなんて、困った男だよ。」


冒険者[考えるエモート]


アルティエ「あぁ、挨拶してなかったね。あたしの名前はアルティエ。義神オブリガウス様に仕える戦士さ。旦那が世話になっているようだね。今後はあたしとも仲良くしておくれよ。」


冒険者[喜ぶエモート]


アルティエ「冒険者に、ヨシュカに、セルだね。覚えたよ。なるほど、皆いい面構えをしてるね…確かに、この目を見たら、勝負を挑みたくなるのも無理はない。」


ヨシュカ「…へ?」


アルティエ「どうだい?ロワリオンの代わりに、あたしと一勝負してみないかい?」


アルティエ[武器を構える]


アルティエ「久しぶりに腕の立つ奴が現れたんだ。腕試ししたくなるのも当たり前さあ!」


セル「…マジかよ。」


ヨシュカ「血の気の多い女性ですね…」


義の民「なんの騒ぎ?」


義の民「アルティエ姐さんが客人と戦うみたいだよ!」


義の民「アルティエ姐さーん!頑張ってくださーい!!」


アルティエ「ふふ、場が温まって来たねえ!それじゃあ、いくよ!!」


冒険者[アルティエと戦う]


義の民「すごい!アルティエ様と互角だなんて…」


義の民「あいつ、一体何者なの?」


アルティエ「ハハハ、あんた、そんなひょろそうな身体でなかなかやるねえ!これなら少し本気を出しても…」


声「アルティエ!」


カガン「お前…騒ぎを聞きつけて来てみたら、なにしてんだ!自分の立場が分かってるのか!」


アルティエ「うるさいねえ…軽い運動に付き合ってもらっていただけじゃないか。別に本気で戦おうなんて思っちゃいないよ。それに、自分の立場だぁ?昼夜問わず飲んだくれてるあんたに言われたくないねえ。」


カガン「それは…お、俺の事はいいんだよ!今はお前の事を言ってるんだ!」


アルティエ「ふ〜ん…?自分の事は棚に上げてあたしに説教するのかい?随分といいご身分じゃないか!」


カガン「お、落ち着けよ。俺はお前の身体の事を思ってだな…」


冒険者[呆れるエモート]


少女「冒険者様、ご無事でなによりです!」


冒険者[喜ぶエモート]


ヨシュカ「あなた方も怪我がなさそうで安心しました。」


ケルトイ「おい、冒険者!そこのオッサンを説得してくれよ!あいつ、義神と謁見させるっつう約束を破った挙げ句、俺たちの武器をどこかに隠しやがったんだ!おまけに、今すぐあんたと一緒にここから去れっていうんだぜ!?意味が分からねえ!!」


リヒト「僕たちには大事な使命があるのに…どうして分かってもらえないんだろう。」


カガン「だぁから、さっきもちゃんと説明しただろう?あんな危険な武器を子供が持つのは危険なんだ。戦争が終わったら、俺が責任を持って処分してやるから。」


ケルトイ「余計なお世話だ!義神に会わせる気がないんなら武器を返せ!おいリヒト、お前もなにか言ってやれ!」


リヒト「う、うん!」


イエニャ「アルティエ様!」


アルティエ「イエニャ?」


イエニャ「なっ!なんでお前たちが外に出ているんだ?」


カガン「まあまあ、こいつらは武器がなきゃただの子供だ。そんなに警戒しなさんな。」


イエニャ「でも!お二人にもしもの事があったら私は…!!」


アルティエ「あっはっは!イエニャは心配性だねえ。安心しな。そう簡単にくたばったりしないよ。そんな事より、あんた、随分と慌てていたようだけどどうしたんだい?もしかして、オリティウス軍が攻めて来たのかい!?」


イエニャ「い、いえ!そうではないのですが…実は、オリティウス軍の使者を語る人間が城砦の前に現れました。なんでも、休戦の申し出に来たと…オブリガウス様にお目通りを願いたいと言っていました。」


ケルトイ「なんだって!?」


カガン「この状況で休戦だと…?本当にオリティウス軍の使者なのか?」


イエニャ「はい!オリティウス軍のエンブレムをつけていましたし、見たところ、武器らしいものはなにも…どうしましょうか?」


アルティエ「…よし、通しな。あたしが謁見の間まで案内するよ。」


イエニャ「アルティエ様お一人でですか!?それは危険すぎます!私も同行させてください!」


カガン「俺も行くぜ。万が一に備えて誰かが同行した方が…」


アルティエ「あんたが来たんじゃあ場がしまらないんだよ!イエニャ、あんたもいなくなったら誰が部隊を率いるんだい?」


イエニャ「でも…」


アルティエ「心配いらないよ。あたしにはオブリガウス様にもらったこの神の武器があるんだ。相手がなにをしてこようと返り討ちにしてやるさ!」


カガン「だ、だけどよぉ!お前にもしもの事があったら…!」


アルティエ「しつこい!あたしが惚れた男はこんな頼りない男じゃないぞ!!」


イエニャ「分かりました…では、せめて入口までは同行させてください。」


---サテリカ城砦---

イエニャ「アルティエ姐さん、こいつがオリティウス軍の使いの者です。」

使者「はじめまして、アルティエ様。私が戦神オリティウス様の使者でございます。義神オブリガウス様との謁見をお許し頂き、感謝いたします。さっそくお目通りを…」


アルティエ「おっと、その前に最後の確認だよ。本当にオリティウスが休戦を宣言するんだよね?」


使者「はい、もちろんでございます。こちらにオリティウス様が直筆なされた手紙がございます。どうか信用ください。」


アルティエ「…分かった。その言葉を信じようじゃないか。ついておいで。」


使者「ありがとうございます。みなさん、それではまた、お会いするその日まで。」


使者[一礼して謁見に行く]

使者[何か紙のようなものを落とす]


セル「……」


カガン「オブリガウス様が休戦を承諾すれば、戦争は終わりか…ようやく落ち着いて酒が飲めるぜ。」


イエニャ「あなたは隙があれば酒を飲んでいるでしょう?今後の事を考えてお酒を控えた方がいいのでは?」


カガン「ええ!?いやあ、酒だけは勘弁してくれよ。俺の唯一の楽しみが…」


ヨシュカ[使者が落とした物を拾う]


少女「ヨシュカ様、どうなされたのですか?」


ヨシュカ「…これ。さっき、オリティウス軍の使者が持ってきたっていう手紙なんですが…」


ケルトイ「おいおい、まさか落としていったのか?とんだマヌケだな。早く届けてやらねえと…って、なんだよこれ!?」


【ヨシュカが持っていた手紙を覗き込むと、手紙の内容は白紙だった!】


リヒト「に、偽物…?」


イエニャ「これは、どういう事!?あの使者は、この手紙をオブリガウス様に見せてどうするつもりだったんだ!?」


カガン「まさか…」


カガン[一目散に走っていく]


イエニャ「カガンさん!?」


ヨシュカ「ボクたちも追いかけましょう!なんだか、すごく嫌な予感がします…!」


冒険者[頷くエモート]


---サテリカ城砦・義神の間---

アルティエ「オブリガウス様、オリティウス軍の使者を連れて来たよ。休戦の宣言を伝えに来たんだと。」


オブリガウス「おぉ、そうか!オリティウスの奴、ついに音を上げたか!」


アルティエ「これでようやくあたしたちの苦労が報われる。さあ、終いだ。オリティウスの休戦宣言をここで告げな!」


使者「はい…」


使者「えぇと、オリティウス様から受け取った手紙がここに…」


オブリガウス「…おい、まだか?」


使者「もうしばらくお待ちください。確かここにしまっていたはずなのですが…」


アルティエ「……?」


使者「…あぁ!ありました、ありました!こちらに、オリティウス様のご意見が…」


[使者は懐から手紙ではなく剣を出し、切り掛かる]


アルティエ「ッ! オブリガウス様、下がって!」


カガン「アルティエ…!」


少女「そんな…!」


イエニャ「お、お前ら、なんでそんなに足が早いんだ…アルティエ姐さん!?」


アルティエ「グッ…オ、オブリガウス様、無事、かい?」


オブリガウス「アルティエ、お前…!」


アルティエ「はは、大丈夫そう、だね…」


カガン「アルティエ!!」


エクレール「あぁ…これでまた一人、迷える迷える子羊を救済できました。これも全て我が偉大なる神のお導き…」



ヨシュカ「あれは、サチュルとマルテを殺した男じゃあないですか!」


ケルトイ「なんだって!?」


イエニャ「貴様ああああぁ!よくもアルティエ姐さんを!!」


ヨシュカ「! ダメです!真正面から戦っては!!」


イエニャ「オ、オブリガウス様!!」



オブリガウス「これ以上、俺の前で好き勝手はさせねえぞ!」


[エクレールがオブリガウスから距離を取る]


オブリガウス「やってくれたなオリティウス…騙し討ちなんて卑怯な手を使いやがって!ただで済むと思うなよ!!」


エクレール「フフフ…やはり、神と争うのは容易ではありませんね。どうやら私の仕事はここまでのようです。あとはお暇させてもらいましょう。では…」


[閃光が走ると、エクレールの姿が消えている]


リヒト「! 待て!!」


ケルトイ「あいつ、逃げやがった!追いかけねえと!」


リヒト「駄目だよ!ここから落ちたら死んじゃうよ!それに、今の僕たちにはあの人に対抗できる術がない!返り討ちにされちゃうよ!」


ケルトイ「…ッ、クソ!」


カガン「アルティエ、大丈夫かアルティエ!!」


アルティエ「…耳元でうるさいなあ。なんだよ、そんなみっともない顔をして。いい男が台無しじゃあないか…」


カガン「で、でもよぉ、お前、その怪我…!」


アルティエ「心配し過ぎだよ…大丈夫、少し休めば平気さ…」


アルティエ[自身の腹を撫でる]


アルティエ「大丈夫、大丈夫さ…この子の為にも、あたしは、この戦争に勝たないと…」


カガン「アルティエ?おい、おい!…あ、ああああああああ!!!!」


少女「こんな、こんな事って…」


イエニャ「出陣しましょう!あいつら、最初から休戦する気なんてなかったんです!こんな手を使うなんて卑怯な…!オブリガウス様、私に軍の指揮を!アルティエ姐さんの仇を、私たちの手で討たせてください!!必ずやオリティウス軍に正義の鉄槌を下してみせます!!」


ヨシュカ「待ってください!今のはオリティウス軍の使者ではありません!別の陣営が仕掛けた策略です!悪いのは全て主神…」


オブリガウス「全員出撃準備!」



オブリガウス「こんな卑怯な手を使いやがって…オリティウスの野郎、落ちる所まで落ちたな!イエニャ!お前に軍の指揮を任せる。俺たちを怒らせた事を後悔させてやれ!」


イエニャ「は!!」


少女「ま、待ってください!一度落ち着いて、私たちの話を聞いて…」


オブリガウス「行くぞ!!」


ケルトイ「おいおい、あいつら行っちまったぞ?俺たちどうすればいいんだ?」


少女「皆さんを止めようにも、こうなってしまっては私たちにこれ以上の事は…」


リヒト「…僕たちも行こう。」


ケルトイ「な、なに言ってんだ!見ただろう、あのオブリガウスの形相!あれを説得できるなんて到底思えねえ!それに今の俺たちには武器もないんだぞ!?戦争はもう止められない。俺たちにできる事は…」


リヒト「まだ終わってない!」


ケルトイ「リヒト前から言おうと思ってたんだが、いい加減目を覚ませ!これは遊びじゃない!考えもなしに首を突っ込めば、本当に死ぬぞ!!」


リヒト「かまわないさ!それがスピーシア様の為になるのなら、僕はなんだってやってやる!」


ケルトイ「なっ!お前、それはあのオッサンにとられたはずの武器だろ!?一体どこから…」


リヒト「それに、戦争を止める方法なら、まだある!」


少女「きゃっ!?」


ケルトイ「お、おい!突然どうしたんだよ!」


リヒト「ケルトイ。君が止めるのも、僕自身の力が足りていないのも、充分理解している。でもひとつだけ、方法がある。彼女の力を借りるんだ!」


ヨシュカ「まさか彼女に癒しの力を使わせるつもりですか!?」


ケルトイ「!!」


リヒト「思い出したんだ。以前、僕たちが巻き込まれた抗争で、あれだけ敵意をむき出しにしていた義の民や大地の民が、彼女が放った光を浴びた途端、戦意を失ったのをこの子が戦場の中心で力を解放すれば、戦争は終わる!知の女神ソフィス様はその為にこの子を遣わしてくれたんだ!」


少女「…!」


ケルトイ「ふざけんな!人を道具みたいに言うんじゃねえ!お前、そいつが力を使った後、どうなるか知って…!」


少女「ケルトイ様!…お気遣い頂き、ありがとうございます。でも、心配いりません。この世界に生を受けた瞬間から、世界の平和にこの身を捧げられる覚悟はできていました。私の力で世界が平和になるのなら、これ以上の幸せはありません。」


ケルトイ「ッ!!」


リヒト「ケルトイ、君は好きにしたらいいよ。僕は戦争を止める。スピーシア様の願いは、僕が叶えてみせる!」


[リヒトと少女が走り去る]


ケルトイ「あいつは、大馬鹿野郎だ!」


ヨシュカ「彼女…手が震えていました。あれは心からの言葉ではありませんでしたよ、きっと。」


ケルトイ「……」


ヨシュカ「行きましょう。今ならきっと、リヒトたちに追いつけます!」


ケルトイ「追いかけて…どうするんだよ。俺もリヒトに協力しろっていうのか?」


ヨシュカ「それは…」


ケルトイ「俺だって分かってるんだ。この戦争を止める為には、もうあいつの力に頼るしか方法はないって。例え力を使った代償に、あいつ自身がどうなろうとも。なのに…あいつは笑いやがった!一番怖いはずなのに、一番ここから逃げ出したいはずなのに!!俺は、それを見て動けなくなっちまった…!」


セル「…それで?お前はこれからどうするんだよ。お前は自分も背負うはずだった責任を、あの二人にだけ背負わせちまった事に後悔している。お前が一番したい事はなんだ?この後悔を取り払えるかどうかは、お前のその行動次第だ。」


ケルトイ「自分の行動次第?…それなら。」


ケルトイ「…行くしかないだろ!!」


[選択肢]
①流石はケルトイだ!
②男らしい!!


[①も②も同じ会話]

ヨシュカ「そういえば、神の武器はどうするんですか?どこかに隠されてたはずじゃあ…」

ケルトイ「いらねえよあんなもん!そこら辺で適当に調達すればいい!それよりも今は、リヒトを追いかけるぞ!」

ヨシュカ「…エクレールは状況を動かす為に、オリティウス軍の使者に扮して、わざとオブリガウス軍を挑発するような行動を…これも主神アルマスが下した命令なのでしょうか?」

セル「だろうな。敵陣に侵入するなんてリスクのある方法を、一人で考えるとは思えねえ。」

冒険者[考えるエモート]

セル「この記憶の碑石はもう回収した。本当なら、今すぐここから抜け出して、次の記憶の碑石を探しに行きたいところだが

セル「今すぐあいつらを追えば、この戦争の顛末天界大抗争の真実を知る事ができる。さあ、どうするよ兄弟?」

[選択肢]
①ケルトイたちの後を追おう!
②顛末を見届けたい。


[①も②も同じ会話]

冒険者[悔しがるエモート]

セル「そうかよ。」

ヨシュカ「ボクも賛成です。ケルトイたちの事も、これからなにが起こるのかも気になります。冒険者さん、セル、行きましょう!」

冒険者[喜ぶエモート]

---ミッションが終了しました---