さあジャンルは何でもよいではないか。根っからのニューヨーカーのアンディ・ナレルはスティール・ドラムの名手だ。アンディ・ナレルの諸作を買われようとするあなた、どのコーナーで扱われているか悩むところだね。一般的にはフュージョンの類として片付けられるためジャズ・コーナーが多い気がする。が、NYっ子としてカリビアン・リズムを異国の地で轟かすは真のワールド・ミュージックといえよう。この『ライブ・イン・サウス・アフリカ』は文字通り南アフリカはヨハネスブルグでの実況録音盤。この蒸し暑い夏にはもってこいのサウンドだ。ただ南アフリカでのライヴのせいか、イーストロンドン、そしてポートエリザベスからケープタウンへの海岸線を車で走らせ眩いばかりの水平線を見ているような錯覚にも陥る。もちろんのこと、豪華列車ブルートレインでまだ明けやらぬ草原や日の暮れかかった高原を駆け抜けながら聴いている心地にもさせてくれる。
ところで皆さんはスティールをご存知であろうか。別名スティールパン(Steelpan)ともいい、ドラム缶から作られた音階のある打楽器で、独特の倍音の響きを持った音色が特徴。トリニダード・トバゴで生まれ20世紀最後にして最大のアコースティックな楽器と云われている。ひとつのパンに8個から10個くらいの大きな窪みがあり、それぞれ音色が異なる。見た目も銀色で音色同様にいかにも涼しげだ。ただしひとたびそれらの音が幾重にも響き渡ると、灼熱の太陽さえ敵わないほどの熱を帯びてくる。そしてスティールパンの窪みを駆け巡る玉虫色の光だ。打つと同時にそれら空気中のあらゆる光がパンの上を奔るのだ。音、色、光、その三つの要素が繰り成すクライマックスが次の2曲で露わになる。
「アウト・オブ・ザ・ブルー」のイントロで聴ける無数の音、色、光はまさしく〝青天の霹靂〟とでも申しましょうか。打楽器のくせに音が線のように連なっている。アンディの手のしなりや一連の所作がなんともセクシーだ。そしてアンディの人気ナンバー「シュガー・ストリート」はいかにも“らしい”曲だ。らしいとはこのライヴにおける一番カリビアン的な要素が充満しており、一つの音階をとっても振幅の度合いがズバ抜けていい。渾然一体となった演奏は彩りも艶やかだ。HEADS UPからの諸作には必ず三要素が含まれているゆえ、ハズレがないので安心してお買い求めあれ。
前述の三要素は満たさないものの個人的に参ったのが「カリンダ」。おやこの出だしは松尾明の演奏で知られるカルロ・ウボルディ作「アングリー・ドッグ」に似てるではないか。力強さの中に柔肌の如き哀愁メロがとめどなく溢れかえる。
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【安城七夕祭り】
日本三大七夕祭りが行われるのは愛知県安城市。縦横無尽というべく屋台が張り巡らされた駅前付近。毎年旧暦の七夕になると町は大賑わいだ。短冊に願いを込めて・・・おやっ、ECOな七夕飾りだこと。これはペットボトルを潰したり切ったりしてのお飾りさん。