日本中に「浦島太郎」の伝説が残っています。
子供用の〝海亀に乗って海の下のおと姫さま・・・″は一つだけです。
のこり全ての浦島伝説は田舎の山の中、たまに森の中の流れの中です。
きっかけは全て〝水に落とした物を探しに潜って・・″
この筋書きが日本全国の浦島伝説の基本です。
名前も「浦島太郎」は一人だけで、全てありふれた田舎の若者の名前です。
この、いわゆる・全国区の浦島伝説には海も亀も、
当然ながら竜宮城もアリマセン。
殆どが 滝壺や渓流に山刀や鍬を落として・・・と話がはじまります。
さらにっ酒池肉林の狂宴に男が浸るのは岩代二本松の塩沢村の機織り御前の話が浦島伝説に近いストーリーですが、それでも僅か三日三晩で男は家に帰りたくなり・・・綺麗な腰元に途中まで送ってもらって・・。
あわれなのは浦島が何年も酒池肉林に飽きて帰りたいと云ったのと比べれば、なんと僅か三日で「おらあ、家のカカアが恋しい」と言ったのは日本農耕民族・日本人の宿命ですね。
しかし、現実は家を捨てた(?)男には辛辣な現実が、これは浦島と同じく
何十年も後の世界に戻って・・・たぶん結果は『行き倒れ』だったでしょう。
東北から関西中部にも似た伝説があります、ボサーと地方風俗史を見て居ると『浦島伝説』と気付きません。
現に地方史編纂の学芸員も
「エエ・・・あれも浦島伝説の流れでしたか」と気が付く程度です。
一つ一つは面白いのですが、私のように『酒池肉林』に興味を持つ、
ややアホからみるとそれぞれの地域の男の願望の強さが何となくわかります。
船で航海する地域の男達は、ある種の『遊牧民』的な冒険心があり浦島太郎に共感するようです。
山村の男達は生まれ育った土地に愛着があり過ぎて・・・
日本にアムンゼンやナンセンのような探検家は居ないのは→
酒池肉林を楽しめずに、毎年の盆踊りなどに郷心の出てしまう浦島タイプの国民性です。
私はどちらかと言うと・・・農耕民族かなー?
酒池肉林は良いけれど帰る家も恋しい・・・中途半端ですね~涙。
皆さんはどうでしょうか???
やはり、故郷を出て一年半、お国の為に軍務に汗を流して
僅かの給与を毎日曜の、「兵隊さん半額」の女郎屋で
思いっきり吐きだして、サッパリとした顔で満期除隊した
満期果たした男は浦島太郎より日本男児!
の時代の竜宮城伝説が明治日本のロマンです。
伍長勤務上等兵:7円 上等兵:6円40銭 一等兵・二等兵:5円50銭
この3分の1を10日ごとに支給された。
現代に換算する×2000倍にするのが一応の目安です。
約1万円を4回に分けて・・
毎週日曜に兵隊割引半額の襞の財布に貯金してたのです。
一回2500円を安いと思うかどうか・時代は226事件の不景気時。