仕事より最優先しなければならないMONO | 新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
ほなお暇なお方はどうぞお入りやす。
某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-please please me  世の中には読書週間というものあるが、僕の場合は読書時代なるものがこれまでに興っていた。その最初の読書時代は小学生のころに遡る。それまではまともに本を読むという習慣がなかったため、学校にある図書室の膨大な量とその見るすべての色や形はそれら本の写真なり描かれた絵によって驚きを与えられた。また下校途中にあった町立図書館は、学校のそれとは比べものにならないくらい圧倒的な威圧感で僕を呑み込んだ。そこで発行してもらった貸出図書カードは、初めて手にした自分だけの身分証明書や警察手帳にも匹敵するほど輝かしい僕なりのうれしはずかしの名刺でもあったのだ。

 2度目の読書時代は大学一年のとき初めて都会暮らしをしたころにやってきた。すなわち一人暮らしの生活の始まりのこと。街には田舎にはない巨大な本屋があり、どこが出入り口なのかお勘定場なのか、はたまたどこまでが本屋なのか判別できないほどで、店そのものが大きな口を開けているいるようにも感じた。そこはお金さえ出せば自由に好きな本が買え、図書館にもないもの、ありとあらゆる新刊が毎日のように並べられる。そしてなけなしの僕のお金も大きな口を開けたレジスターへと呑み込まれていく。

 40代後半になったいま、3度目の読書時代がやってきた。怒涛のサスペンスものや今流行りのファンタジーもの、面白可笑しくなくてはならないエッセイと読みたい本が溢れている。あれもこれもと焦っては買い、読まずに目の前に積まれた本のタワーが残りの人生しっかり本でも読んでおけよいわんばかりに攻め立ててくる。残された人生読まなければならない本、どう計ってもバランスが悪い。それだけではない、これからどれだけの音楽を聴け過ごせるのか、これがもっとも重要な問題だ。

 そんな矢先ビートルズがモノラル盤リマスターを発売するというのだから困ったものだ。何百回と耳にしてきたビートルズ諸作を改めて聴き込めというのだから、当然残された時間と聴かなければならないものとのバランスがより悪くなる。こうなっては仕事になんぞ構ってばかりはいられない、聴く時間、読みふける時間を捻出、作らなければいけない。今回リマスターされたモノラル盤、インナー・スリーブやジャケット表裏、ディスク盤面と英オリジナルそのもの。記念すべきデビュー盤『プリーズ・プリーズ・ミー』はモノラル再現によって正真正銘のロック・アルバムと肝に銘じて聴くこと。モノラルによってより迫力を増し、リマスターされたことにより艶が現われる。ジョージ・マーティンのピアノが光る<ミズリー>、ジョンの艶ある声に思わずエっ!と声をあげそうになる<アンナ>や<アスミーホワイ>、大音量で聴いてほしいジョージのシャウトが聴ける<ドゥー・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット>、ジョンのもう一つのヘヴィなナンバー<ゼアズ・ア・プレイス>、いつも二の次とされたナンバーが生き生きと蘇ってくる。いままで擬似ステレオ盤でしか耳にできないと観念していたものが、999事件により、当時世界の一部の熱心なファンや録音に関わったビートルズとその関係者と同じ音を体現できるということは、揺るぐことない今年の世界10大ニュースの一つであり、まさしくそれは事件なのだ。

 それにしても休日朝一番の本屋は好きだ。今朝訪れるであろうの僕のために、店じまいのたび本を整理整頓しその真新しい空間を用意してくれている。せっせと独り占めするため本屋へと向かうのである。

-NO.560-


【札幌テレビ塔】

 これを撮影したのは11月のとある日、雪がちらついたとはいえまだ午後4時台。あたりはもう薄暗くテレビ塔のオレンジ色のライトアップが少しの暖かさを与えてくれる。モノクロ写真で申し訳ないが、そのオレンジ色は皆様の想像にお任せしたい次第である。そしてビートルズのモノラル盤リマスターに敬意を表してお許し戴きたい。彼らの音とともにモノならではの想像力豊かな世界に圧倒されたし。