ポール・マッカートニーがアレンジ、プロデュースしあのアップル・レコードからデビューした有名なバンドといえばこのバッドフィンガーだ。“デビューした有名な”この途中までならメアリー・ホプキンを思い浮かべるお方もあっただろう。そもそも《アイビーズ》というブルー・アイド・ソウル系のグループだった彼らが鳴り物入りで結成したのがこのバンド。このデビュー盤当初はマイク・ギボンズ、トム・エヴァンスとピート・ハムの3人構成。とにかくセカンド・アルバム【ノー・ダイス】、サード・アルバム【ストレイト・アップ】を含むアップル3部作が飛びぬけてよろしい。
ライブではかなりハードな一面も見せていたようだが、基本はほのぼのとした爽やか系ポップ・ロックだ。このデビュー盤『マジック・クリスチャン・ミュージック』は、ビートルズのリンゴ・スター主演の映画のサントラ盤的作品で、アルバムの統一感には少し欠けるが、まさにミニ・ビートルズとで例えるようなメロディアスなきらめきのポップ・チューンがぎっしり。では飛びっきりの4曲を。
まずは「Dear Angie」だ。どことなくギルバート・オサリバンのあの大ヒット曲を連想させるようなスロー・ポップ。よ~く聴くと違うのだが、この時代にありふれたリズムとサウンド、そしてハーモニーが永遠につづくことを願いつづけたくなる名曲。さらに70年代、燦然と輝く日本フォーク・ロックの匂いを漂わせるのが「Carry On Till Tomorrow」となる。例えるなら巨大ロック化する前の《アルフィー》さながらで、坂崎ならこんな風に歌ってくれるだろうと。ラストの短いギター・ソロなどは高見沢そのものじゃないか(笑)。いずれにしてもこんなこと書いていたら双方のファンにド叱られそうです。極めつけの「Walk Out In The Rain」はこれぞ雨の歌としか言いようのない素晴らしい出来。雨ソング好きの僕にとっては、雨ソング・ベスト10に堂々とランクされよう。これまたあの有名曲B・J・トーマス「雨にぬれても」を想起させる語り口ではないか。んで締めくくりはカントリー・テイストで綴る「Knocking Down Our Home」だ。まさかと思うような曲想に騙されてアルバムは終わりへと向かう。うむ、認めたくはないがこの曲が日々ニョキニョキと存在感を顕にしてくる。ラスト2曲「Give It A Try」、「Maybe Tomorrow」の名唱も涙ホロリとくるんじゃないかな。
しかしバンド名バッドフィンガーとこのジャケの指。なにやら意味深か・・・ついつい僕の指が・・・またCDプレイヤーの再生ボタンを・・・そしてポール・マッカートニー作「Come And Get It」のピアノが僕の耳を突く。
-NO.518-
【光明院・京都】
東福寺からほど近くにある隠れたる人気スポット。あのJR東海のCM“そうだ、京都へ行こう”に使われたお庭でも有名です。何といっても秋がおすすめ! 縁側に座り静かに時の移ろいを感じてみてはいかがかな。波心の庭と名づけられた枯山水はお見事です。