私の勤める会社に40歳になっただろう彼が大のファンと称して追っかけをやっているのが“B’z”で、CDも全部揃え、アリーナ級のコンサートにも独りで出掛けているらしい。会社での彼の性格や日々の行いを見ていると、私はとても信じ得ないのだ。
そんな私にも彼から見れば「一緒じゃないですか」と言わせる節があり、それは最近になってファンという境域に足を踏み入れさせていただいたのが超人気シンガー“斉藤和義”だからなのだ。彼とは4つしか歳は違わないし、書き下ろしている詩の内容も世代の近さを感じるわけで、そもそも彼を知る誘因となったのが作家“伊坂幸太郎”だった。斎藤と伊坂は“フッシュ・ストーリー”や“ゴールデン・スランバー”で互いの才能を弾かせ、そしてお互いリスペクトし合っている仲だという。
私がひとつのミュージシャンなりを聴き進める手順として、時期は気にせずランダムに聴いていく方法とデビューから今に向かって聴く方法があって実のこと九分九厘が後者になる。滅多ないことなのだが、現在より徐々に歴史を辿って聴いていく方法もないわけでもなく、過去にはビートルズやストーンズ、ジャンルは変わるがジャズなどは大概がそうである。
さて肝心の斉藤和義について何を書いたらいいのか、この場に及んで未だ分からないでいる。まず紹介したいのがデビュー2作目になる『素敵な匂いの世界』だということ。何故この作品なのかというと、彼についてはデビュー盤から順序よく聴いたせいか“青い空の下・・・”含む初期の2枚にショックを受けたからだ。
意外や皆さんは日頃テレビCMで彼の作品を数多く耳にしているハズ。それ故彼の作り出すメロディはキャッチーこの上なく、曲のタイトルだって、歌詞の一部を切り取ってみても、ストーリーテラーとしての微かな前触れが芸術性を高めている。ギターの腕前も上々で、オープニング・ナンバーの<一人よがり>は斎藤のA・ギターと石坂のE・ギターの温度差がとても心地よく響く。
初期の名曲、いやこの先ずっとずっと名曲であり続けるだろう<彼女>はデビュー盤にある“好きな人の手”と並んで自己陶酔型失恋ソングの代表格でしょう。声はあの“チャゲ&飛鳥”の飛鳥に似ていて、詩世界も近いんじゃないでしょうか。
つづく<幻の夢>は懐かしかなAOR調、<何もないテーブルに>ではワルツ調のバラードと曲作りの巧さが際立っている。<君の顔が好きだ>と<エステに行こう>は真面目にオチャラ気してるのがいいし、<神様 お願い!>と<僕は他人>はバンドとして見事に成り立っており、ギターの石坂とピアノの田中が刻む律動が斎藤にリラックス感を与え最上のヴォーカルを歌わせている。
-NO.606-
★山村 満願寺そば★
私が蕎麦好きになっていつか、いつの日か行ってやろうと思っていた蕎麦屋だ。念願叶って山粧う10月の終わりに訪ねた。細き険しき道を進むと、ひっそりと待ってくれてました。何でも旧家を少し改装したらしくその良さは残ったまま。部屋には懐かしいダルマストーヴが頭にヤカンを乗せ一足先に冬支度をしていました。