ギラギラと照りつける太陽、キラキラと揺らめきどこまでもつづく青い海、カリフォルニアにある小さな町ホーソーンから飛び出してきた少年たちはサーフボードを脇に抱え、時には女の子だったりもする。彼らは憧れを乗せたT-Birdをフルアクセルで走らせ、そこからはフルトーンのビーチ・ボーイズの「セイル・オン・セイラー」が流れこぼれる。
紆余曲折を経て辿り着いたのがライヴ・バンドとしての新生ビーチ・ボーイズだ。ブライアンはいまだベッドのなかで永遠の理想を追っているのだろうか、ブルース・ジョンストンもこのところの不遇に嫌気がさしたのか脱退、代わりにやって来たのがブロンディ・チャップリンとリッキー・ファター。この頃のカールは実質的なサウンド・リーダーをとっており、新加入の二人はビーチ・ボーイズとは程遠い南アフリカのバンドから連れて来たのだった。近頃ヒット曲に恵まれない彼らにとって唯一の稼ぎはライヴ、往年のヒット曲オンパレードで何とか食いつないでいたというのが正しいであろう。ただそれもいつまでも続くハズはない。ライヴ・バンドとしての生きる道を見出したカールは、ファンキーな二人を加えビーチ・ボーイズの演奏力を格段にアップさせていった。
起死回生を狙った前作“オランダ”で一旦仕切り直しを図るかたちとなるが、皮肉にも彼らの意図とは関係なく、レコード会社がその間に発表したベスト・アルバム“エンドレス・サマー”が全米1位という奇跡的結果をもたらした。よって長い眠りについていた永遠なるビーチ・ボーイズに再び火がついたのだ。もちろんこのライヴ・アルバム『ビーチ・ボーイズ・イン・コンサート』も大きく後押ししたのは間違いない。アレコレと言いたいファンも黙って聴くべし。ライヴで活路を見出そうとモガき苦しんだ数多の音源をつぶさに拾い出した名曲名演集だ。命を削ったとまでは言わないが、彼らの生きる喜びや歌うことの愉しさがダイレクトに伝わってくる。いやぁ、涙がこみ上げてくるほど色々なことが切なく胸に響く。ベッドの中のブライアンはこれを聴いて何を想うのだろうか。全20曲中18曲のほとんどがブライアン作。「ドント・ウォーリー・ベイビー」や「グッド・ヴァイブレーション」、「素敵じゃないか」に「僕を信じて」・・・ブライアンのファルセット・ヴォイスをこの激しく熱いライヴで聴きたかった。僕のなかではブライアンがいない限り不完全でしかなく、まだまだ、こんなの。ありとあらゆる困難や苦しみ、こころに宿る悲しみや痛み全部吹き飛ばしてよ。それにはこのライヴ盤、出来る限りの大音量で聴くことを薦めるよ。
ロック至上もっともシンフォニックなイントロとまで称された「カリフォリニア・ガールズ」、このイントロを聴きたくてみんな会場に出かけるのさ。カールの左手の示す位置でコレと分かり背筋がピンとする。喜色満面。
-NO.520-
【THE TIN TIN SHOP TOKYO】
いまもなお幅広い人気を誇るタンタン、24つの冒険シリーズ。かくいう私も好きだった。そして今になってまた読みたくなった。日本には直営店が3ヵ所、東京、京都となぜか前橋に。何とS・スピルバーグ監督が映画化に踏み出したらしい。上演は2011年ということ。何だかワクワクしてくるね。