忘れてはいませんか?広瀬香美さんを。今から10年以上も前、秋が深まってくると早々と冬の到来を告げるのが広瀬香美のあのハイ・トーン・ヴォイスだった。某CMのお陰で彼女を取り巻くすべてが決定付けられたと言っていいのでは。その証しともいえる《Alpen Best》や冬の代名詞的《Winter Ballad Best》といまだ売れ続けている。僕はそれらに先立つ彼女自身初のベストとなった『hirose kohmi THE BEST Love Winters』をベスト・オブ・ベストと位置づける。どれも必聴すべきナンバーで構成されているが、こと<二人のBirthday>はこの盤にしか存在しないMyベスト・チューンなのだ。
彼女の魅力はあの電光石火如きハイ・トーン・ヴォイスと香美節と呼ばれる《コブシ》が病みつきになる要因だ。場合によっては演歌にも通ずる感覚で《コブシ》を効かせ、異種交雑ともいえる彼女ならではのハイブリッド感が愉しめる。
前述した<二人のBirthday>を是非聴いてみてください。特に出だし部分は、松田聖子が歌っているよと言われればなるほどと肯くハズ。とにかく似てるんです。♪恋をした の《た》や♪理想のタイプと の《と》に現われる語尾がまさしく聖子ちゃんしてるのです。そしてサビに入る♪Oh,Baby で広瀬香美へと一気に成り代わるのである。そしてラスト部の♪一生 であの《コブシ》が鳴り響くことと相成る。メロディ良し、リズム良し、ビート感もすこぶるいいの言うことなしのナンバー。そして病みつき節となる《コブシ》の極致が<DEAR・・・again>でのサビ、♪クリスマスまでには 間に合うように 私のもとへ帰ってきてね で昇天する。
ジャパニーズ・ポップにおける究極のベスト・アルバムといっても過言でないほど聴き応え十分で、<愛があれば大丈夫><ロマンスの神様><幸せをつかみた><ゲレンデがとけるほど恋したい><真冬の帰り道><promise><ピアニシモ>と曲名を訊いただけでもメロディが浮かび、皆それぞれのあの頃のゲレンデが目に浮かぶのではと推測するが。寂しいかな、僕は某スポーツ・ショップのCMしか浮かんでこないのだけど。
ふと僕のipodから繰り出されたのが<二人のBirthday>。365日、24時間臨戦態勢にあるこの曲によって彼女の幾多ある冬の必需品をipodに搭載しなければと気づかされる。くしくも僕の冬支度を促してくれたのは、雪と彼女のハイ・トーン・ヴォイスが似合う長野の空の下であった。
-NO.458-
【安曇野パン工房 るんびに】
場所は道を大きく逸れ奥へ奥へと、小さな看板を頼りに進んだ突き当たりにある。パンの種類は少ないが、美味しさはいっぱい詰まっていて少なくない。店内は一坪もあるかどうかの超スモール・サイズ。、夫婦二人で切り盛りしている。売切れ次第閉店なのでお早めに。