この音、耳についたら離れないのを覚悟で | 新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
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某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-あいちトリエンナーレ  私がよく行くCDショップでの或る日のこと。普通お店のBGMとして流れている曲なんぞに食い入るように耳をそばだてることなどまずないのだが、あれこれと物色しているさなかに Booker T. & The MG's の唯一無二のサウンドは春先のひそか雨に似て、いつの間にやらさっきまでの目的に対する明確な自覚を変えてしまった。

 正直いって何年ぶりに聴いたのだろう、不思議と清新さ斬新さを帯び響いてくる。やったぁ! やっぱコレだ! その恰好良さに気分はウキウキして落ち着かなくなっている。間違いないのは判っていてても念のため近くにいた女性店員に訊いてみると、はあぁあれっ、●※ッカー■▲ィ@ン●エ$ジ▼ズ くらいにしか聞き取れない発音で吐き捨てるように教えてくれた。しかしその声は有難い聖母マリア様のお告げであり、天使ちゃまからの御告文となった。

 おっとこのジャケットってビートルズの“アビイロード”のパロディものだとすぐ判るよね。しかもこのアルバム『マクレモア・アヴェニュー』全4曲(内3曲はメドレー)“アビイロード”のナンバーしか演ってないとくる。もっと驚くことに、ビートルズのオリジナルが発表されてほんの一年そこらでカバーしちまうんだから自信のほども窺えよう。そして偉大なる勇気と。

 アーシーなブッカー・T・ジョーンズのオルガンで今年何かと話題になった<ゴールデン・スランバー>で彼らの世界へ引き摺り込まれた。メドレーで切れ目なく移った<キャリー・ザット・ウェイト>は、ビートルズにお構いなしという我が物の顔したスティーヴ・クロッパーのセクシーなギターに翻弄される。このメドレーは<ジ・エンド><ヒア・カムズ・ザ・サン><カム・トゥゲザー>まで16分弱の長編となっている。

 アルバム中唯一単独曲となっている<サムシング>はやたらカッコイイ。たまに弾いてみせたブッカー・Tのホンキー・トンクなピアノとクロッパーのバウンシング感剥き出しのギターを核に、メンバー全員が渾然一体となって一気に聴かせる五つ星級の演奏だ。

 二つ目のメドレーはまるで“狂気”あたりのピンク・フロイドを思わせるプログレ風<ビコーズ>、一変して<ユー・ネヴァー・ギブ・ミー・ユア・マネー>疾走感がほとばしるタイトな仕上がり。

 最後のメドレーは渋く<サン・キング><ミーン・ミスター・マスタード><ポリシーン・パン>と流れ、オリジナルより軽快さを身にまとった<シー・ケイム・イン・ザ・バスルーム・ウィンド>、意外やラストはシリアスに決めた<アイ・ウィント・ユー>でどうだと言わんばかり。

 Booker T. & The MG's を誰かが【史上最高のバック・バンド】だって言ってたのを思い出したが、この頃すでに立派にメイン・ストリートを肩で風を切って歩いており、後80年代にはブルース・ブラザースのバックで鯔背な演奏を聴かせてくれたのもまだ記憶に新しい。彼らのカッコ良さは“ぐでんぐでん”になるくらい頼もしい。

-NO.598-


★あいちトリエンナーレ2010★

 8月21日から10月31日までの72日間名古屋市で開かれている都市とアートが響き合う、3年に一度の国際芸術祭。大きく4つのエリアに別れて世界中の現代芸術が結集。このカラフルなフラワー・オフジェは御年81歳になる草間彌生の作品。愛知芸術文化センターのメイン会場の入口で迎えてくれます。