僕の場合、深く心に残っている歌ってなると断然℃Mソングではないかと。そんなちょっとしたフレーズは記憶の片隅でなく、記憶の大半を占めているものばかりで、まさにCMソングに勝るものはなしといったところだ。時と場所をわきまえず不意について出てきたり、知らずのうちにTVと一緒に口ずさんだりするのもやっぱりCMソング。時として脳はもちろんのこと、中枢神経から全身に至る毛細血管までが一つのCMソングにひと度洗脳されてしまうと、もうそのフレーズしか出てこなくなってしまい、やがて人間形成までもがどうにかなってしまう恐れがある。CMソングって怖~いのだ。
今でこそアーティストの持ち歌がCMソングに使われ、フレーズというより立派な歌として存在している。企業が既成の曲を選ぶ時代、CMも歌手も持ちつ持たれつのいい関係なのだ。以前はCM専用の歌というか、短くは15秒、長くても30秒枠の中でいかに人の心を掴むフレーズを生み出すかだった。例えばトヨタ・カローラなら ♪ちょっとうれしい~ カロ~オ~ラ~ や、 ♪あなたとコンビニ ファミリマート ♪中村さん家もマックロード に、 ♪新三共胃腸薬 顆粒~ なんてものは歌というよりフレーズだよね。
ということでCMソングのスペシャリストとでもいうべきお方がいらっしゃいました。寺内貫太郎こと小林亜星さんと難波のモーツァルトことキダ・タロー氏。僕にとってお二人ともバッハ、モーツァルトに肩を並べる素晴らしい作曲家です。関西の方はわりとキダ・タロー氏の作品に馴染みがあるので心配要らないと思いますが、探偵ナイトスクープの顧問の肩書きしか知らないお方のために少しご紹介しておきましょう! 放送番組のテーマで有名なのが「プロポーズ大作戦」「2時のワイドショー」「ABCヤングリクエスト」などで、TVCMでは ♪オーマイカラー アサヒペン マイホーム アサヒペン マイドリーム アサヒペン 家庭塗料はアサヒペン! の「アサヒペン」や、「有馬兵衛向陽閣」「小山ゆうえんち」「いづもや」「日本海みそ」に学校校歌など幅広い。ただ関西色はどうしても抜けないね(笑)
と、ここまで引っ張って紹介するのは小林亜星さんの『小林亜星CMソング・アンソロジー』です。両者甲乙つけ難いが、僅差(腹の差)の勝負で亜星さんにしました。さてこのCDには何と62曲も収録されています。とはいってもCMソングですから1曲数秒のものもあります。このCDに惚れたのはスリーグレイセスの歌う<積水ハウスの唄> ♪大きく膨らむ ゆめ ゆめ ゆめ 輝く朝の窓 ひかり ひかり ひかり・・・ が好きだからです。とにかくこのメロディ好きなんですよ。スリーグレイセスといえば乙女三人組(かしまし娘とちゃいますよ)で、人気アニメ主題歌<魔法使いサリー>を歌っていたのも彼女たちです。ほらもうアノ美声が聴こえてきたでしょ。この他に亜星メロディとして個人的CMソング金字塔的なものとして次の7つは絶対に外せないのです。
以前このブログでもちょい書きした<サントリー・オールド(人類みな兄弟)>は、サイラズ・モズレーが歌う ♪ロンドゥン ビラン シュビラデン・・・ ウヰスキー、放送時間帯、そしてこの怪しげな歌詞に大人の世界を感じ取るまだ小学生の僕でした。
♪ブルーダイヤ ブルーダ~イヤ~ 金銀パール プレゼント の<ブルー・ダイヤ>も名メロディ。後に、「うれしい白です ブルーダイヤ~」のフレーズも加わり最強と化した。初出はシンガーズ・スリー、つづいて御本人亜星さんが優しくふくよかな低音で歌うこととなる。亜星さんは歌手としてもなかなかの力量で、マルハの缶詰やパッとサイデリアなどはまだ記憶に新しい。
お登紀さん(加藤登紀子)歌う<酒は大関こころいき>には参ったなぁ。♪白い花なら 百合の花 人は情けと男だて 恋をするなら命がけ・・・ これ聴くと演歌というかつくづく日本人なんだぁと気づかされる名曲。最近リバイバルCMで流れているが、やはりたゆたうと歌うお登紀さんには適わない。この曲五番まであって、聴いているうちなんだかお酒でも呑みたくなるのはCMソングたる所以なのかな。
五番とくりゃ六番まであるのがハニーナイツ歌う<ふりむかないで>。元祖ご当地ソングとも言え、エメロン・シャンプーのCMで流れた。ご当地に合わせいくつかのバージョンが撮られ、そのたび長~い黒髪のお姉さんが振り向くアノCM、小学生の僕にはインパクト充分だった。このあとコーラなどの清涼飲料系で、商品と曲と映像とが三位一体となったCMがぞくぞくと出てくることとなる。
正式な曲名は<日立の樹>、これだけでも大抵の人は分かるだろう。サブ・タイトルは<この木なんの木>。テレビではあの大きな樹がクローズ・アップされ、ハワイに行くとちょっとした観光名所となった。実はTV放映された日立も樹は全部で4本あるの知ってましたか? 一番有名なのがハワイ・オワフ島にあるモンキーポッド、その他ハワイ島のマンゴー、シンガポールのバニヤンツリーにロスアンゼルスにあるカリフォルニアオークが使われていました。爽やかさしか出てこないこの曲にあって、アコースティック・ギターのイントロとヒデタ木、朝コータローにシンガーズ・スリーたちによる歌声は、さまざまに去来するアノ絵コノ絵を記憶の中から取り出してくれる。
♪ほ~ら チェルシーぃ もうひとつチェルシー の<明治チェルシーの歌>は、僕らの世代なら男女混成4人組サーカスの均整のとれたハーモニーで印象深いハズ。もっとオールド・ファンなら、シモンズやガロ、ペドロ&カプリシャスに始まって総勢21名で歌い継がれてきた。とんでもないことに、その21名で綴られた「明治チェルシーの唄」というCDアルバムまで出ているというから驚きだ。デューク・エイセス歌う<モクセイの花>、いわゆる「日生のおばちゃん自転車で・・・」も押えておきたい曲だ。70、80年代、亜星メロディってのは日本中のどこに居ても耳にしない日がなかったほど。
-NO.621-
★空き缶プレス★
どうこの空き缶たち、ものの見事に潰されてしまっているね。中にはお馴染みの銘柄もチラホラ。或る日、自転車でウロウロしてたら歩道にボ~ンと置いてあったもの。空き缶回収のオジサン達、こんなのさすがに持って行かないのだろうね。なかなか興味そそる作品とでも言っておきましょう。