最近LP-TIMEとかいう復刻専門の嬉しいCD会社さんがある。特に女性ヴォーカル・ファンを唸らせる垂涎のアイテムをザクザクとリリースしてくれるのだから、金に乏しい僕なんかはたまったもんじゃない。
まだジャズ輸入盤が重宝されかけたころ、スペインの《フレッシュ・サウンズ》なるレーベルが新旧取り混ぜながら世界中のコレクターを喜ばせたものだ。そして我が国においても、《ガッツ・プロダクション》や《澤野商会》といった超~有難~い会社が、ジャズの普及活動に一役担ってくださったのだ。ノーベル文化賞が大袈裟ならせめて、せめてもの報いに文化勲章を授与されたしと願うのだ。
先に述べたLP-TIMEさんから一枚、アリス・ロンの『イッツ・アリス(原盤Coral)』をお届けしよう。このジャケを見てお分かりように、ずっとずっとずっと前から欲していた一枚がこれなのだ。なのにいとも簡単にこうやって世にお目見えするとどうなんだろうか。血眼で捜しに探し当てた時の喜びは何にも代え難いのだが、ただ一目でいいからお目にかかりたいと願いそれすらままならぬこともあって、今こうして手許にあることに素直に感謝せざるを得ないのです。
勝手に決めさせていただいたのだが、僕にとって女性ヴォーカルの指南役・坂田一生氏曰く《妙に気になる普通のシンガー》と仰っていたのもまさに妙に気になってしょうがない。もちろん普通でないジャケにおよそ心奪われてしまってるのだが。全12曲と張りと艶のある健康的なお姿からは既に希望的歌声が僕の中でもう出来上がっている。日頃のらりくらりと怠けて過ごす僕はほど良い緊張感に包まれ<Love Is Here To Stay>を聴く。するとどうだ、想像してなかった太めのアルト・ヴォイスではないか、しかもちと若々しさに欠けた落ち着き払った声。うむ、この<What Is This Thing Called Love>も同様、僕の中で焦りがクツクツグツグツと湧き上がってくる。
しかしつづく<When Your Lover Has Gone>の途中から声に張りと艶が出始め、<They Say It's Wonderful>や<You Made Me Love>辺りで僕の中で焦燥感はキュートな魅力へと変貌してゆくのだ。ながら聴いているとふと思うことがあり調べてみると彼女はアメリカはテキサス州生まれの純粋なテキサスっ娘である。僕自身英語はからっかし駄目なのでどうかと思うが、彼女の発音もどことなくテキサス訛りで、カントリー系のパッツィー・クラインのように身近な存在に感じてきた。ベストは<I Hadn't Anyone Till You>とラストの<If I Had You>。脂がのってきたぞ。
-NO.457-
【ポールスチュアート青山店】
テレビ番組≪ブラタモリ≫でも紹介されたポールスチュアートのお店・・・の立派な石垣。表参道ヒルズの向かいにあるこの石垣、明治神宮への表参道開道時の唯一残った名残だそうです。何か妙にも映りますが、お店のシックな装いにもマッチしていて好きですね。立ち寄った記念にPSの紅いポロシャツでもいかがでしょう。