こうも匂い立つメロディはベースマンの成せる業です | 新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

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独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
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某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-谷屋2  ドイツといえば硬派なイメージがつきまとうが、これまたどうしようもないのが名前である。その名はクラウス・ヴァーゲンライター、どう転んでも堅く重いピアニストだ。ドイツが世界中のジャズ・ファンに差し向けた空前絶後のレーベルとしてY.V.PPという社長(York.V.Prittwitz)自らの頭文字を連ねた単純明快の優れた会社がある。そしてその数多の作品は蒐集家にとっても手を焼くほどの快作ばかりで、金も随分とかかる訳だ。その中の一枚がクラウス・ヴァーゲンライターが軸となった《TRIO CONCEPTS》と呼ばれた一連のシリーズ作品であり、秀逸なるトリオ名の冠を記したのである。1987年のそのデビュー作が犬ジャケでお馴染みの『YASPER』だ。

 さてここで注目したいのが音であり、このトリオが生むサウンドがドイツ製でなくアメリカ製の純真なジャズであるということだ。タイトル・チューン<YASPER>の匂い立つ色香を湛えたイントロで、まったく気が抜けないアルバムであり気の置けない3人と決まった。この曲を書いたのはヴァーゲンライターでなくベース奏者のトーマス・スタベナフであり、それに敬意を表してか途中短いソロが組み込まれている。何とも謙虚なソロであろうか、この作者は私だ~なんて訴えることすらなく、この私利私欲を捨てた可憐なメロディに自身満足していらっしゃるのだとお察しする。

 <BLUES FOR TOOTS>ですぐにお分かりでしょう、ゲスト参加のディーター・ゴールのまさにトゥーツ爺さん張りのブルース・ハーモニカにまたもやゲルマン魂を葬り去ってしまった。でもディ-タ作のもう一つ<MY CHILDREN'S LULLABY>で、タイトルに負けない可愛らしいメロディが聴くたび愛着を湧かせてくれ気を取り直すこととなる。トゥーツ後、ジャズ界のハーモニカを背負うのはディータしか居ないのはここで明白となる。一方、まだリーダーとして認知されないままのヴァーゲンライターは、この10年後にあたる《スイート・チョイス》まで待たなければならなく、やっとのことゲルマン魂が宿り始めたかと思ったらまた10年音沙汰無しで私のモヤモヤは晴れないままでいる。アメリカの持つブルージーなフィーリングに溺れることなく、本作を含めたそれまでの3枚は紛れもなくスタベナフがご主人様に違いないのであった。それこそスタベナフさんはどうしているんだろうなぁ・・・急に気になりだした。

-NO.558-


【そば処 谷屋・名古屋】

 以前にもご紹介した蕎麦処・谷屋での杯。銘柄は忘れてしまいましたが、このお酒が一番旨かったのでこのワン・ショットを。お値段もそれなりでしたが、綺麗な硝子の酒器にこれまた硝子製のお猪口に注ぐとキラキラしてくるんですよね。周りのありとあらゆる光を通し幻想的ともいえる旨味を宿します。すみませ~ん、これと同じのもう一提くださいな。