私は10代の少年にこころよく負けた | 新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

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独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
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某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。


新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-on the snow
 まだ10代の若者であるとのことアレッサンドロ・ランツォーニ君、今どき〝神童〟あらわる何てことは古臭い気がして使いたくないし、彼にはそんな肩書きも要らない。そこにはもう成熟しきったプレイが存在するのみ。

 彼のオリジナル<On The Snow>はアルバム・タイトルにもなっているように気合充分、その意気込み通りファースト・トラックに置かれている。ピアノ、ベース、ドラムが同時に音を鳴らす。三者とも音程、音量、音の振幅からその後つづく音階までもが無垢で美しい。超高速で演奏されるW・ショーターの<Black Nile>やO・ネルソンの難曲とされる<Butch And Butch>は、どうみても親の歳ほど離れた共演のタボラッチとパオリのリードあってのこと。実に親心というか、野球でいうなれば絶妙なリード、配球の妙に長けているわ。さてまたまた彼のオリジナル2曲目<Suite>は22分を超える超大作だ。時折おや、これ何だっけと思わせるメロディも登場したりと22分の長丁場も飽きさせることなどさせない。クレジットを見るとこの曲タイトルそのもの5つで構成されているようだが、それぞれは判別しにくいほど一つの曲としてまとまりを見せる。私の日課(休日だけよ)であるシエスタ(昼寝)もオチオチしてられぬほど油断ならぬ曲で、私はこころよく負けを認めた。そんな22分はあっという間であった。

 3つ目のオリジナル<Il Mulino>は一転スロー・バラードでいささか退屈の7分超。が、こういう曲を書こうとする意欲は認めないわけではないが、印象度から言えばまったく無意味としかいいようがない。この手の曲は、古の先生と呼ばれた方々の伝家の秘法めいた名曲群をお勉強なさり、ランツォーニ流新解釈で蘇らせて欲しいものだと期待する。さて最後のオリジナル<Walzer Paoli>は、共演者のドラマーの名前そのものが曲名となっている。いかにもいいお父さんといった感じのパオリ・・・んじゃタボラッチさんの曲は? と言いたくなるが、まあどうでもよいことで。ならばドラムがバンバンにフューチャーされた曲かと思いきやてんで違う。何が書きたいかって? そう、後の2曲のオリジナルは背伸びし過ぎて空回りの展開だということ。まだ10代なんだから色気出さず素直にやってもらいたいものだ。なんだかんだで親父の愚痴を零したようになってしまったが、ラストの<Bye Bye Blackbird>の伸びやかなフレーズと感情移入の仕方は、10代と思うと言葉を失う。

-NO.543-


【大内宿】

 日光から会津へ抜ける道すがら、昔より旅人は大内宿まで足を伸ばしたということなのであろう。とは言ってもここまでの山道は楽ではない。なのに大内宿なのだ。今風にいう隠れ家的存在の地だったのではないかと思うしだいである。今では多くの観光客で絶えないが、ずっと昔、幾人を惹きつけてやまない何かがあった。それらはみんなが帰ったあと、静まり返った山里にそっとある気がする。

注)大内宿は日光街道沿いとなります。