EP6第1章:英雄起源/第6話:神の駒 | 大福のイルーナ戦記

大福のイルーナ戦記

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 EP6第1章 英雄起源 

ミッション名:神の駒
---ソフィスの懐---

ヨシュカ「ドラギストが持っていたあの知の水晶…一体どこへ行ってしまったんでしょう?今は彼らが水晶を探していますが、見つかるかどうか…」

冒険者[考えるエモート]

声「ぼ、冒険者さーん!」

冒険者[後ろを振り向く]

リヒト[手を振る]

リヒト「冒険者さん、水晶が見つかりました!」


[どこにあったの?]
①どこにあったの?
②案内して!


[①も②も同じ会話]


リヒト「すぐ近くにあります!でも、その、ちょっと不思議な事が起きまして…とにかく来てください!」

ヨシュカ[首を傾げる]

ヨシュカ「不思議な事…?」

[不思議な事が起きている場所に移動する]

ヨシュカ「これは?さっきまでこんなものはなかったはずですよね?」

ケルトイ「ようやく水晶を見つけたと思ったら急に光出して、目を開けたらこうなっていたんだ。俺たちにもサッパリだぜ。」

サウロ「ここの地面だけが光っているみたいだね。一体どういう原理なんだろう。」

セル「…間違いねえな。これは神の領域に繋がる入口だ。これに乗れば知の女神様に会いに行けるだろうな。」


[選択肢]
①どうして入口が開いたの?
②入って大丈夫なのかな?


[①の場合]
セル「知の水晶は知の女神ソフィスがドラギストに託した聖域への唯一の鍵だ。天竜に選ばれた人間…リヒトとケルトイが触れた事で聖域に入る条件が満たされたんだろうよ。」

[②の場合]
ヨシュカ「いいんじゃないですか?僕らが近付いて入口が閉じないという事は、知の女神の方から招待されていると捉えて問題ないと思いますよ。」

ケルトイ「なあ、これって行ってもいいんだよな?早く俺たちを待っているっていう神様に会いに行こうぜ!」

[ケルトイが走り出す]

リヒト「待ってよケルトイ!いい加減、勝手な行動しないでよぉ!」

[リヒトが後を追うように走り出す]

サウロ「あ、こら!…仕方ないなぁ。俺たちも後に続こう。」

冒険者[喜ぶエモート]

---新しいミッションが開始されました---

【知識の会堂へ移動しますか?】
[選択肢]
①行く
②行かない


[①の場合]
共通文へ

[②の場合]

[同じ選択肢を選び直し]

---知識の会堂---

ヨシュカ「うわぁ…!」

セル「これはこれは…絶景だな。」

ケルトイ「! おい、見ろよリヒト!あそこに見えるのって、もしかして俺たちの村じゃあないか!?」

リヒト「ほ、本当だ!聖域まで見える!綺麗だなぁ!」

サウロ「…驚いたな。こんな場所があったなんてね。」

[奥から人がやって来る]

声「ようこそ、私の領域…知識の会堂へ」

サウロ「あれが知の女神ソフィスなのか!?本当に神が実在するなんて…!」

ソフィス「初めまして。私は知識と教養を司る女神ソフィス…よくぞ、私たちの呼びかけに応じてくれました。地上でのそなたたちの立ち振る舞いは全て見させてもらいました。竜の眷属たちを救い出し、オリティウス軍を退けた。種族の違いに躊躇する事無く、己の信じる正義を貫いた…リヒト、そしてケルトイ、そなたたちに神の賞賛を与えましょう。」


[選択肢]
①どうして彼らをここへ?
②ここへ招待した理由は?


[①も②も同じ会話]

ソフィス「私たちはいずれ訪れる厄災に備え、天竜の予言で告げられていた宿命に立ち向かう人間が現れるのを待っていたのです。星々に選ばれし、神の啓示を託すに相応しい勇者…それがそなたたちなのです。」

リヒト「ゆ、勇者…!?僕たちが!?」

ケルトイ「天竜って、竜の試練場にいた白い竜の事だよな。あいつも同じような事を言っていたけど、詳しい事は聞いてなかったな。災厄って実際にはどんな事が起こるんだ?」

声(フリードス)「…災厄とは世界の終わりを意味する。」

ケルトイ「うわっ!?」

声(フリードス)「今、この世界は神が強いた戦乱の時代に移り変わろうとしている。地上に生きる全てのものたちは神の名の下に戦争を始め、我々が愛した情景は戦火の炎に焼かれるだろう。」

声(ヴェルトリア)「その果てにあるのは永遠の地獄…絶えぬ事のない戦争は、地上にある全てを無に還すまで続いてしまう。私たちはこの世界を創造した者として、その災厄をなんとしても防がなければならないの。」

リヒト「石像が喋った!?」

ソフィス「和の神フリードス、慈愛の女神ヴェルトリア…彼らは私の考えに賛同した同盟者です。彼らは自らが所持する聖域から、このオブジェを通じて我々の会議に参加しています。」

リヒト「そんな事ができるんですか?流石は神様ですね!」

サウロ「……」

ソフィス「リヒト、ケルトイ…そして彼らの宿命を見届ける時の観測者…これよりそなたたちには我々が用意した試練を受けてもらいます。」

リヒト「し、試練!?」

ケルトイ「ちょっと待て!なんで俺たちがその試練を受けなきゃあいけないんだよ?神の啓示?って、一体なにをやらされるんだよ!」

ソフィス「今はその問いに答える事はできません。全ては試練を乗り越えてからお話しいたします。」

ケルトイ「チッ、それくらい教えてくれたっていいだろ。」


[選択肢]
①試練に合格したらなにかもらえるかもよ?
②そう言わずに協力して頑張ろう!


[①の場合]
冒険者[考えるエモート]

ケルトイ[喜ぶ]

ケルトイ「…いいぜ!神様の試練だかなんだか知らねえが、やってやろうじゃねえか!!」

[②の場合]
リヒト「ほら、冒険者さんもこう言ってるし、僕らが修行した成果を見せるチャンスだよ!ね?もしかしたら試練が終わったらご褒美がもらえるかもしれないよ?」

ケルトイ[喜ぶ]

ケルトイ「よぉし!やってやろうじゃねえか!おいリヒト!気を引き締めろよな!」

冒険者[呆れるエモート]

[ソフィスが本を開き、魔法を使う]

ソフィス「さぁ、どうぞ中へ。その魔法陣の先に試練を用意しています。」

ケルトイ「仕方ねえなぁ…行くぞ、リヒト!」

リヒト「スピーシア様、どうか僕らをお守りください…!」

リヒトとケルトイ[魔法陣に向かって走る]

冒険者[後を追うように魔法陣に向かう]

ヨシュカ「ボクも試練の内容に興味があります。一緒に連れて行ってください。」

冒険者[喜ぶエモート]

ヨシュカ「あれ?あなたたちは来ないんですか?」

サウロ「僕まで行ったらあの子たちの試練にならないだろ?大人しくここで待っているよ。」

セル「オレもパスだ。長旅で疲れちまった。ここで休ませてもらうぜ。」

ヨシュカ「ハァ…分かりました。しばらくの間、ここで待っていてください。」

冒険者とヨシュカ[魔法陣に入る]

サウロ[ソフィスに近付く]

ソフィス「…なにか言いた気な顔をしていますね。ここに残ったのは私にそれをぶつける為ですか?」

サウロ「不躾なのは百も承知ですが…質問してもよろしいですか?知の女神ソフィス?」

ソフィス「いいでしょう。私も、そなたに頼みたい事があるのですが、お話しても?」

---ミッションが更新されました---
---知識の書斎---

ケルトイ「ここが一番奥みたいだな。これでようやく試練も終わりか?」


声「ざ〜んねん、まだ終わりじゃあないのよね。」


[2人の女性が現れる]


リヒト「だ、誰ですか!?」


女性「ふふふ、驚いちゃって可愛いわねぇ♪」


少女「ふっふっふ…わらわの麗しき姿に声もでないようじゃのう。ならば心して聞くがいい!わらわこそは和の神フリードス様の副神…」


[選択肢]
①福徳の女神フェリニケ様だ!
②愛執の女神ピュリース様だ!


[①の場合]
フェリニケ「にゃーっはっはっは!よぉく知っているようじゃのう!そう!わらわこそが幸福と利徳を招く福徳の女神フェリニケじゃ!皆のもの、控えおろう!」

ピュリース「そして、私が試合の女神ヴェルトリア様の副神、恋に執着する全ての味方…愛執の女神ピュリースよ。よろしくねぇ?」

[②の場合]
フェリニケ「う、む、むぅ!?」

ピュリース「あらぁ?私を知っているなんて中々見所がある人間ちゃんねぇ。私は慈愛の女神ヴェルトリア様の副神…愛執の女神ピュリース。で、こっちの小さいのが和の神フリードス様の副神…福徳の女神ニケちゃんよぉ♪」

フェリニケ「フェリニケだ!無礼な名で呼ぶでない!」

リヒト「あの、副神って…?スピーシア様やソフィス様とどう違うんですか?」

ピュリース「12人の神々がこの世界を創造したっていう話は、流石の人間ちゃんたちも知っているでしょう?副神は、12人の神様が世界を創ろうとした時に、その意思に賛同し、支援した神たちの略称なの。」

ケルトイ「神様が12人に副神がえぇっと…?この世界に何人神様がいるんだよ!?」

フェリニケ「さぁてのう。20かもしれんし100かもしれん。長い年月を得た動物や道具が精霊になるように力の強弱に関わらず、人間の信仰の数だけ神はいる。そこにいる幼子のように、わらわたちが把握していない者も中には存在するだろうしの。」

ヨシュカ「……!」

[ヨシュカが後ろに隠れる]

ピュリース「あらあら、隠れちゃったわ。もっと可愛い顔を見せて欲しかったのにぃ。」

リヒト「あ、あの、それで試練というのは…?」

ピュリース「あらごめんなさい、話がそれちゃったわねぇ。試練の話に戻るんだけど、実は私たち、アナタたちに最終試練を出すようにソフィス様から頼まれたの♪」

フェリニケ「試練を乗り越える事ができればそれでよし。だが、それできぬ場合はお前たちに適性はないと判断し、この聖域で起きた全ての記憶を抹消し、即刻この場から立ち去ってもらう。心して取り組むがいい!」

リヒトとケルトイ[武器を構える]

ピュリース「もう、ニケちゃんってば真面目過ぎよぉ。せっかくのお祭り事なんだから、もっと楽しくいきましょう?」

ケルトイ「…祭りだと?」

フェリニケ「お前は不真面目過ぎるんじゃ!せっかくフリードス様から拝命して頂いたものなのじゃぞ!しくじりでもしたらわらわは…お、怒られてしまうじゃろう!?」

ピュリース「もう、頭が固いんだからぁ…それじゃあいくわよぉ?カモ〜ン、私の愛しい使い魔ちゃん♪」

[辺りを眩い光が包む]
[紫色の大きな使い魔が現れる]

ピュリース「フフ、可愛いでしょう?私の一番のお気に入りなのよぉ♪アナタたちの全力をこの子にぶつけてちょうだい!さぁ、もうひとふんばりよぉ!頑張ってねぇ!」

フェリニケ「にゃっはっはっは!さぁ、踊れ踊れ!お前たちの無様な舞でわらわを楽しませるがいい!」

ケルトイ「チィッ、記憶を消されるなんてごめんだ!やるぞ、リヒト!」

リヒト「ここで勝たないとスピーシア様との約束が果たせなくなる!勝とう、絶対に!」

[使い魔のアンヘンガーを倒す]

リヒト「やああああっ!!」

フェリニケ「な、なにいぃ!?」

ピュリース「すっごーい!本当に勝っちゃうなんて。えらいえらい♪」

フェリニケ「ピュリース、話が違うではないか!お前の兵ならあの小童共を簡単に倒す事ができると言っていただろう!?」

ピュリース「あらぁ?そんな事言ったかしらぁ?私はいい勝負ができるって言ったのよぉ♪」

ケルトイ「おらぁ!勝ってやったぞ!これで合格だろ!!」

ピュリース「えぇ、これで戦いは終わり…でも、ここからが試練の本番よぉ♪」

リヒト「え、えぇ!?」

ケルトイ「どういう事だよ!言われた通り倒しただろう!?」

フェリニケ「そ、そうじゃ!そうじゃったな!試練の合格を決めるのはわらわたちではない。決めるのは…これじゃ!」

[青く輝かしい大きな花を見る]

リヒト「それは…花、ですか?」

ヨシュカ「……!」

フェリニケ「この花は人の本心を見定める結晶じゃ。我が主、和の神フリードス様、知の女神ソフィス様、慈愛の女神ヴェルトリア様の力を集結させて創造した傑作だという。お前たちが神の啓示を受けるに値すると判断されたら、この花は咲くと聞いたが…どうやら咲く気配はないようじゃな。」

リヒト「そ、そんな!?僕たちあんなに一生懸命頑張ったのに!」

ケルトイ「チクショウ!そんな事一言も言ってなかっただろ!後出しなんてズリぃぞ!」

フェリニケ「にゃっはっはっはぁ!やはり人間に神の代行など無理な話だったんじゃ!それが分かっただけで充分!さっさと自分の故郷に戻るがいい!


[選択肢]
①もう一度彼らにチャンスを!
②まだ花が咲いていないだけだ!


[①の場合]
フェリニケ「確かに…とある神は三度程人間に挽回の機会を授けるというが、これは試練じゃぞ?何度も好機を与える訳がなかろう?そんな事をしていたら、わらわが面倒じゃからな!にゃっはっはっは!」

[②の場合]
フェリニケ「時間が経てばこの花が咲くと言いたいのか?クク…果たしてそうかのぉ?わらわにはお前たちが来る前と変化がないように見えるが?いくら待っても花は咲かん!残念だったのぅ?」

リヒト[前に出て剣を出す]

リヒト「僕は、帰りません!」

フェリニケ「な、なんじゃとぉ!?」

リヒト「種の女神スピーシア様から頂いたこの剣に誓って、僕はあの人に相応しい戦士になると決めたんです。だから僕は、ここで立ち止まる訳にはいかない!お願いします、どうか僕らに戦士になる為の力を…いや、宿命に立ち向かう為の更なる力を与えてください!」

ピュリース「…アナタはその力を得てどうするの?高みに登った先にアナタはなにを見るつもり?」

リヒト「この世界を守ります。この命に代えても、あの人の大好きなこの世界を…いや、僕はあの人の大好きを守りたい!だって僕はあの人を…!えっと、あの人の事が…その…」

ケルトイ「な、なんだ!?見ろよ!花びらが動いたぜ!」

ピュリース「んー、全部言い切れたらかっこよかったのに…ま、及第点ねぇ。でもおめでとう!アナタの誠意はちゃあんとあの子に届いたみたい♪」

フェリニケ「う、嘘じゃ!あれは力が得たいが為の妄言!人間が自身の利益以外に力を振るう訳がなかろう!何故それを見誤って…んぐぐぐぐっ!!」

ピュリース「はいはーい。もう私たちの出番はおしまい。奇跡の瞬間に立ち会う人間ちゃんたちの邪魔をしないように私たちはあっちに行きましょうねぇ〜♪」

リヒトとケルトイ[花に近づく]

リヒト「お願いします…スピーシア様を守る力を、僕に!!」

[辺りが眩い光に包まれる]
[目の前に少女が現れる]

リヒト「き、君は…?」

少女[一礼する]

少女「お初にお目にかかります。私は知の女神、慈愛の女神、和の神のお三方によって創造された神の使者…創造主の命に従い、あなた方に忠誠を誓います。その、どうかよろしくお願いします。」

リヒト「え?えぇ!?」

ピュリース「きゃー!いいわ、いいわよぉ!想像以上にとってもキュート!初めまして愛しいベイビー、私はアナタのお姉ちゃんよぉ〜♪」

フェリニケ「コラー!抜け駆けはズルいぞ!わらわにも愛児の姿をよぉく見せい!!」

ケルトイ「おい、どういう事だよ!誰だよこいつは!」

ピュリース「えぇ〜?なにって、今回のご褒美よぉ♪イルーナを創造した12人の内の3人の力を込められた、神の力を使役する女の子!どお?どお?これから旅をするアナタたちには充分過ぎる報酬じゃあない?」

少女「わ、私に与えられたのは癒しの力…創造主の方々の力には劣りますが、必ずやこの世界の為に尽力する事を約束いたします!」

ケルトイ「俺が期待してたのはもっとこう、別のやつなんだけど…」

ピュリース「さあて!この子も無事に誕生した事だし、ヴェルトリア様たちにご報告しに行きましょう…あぁ、でもちょっと待って!この子に旅の支度を整えて、ちゃあんとおめかししてあげないとねぇ〜。あ!アナタたちは先に行ってちょうだい?じゃあねぇ♪」

少女「い、いえ、私はこのままでも充分…!」

フェリニケ「なにを言うか!せっかくのお披露目じゃぞ?ぬかし込まねば女が廃る!つべこべ言わずににゆくぞ!」

ケルトイ「コ、コラー!俺たちを置いてくなー!」

リヒト「…行っちゃったね。僕らもサウロさんの所に戻ろうか。」

ケルトイ「…おう」

ヨシュカ「あの子がこの世界で初めて創られた神の子なんですね。あんな風に、心の底から生まれた事を喜んでくれる人たちがいて…きっとこの時代でたくさん活躍して、もっとたくさんの人から愛されるんでしょうね。」


[選択肢]
①うらやましい?
②君には自分たちがいるよ。


[①の場合]
ヨシュカ「そうじゃない、と言えば嘘になりますけど、心配してもらわなくても平気ですよ。だって今はそんなに寂しいとは感じていませんから。」

[②の場合]
ヨシュカ「…そうですね。今の環境は割と気に入っていますよ。こうやって各地を巡るのも、あなたたちと一緒にいるのも。ふふ、ボクも大きくなったらあなたと同じように冒険者になろうかな。」

ヨシュカ「さあ、ボクらも行きましょう。皆が待っていますよ。」

冒険者[喜ぶエモート]

---ミッションが更新されました---
---知識の会堂---

サウロ「やぁ、お疲れ様。試練を無事に乗り越えたようだね。おめでとう。」


リヒト「ありがとうございます、サウロさん!」


ケルトイ「まあ、楽勝だったけどな。」


セル[ヨシュカの頭の上に乗っかる]


ヨシュカ「どうでした?よく休めましたか?」


セル「あ?あぁ…まーな。」

ソフィス「そなたたちの実力を見定めさせてもらいました。荒削りながらも実力は充分。その心の内に光り輝く強い意志を感じました。そなたたちには神の名において、勇者としての称号を…並びに神々の啓示を授けます。」

リヒト「勇者…僕らが、勇者!」

ケルトイ「…つーか、そもそもケージってなんだよ。」

ヨシュカ「啓示とは神々に直接与えられる使命の事ですよ。その啓示を受ける為に君たちは試練を受けたんじゃあないですか。」

ケルトイ「なんだぁ…強靭な力とか超強い武器がもらえるとかじゃあないのかよ。」

フリードス「…本題に戻ろう。今、この世界では各地で紛争が繰り広げられている事は知っているか?」

ケルトイ「紛争?…そういえば、村に立ち寄った商人のじいさんがそんな事を言っていた気がるな…その紛争がどうかしたのか?」

ヴェルトリア「…その紛争は元々私たち神々が引き起こした戦争なの。」

サウロ「…!」

ケルトイ「は、はぁ!?どういう事だよ!?」

ソフィス「イルーナ12神の1人、義の神オブリガウス、そして戦の神オリティウス…彼らは元々不仲ではありました。互いに力を保有する神として、どちらが強者であるか日々討論を繰り返していた…そんなある日、なんの前触れもなく、争いの火蓋が切って落とされました。空は荒れ、空気はよどみ、天界が割れんばかりの勢いで始まった2神の死闘は三日三晩続きました。」

ヨシュカ「…………」

フリードス「長く続くと思われた争いは、主神アルマス様の一声で終わりを告げた。これでようやく争いが終わるのだと思っていた…だが、アルマス様は彼らの争いを停戦ではなく、助長する提示を私たちに宣言なされた。」

ヴェルトリア「『私たちは地上に住むあらゆるものを選定する絶対的存在でなければならない。よってこの争いは地上に存在する我らの信徒に引き継がせ、より広く己の領域を広げる事ができた者を勝者とする』」

サウロ「それって…!」

ケルトイ「…ん?どういう事だ?分かりやすく説明してくれよ。」


[選択肢]
①神様は代理戦争を始めたんだ。
②神様は戦場を地上に移したんだ。


[①も②も同じ会話]

サウロ「12神の主神は神同士の直接的な争いを止めた。だがその代わりに、義の神と戦の神の争いを俺たち人間にさせようと言ったらしい。より多くの領土を得られた者の勝ちというのは、実にシンプルで分かりやすい。だけどこれは…」

セル「…身勝手過ぎる」

ケルトイ「そ、そうだそうだ!お前らが始めた戦争だろう!?お前らで解決しろよ!俺たち人間を巻き込むなんておかしいだろ!」

ソフィス「…残念ながら、これは確定事項なのです。神同士の争いは許されない…その代わりに信徒である人間たちに戦うようアルマス様は強いたのです。主神アルマス様は私たちイルーナ12神の中で最高位に君臨する者…我々はその命に従う他ありません。それゆえに我々も他の12神と同じように地上にいるそなたたち人間に世界の命運を託すしかないのです。」

ケルトイ「そんなのありかよ…」

サウロ「それで…実際に彼らはなにをすればいいんですか?」

ソフィス「神の武器…それをそなたたちに回収して欲しいのです。」

ケルトイ「神の、武器?」

ソフィス「神の武器とは私たち神が最も信頼できる信徒に与える神具の事です。神の武器が1つあるだけでも世界のバランスが大きく変化してしまうといわれる強力な神具で、本来ならば人間の手に余るものなのですが…勝利に目が眩んだ今の神々にその判断は難しいでしょう。」

ケルトイ「やる事はわかった。けどよぉ、どうやって見た事もない武器を探せっていうんだ?各地の骨董品を探し回れば見つかるのか?」

ヴェルトリア「あなたたちは一度、神の武器を見ているわ。そう、戦士の演習場に現れたあの少女が持っていた鎚がそれよ。」

サウロ「!サチュルも神に選ばれた人間だったのか!」

フリードス「私たちが把握している神の武器は9つ…その内の3つは私たちが創造した神の子と、貴公らが持つ武器がそうだ。」

リヒト「…!僕たちの武器も!?」

フリードス「その武器は種の女神スピーシア様に創造されたものなのだろう?地上で作られたものと変化がないように見えるのは、貴公らがその武器の真の力を見出せていないからだ。貴公らがその武器を持つに相応しいと判断された時、真の力を見せる事だろう。」

リヒト[剣を前に出す]

リヒト「それじゃあ、この武器の姿が変わったら、僕はスピーシア様の理想の戦士に近づけるという事ですか!?」

ソフィス[頷く]

ソフィス「残りの神の武器は6つ…恐らくそれはこの戦争を我々の想像以上に大きな変化を生んでしまう…お願いします。予言された災厄が世界を覆う前に、この世界の未来を救う為、我々に協力してください。」

ケルトイ「ちょ、ちょっと待て!急にそんな事を言われても困るぜ!俺たちじゃなくても適任の奴は他に…そうだ、サウロさんに頼めばいいだろ!」

ソフィス「詳しい内容はお伝えできませんが、彼には別の啓示を託しました。彼にはそなたたちとは別行動をとってもらいます。」

ケルトイ「マ、マジかよ…でも戦争なんだろ!?あんたらがいう通り、戦争に参加してる奴らが神の武器を持っているとしたら、そいつらが素直に武器を譲ってくれるとは思えねえ!もしかしたら俺たちが持ってる神の武器が狙われる可能性だってある…こんな危険な事を俺たちだけでやれってか!?ふざけるな!…おいリヒト、お前もなんとか言えよ!」

リヒト「……はい。」

ケルトイ「?」

リヒト「…僕、やります!神の武器を全て回収して、この世界に平和を取り戻してみせます!」

ケルトイ「は、はぁ!?お前、なに言ってるんだよ!俺たちだけでどうこうできる問題じゃないって!お前ならそれくら位分かるだろう!?」

リヒト「確かに僕1人だけじゃあ無理かもしれない…けど。ケルトイ、昔、村で見た絵本を覚えているだろう?小さな勇者が悪いドラゴンを倒すお話を!僕たちはその勇者になれる…いや、なるんだ!ケルトイ、君はいつも言っていたじゃないか!僕たち2人ならやらない事はないって!種の女神スピーシア様に頂いて天竜にもらった武器もある!僕たちならきっと運命も乗り越えられるよ!」

ケルトイ「全く…お前はどうしちまったんだ。こんなマトモじゃない事に頷く奴じゃあなかっただろう。」

ケルトイ「…仕方ねえな、やってやるよ。お前の言う勇者になってやろうぜ!」

サウロ[冒険者に近づく]

サウロ「という訳で、俺はこれから別行動になる訳だが…俺がいない間、あの2人を守ってくれないか?…と俺が言わなくても、君は観測者だからそうする必要があるんだったね。」


[選択肢]
①神様に頼まれたって?
②これからどこに行くの?


[①の場合]
サウロ「それは…すまないが君にも教えられないんだ。でも安心してくれ。神様からの頼まれ事が終わったらすぐに君たちの元へかけつけるよ。」

[②の場合]
サウロ「そうだな…まずはオリティウス軍が逃げて行った方向に行こうかな。もしかするとそこに目的のものがあるかもしれないからね。」

冒険者[喜ぶエモート]
冒険者[考えるエモート]

ヨシュカ「? どうかしたんですか?気分が優れないようですが?」

セル「……」

サウロ「…ん?いや、なんでもないよ。でも…うん、そうだな。」

[ピュリースとフェリニケと少女が魔法陣から出てくる]

サウロ「…どうか彼らに神のご加護がある事を、心から願うよ。」

---ミッションが終了しました---