万に一つ痘痕が笑窪に変わった! | 新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

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独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
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某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-未知との対話  私は常々ジャズにおけるピアノ・ソロなる所業は、たとえ大好きなエヴァンスであろう痘痕(あばた)も笑窪(えくぼ)として扱われるほど小さく浅い穴ではない。ましてや可愛さを湛える代物でもあるはずがない。が、万に一つ痘痕が笑窪に変わることもあるとするなら、それはエヴァンスたる所以なのか。

 今までソロ・ピアノ作品については積極的に買う行動には出ることなく、勇気さえも振り絞ってレジへ運ぶことなどなかったように思う。エヴァンスのようにどうにかしてという場合、過去の実績たるやはこうだ。【アローン】は紙ジャケで新装あらたになったお姿に惹かれ、【フロム・レフト・トゥ・ライト】は破格の安さゆえ中古盤を手にし、【自己との対話】に到ってはエヴァンスのコンプリート・コレクション化を企んだ折の渋々の記念すべきソロ一枚目。そしてこの『未知との対話-独白・対話・そして鼎談』は輝かしきプレゼントとして手に入れたのである。

 しかしこれでは頂戴した先様やエヴァンスにも申し訳が立たぬばかりか、嫌いキライと大風呂敷を敷いたあげく、実はとんでもなく愛聴盤となってしまったあかつきに、その大風呂敷をたたむことが出来なくなる恐れがあるやかも知れない。大風呂敷は自身でたためる大きさに限りますからね。

 という訳でこのアルバムには遅かれ早かれ手にすべき要因があった。何といってもこのアルバムのために彼は4曲も書き下ろしていたのだ。しかもその内3曲はこのアルバムでしか聴くことができなく、もちろんこの2年半後に没することになるから音楽的ソースは無いに等しいわけだ。また雨好きの私にとって<雨の思い出>たるタイトルを見逃すわけにはゆかず、エヴァンスにおける“雨”のつく曲はその曲と「イエスタディ・アイ・ハード・ザ・レイン」の2曲だけ。そのいずれも理想的といえる“雨”を降らす。タイトルからすれば雨の日の思い出を綴ったに違いないと思うが、これを聴くにつけ“雨”そのものが雲間から生まれ地上に降り注ぎ、やがて地に吸いこまれ、川の流れとなって大海原へと行き着き、終には天へと昇ってゆく一生涯を思い描いたのではと、ふとポール・ギャリコの“雪のひとひら”を思い出した。エレピとアコピの多重録音<マキシン>は、スインギーでアグレッシブなナンバーで、つづく<フォー・ネネット>はリリカルでドラマティックな構成になっており、本盤では珍しくアコースティック・ピアノ1台で挑んでいる。このアルバムのあとスタジオ盤は2枚を残すのみ、すでに彼は死を悟っていたとされるが、いま聴く限り死の影など微塵も感じられない。享年51歳とはホント若すぎるよね。
 おっとソロ作品まだ一枚あったか、【続・自己との対話】はいかにして手に入れるべきか奇策縦横あたまを働かせている次第です(笑)。

-NO.568-


★喫茶・茶会記 其の壱★

 去る1月に喫茶・茶会記で北海道・美瑛町に住む柳谷 龍氏のジャズ画展を見てきた。音の隠れ家と称すこの店は四谷から程近い住宅地にあった。すぐ傍には何かとお騒がわせなサン・ミュージック本社があり、少なからず某タレントさんもここへ来たのではないかと思いをめぐらせる。茶会記の住所の最後にはサウンド・ビル1Fとあるが、今直ちに思い起こしてもそんな気配はなかったかと・・・。